うなぎ以外の食べ物
土用の丑の日の食べ物はうなぎが定番ですが、うなぎ以外にも古くから伝わる食べ物があります。それぞれの食べ物の特徴と風習を紹介します。
土用餅(どようもち)
土用の丑の日には、『土用餅』を食べる習慣が残っています。土用餅は、あんころ餅のことです。
昔は、土用の入りに、ガガイモの葉を煮だした汁で餅米の粉を練って作った餅を、味噌汁に入れて食べる習慣がありました。この土用餅を食べると、暑気あたりしないとされていたのです。
この土用餅が、江戸時代にあんこで餅を包んだあんころ餅に変わり、現在に伝わっています。餅は力餅、あんこの小豆は厄除けとされ、土用餅を食べることで、病気や災難なく過ごせるといわれています。
土用しじみ
夏の土用は夏バテをしやすいため、精のつく食べ物を食べる風習があります。シジミも『土用しじみ』と呼ばれ、土用の日の食べ物の一つとして知られています。
シジミは、ビタミンやタンパク質・タウリンなどが豊富に含まれ栄養価の高い食べ物です。また、肝機能の働きを助けることでも知られています。
シジミの旬は夏と冬の2回あり、旬の頃が最も栄養価が高まります。そのため、土用の丑の日に、栄養価の高い『土用しじみ』を食べることで、栄養補給や夏バテ防止になるとされているのです。
土用の日にまつわる縁起
土用の日は、縁起にまつわるさまざまな風習もあります。あまり知られていない土用の日のタブーを紹介します。
土いじり、引っ越しはNG
土用の日に、土をいじるのはタブーとされています。土の中には、土公神(どくじん・どこうしん)という土を司る神がおり、土用の日に土をいじると、土公神の怒りに触れるとされているためです。
このタブーには、「季節の変わり目である土用の日は、体調を崩しやすいため、農作業などを控えましょう」という教訓の意味も含まれているといわれています。
現在も、この縁起を重んじている大工や建築会社もあります。そのため土用の日は、土を掘り起こす基礎工事などを避けることも珍しくありません。
また、土用の日は引っ越しもタブーとされています。土用の由来である『五行』は、季節だけでなく、方角にも当てはめられています。土はどの方角にも属していないため、引っ越しなどの異動は縁起が悪いとされているのです。
間日は作業できる
土用の日は土を動かすのがタブーとなると、いろいろな面で支障が起こります。そのため、『間日(まび)』が設けられています。間日は、土の神が地上にいない日とされているため、土を動かす作業なども可能になります。
なお、土用の日のタブーや間日は、建築業界などに限ったことではありません。昔ながらの風習や縁起を大切にしたいという人は、丑の日にはガーデンニングや植え替えなどを避けるのがおすすめです。どうしても必要な場合は、間日に行うとよいでしょう。
構成/編集部