
ゴールデンウィーク中、巣ごもり生活により「コロナ太り」をしてしまったという人もいるかもしれない。とはいえ、感染予防のために今は免疫力を高めておきたい時期でもある。
そこで今回は、免疫力や便秘、ダイエットなどに関係の深い「おから」について管理栄養士の藤橋ひとみさんに解説してもらった。
おからの機能性を知ると共に、料理ベタでもれるおからレシピにもトライしてみよう。
「おから」の巣ごもり生活メリット
おからとは、豆腐などの製造工程で、大豆から豆乳をつくるときのしぼりかすのこと。巣ごもり生活中、取り入れることでどんなメリットがあるか、藤橋さんは次の3つを挙げる。
1.低カロリーなのに食後に満腹感が得られる
「おからには、大豆の食物繊維が含まれています。食物繊維は、人の消化酵素で消化されない成分のため、1gあたり0〜2kcalと低カロリー。腸内で水分を吸収してふくらむので、食後に満腹感を与えてくれます。ですので、毎日の食事におからをプラスするだけで、無理のないダイエットの実現をサポートしてくれます」
2.便通をスムーズにする
「食物繊維には、便の体積を増やす材料となって便通をスムーズにする働きもあり、腸内のお掃除をしてくれます」
3.腸内環境が整い、免疫力アップにもつながる
「さらに、おからには大豆オリゴ糖も含まれており、食物繊維と一緒に腸内に住む善玉菌のエサとなり、腸内環境を整えてくれる作用があります。善玉菌たちはビタミンの産生や、免疫力アップなど、私たちの体に嬉しい働きをしてくれます。
感染症予防のためにも免疫力を上げたい昨今、まずは腸内環境を整えることから始めてみてはいかがでしょうか。腸活を効果的に進めるために、おからが一役かってくれるはずです」
おからの入手方法
巣ごもり生活にぜひ取り入れたいおから。ところで、おからはどこで手に入るのだろうか?
「スーパーの豆腐コーナーの片隅に、生おからやおからパウダーがないか探してみてください。近所にお豆腐屋さんがある方は、サービスで分けてもらえることもあるので、聞いてみると良いでしょう。おからは、価格が安いのも大きな魅力。最近、流行っているおからパウダーは、ネット通販でも入手できますよ」
おからを手軽に効率良く摂り入れる方法
おからを入手したら、早速、食事に取り入れてみよう。おからを取り入れる方法は主に3つあるそうだ。
1.混ぜる
「ほとんど味のないおからは料理の邪魔をしないため、様々な料理に混ぜて使うことができます。手軽に普段の食生活で不足しがちな食物繊維を補えるのが嬉しいところ。『混ぜる』のは、生のおからでも乾燥タイプのおからでも、どちらも使えるおからの活用法の鉄板と言えるでしょう」
2.置き換える
「ハンバーグのひき肉をおからに置き換えるなど、お肉をおからに置き換えるほか、ごはんや小麦粉をおからに置き換えることで、カロリーを抑えつつも、ボリュームが出て満腹感も得られます」
3.ふりかける
「ここ数年人気の乾燥タイプのおからは、料理にそのままふりかけるだけで使える優れもの。加熱してあるため、そのまま食べても大丈夫。粒が細かいおからパウダーは、飲み物に混ぜても溶けやすいので、様々なシーンで活用できます。どうしても栄養が偏りがちな外食のデリバリーや、お惣菜、インスタント食品で食事を済ませなくてはいけないときも、おからパウダーは気軽にふりかけて使える上に栄養不足を補填できるので、便利です。さらに、おからパウダーを飲み物や汁物に入れると、とろみがついて満腹感が増すので、ダイエット時に食べ過ぎを防止できるかもしれません」
●おからの保存方法
「生おからは日持ちがしないのが難点。毎日の食生活に活用するためには、小分けにして冷凍保存しておくのがおすすめです。解凍する際は、自然解凍だと水分が出てべちゃっとしてしまうため、電子レンジで解凍しましょう。また、生おからを炒ると、日持ちを良くしたり、臭みを和らげたりすることができますよ」
簡単!おすすめのおからレシピ3選
巣ごもり生活の助けになりそうなおから。料理に使うなら、このレシピを試してみよう。
1.レンジで簡単♪おからタラモディップ
(1人前:約200kcal、調理時間10分)
【材料】2人分
じゃがいも…大1個(皮をむいて1口大に切る)
おから…20g
明太子…1本(40g)
マヨネーズ…大さじ2
にんにく(すりおろし)…1かけ
【作り方】
(1)耐熱ボウルにじゃがいも、にんにくを入れてラップにかけて600Wで5分柔らかくなるまで加熱し、潰しておく。
(2)1に残りの材料を加えて混ぜ合わせる。
2.ほうれん草のごまおから和え
(1人前:約70kcal、調理時間5分)
【材料】2人分
ほうれん草…1/2束
すりごま…大さじ1(8g)
おから…20g
醤油…大さじ1
みりん…大さじ1
【作り方】
(1)ほうれん草をゆでてひと口大にカットする。
(2)材料を全て混ぜ合わせる。
3.カレーの香りが食欲をそそる レモンチャーハン
(1人前:約540kcal、調理時間10分)
【材料】2人分
ごはん…お茶碗2杯分(300g)
おから…30g
卵…1個
レタス…3枚(1口大にちぎる)
ウインナー…6本(5mm輪切り)
レモン…1個
油…大さじ1
[A]
鶏がらスープ…大さじ1
カレー粉…大さじ1/2
塩胡椒…適量
【作り方】
(1)ボウルに卵を溶き、ご飯とおからを加えて混ぜ合わせる。レモンの真ん中の太い部分で輪切り4枚を作り、残りを絞る。
(2)フライパンに油をしいて強火にかけ、ウインナー、レタスを炒め、水分が飛んだら1のご飯とレモン汁、Aで味をつける。
(3)器に盛り付け、輪切りレモンを添えたらできあがり。
どれも短時間ででき、料理初心者でも簡単に作ることのできるレシピだ。
これらのレシピは5月下旬に発売予定の藤橋さんの著書「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ」に掲載されている。もっと他のレシピも知りたい人はチェックしておう。
巣ごもり生活はまだまだ続く見通しだ。コロナ太りや便秘対策、免疫力アップにつなげるために、おからを意識して取り入れるのもいいだろう。
【写真】カメラマン:柿崎真子、スタイリング:平沼亜由美
【取材協力】
管理栄養士 藤橋ひとみさん
I’s Food & Health LABO.代表。フリーランス管理栄養士として、商品・レシピ開発、コラム執筆やメディア出演、コンサルティング等、幅広く活動中。大のお豆腐好きが高じて、国内外で豆腐の魅力を伝える活動をするなかで、近年は特に豆腐を作る際にできる「おから」に注目し、有効活用できる方法を広める活動に注力している。2020年6月に「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ(ベストセラーズ)」が発売予定。
ホームページ:https://is-food-health-labo.com/
「おいしく食べてキレイになる!おから美腸レシピ」
https://www.amazon.co.jp/dp/458413927X
【出典】
[1] 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)|炭水化物」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586559.pdf
[2] 文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
https://fooddb.mext.go.jp/
[3] 厚生労働省「e-ヘルスネット|腸内細菌と健康」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
取材・文/石原亜香利
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