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話題の適正検査ツール「iWAM」で解決!クセのある職場の上司や同僚との上手な付き合い方

2020.06.02

「会議で的外れな意見を出す」「指示が大雑把すぎる」「いつも感情的な物言いをする」などで煙たがられる、職場の困った人たち。

もし、こういった人が自分の上司だったら、会社勤めはかなり憂鬱なものとなってしまうだろう。しかし、そう考えているあなたも、別の人から想像したこともない理由で困った人扱いされているかもしれない…

心理学者のA・アドラーは「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」と喝破したが、異なる個性や価値観がぶつかりあう職場は、そんな悩みのるつぼにちがいない。(株)新経営サービス人事戦略研究所のマネージャーの飯塚健二さんも、前職では人間関係にさんざん悩まされた1人だ。人間不信に陥るほど追い込まれた飯塚さんが、暗闇から抜け出るきっかけとなったのが、今回紹介する「iWAM(アイワム)」だ。

人の認識のクセを知り人間関係を改善できるツール

「iWAM」は、「inventory for Work Attitude and Motivation(職場における行動特性と動機づけに影響を与える要素)」の略で、認知科学の知見に基づいて開発された「人の認識スタイルを測定する総合適性検査ツール」のこと。現在、30か国以上の企業・団体で採用され、人材育成や企業風土改善などに用いられている。

「iWAM」の基本的な考え方は、人が物事を認識する際にその人特有のクセ(認識スタイル)があり、それは16カテゴリ、48タイプに分類できるというもの。これらの認識スタイルを理解することで、職場の人間関係を大いに改善できると飯塚さんは、著書『「職場のやっかいな人間関係」に負けない法』(三笠書房)で解説する。

例えば、カテゴリの1つに「主体性」と呼ばれるものがある。これはさらに「主体・行動型」と「反映・分析型」に分かれ、会議の席で出しゃばる人は前者、なかなか発言しない人は後者に分類されるという。このようにタイプ分けし、タイプに合った対応をとることで人間関係を円滑なものへと変化させられるというのが、「iWAM」の大きなメリットだという。

本書の中で飯塚さんは、10カテゴリ(20タイプ)について具体的な例を出しながら、「職場のやっかいな」人間関係改善の処方箋を打ち出している。それには、どういったものがあるのだろうか。参考までに、「方向性」というカテゴリについて、以下まとめてみよう。

「目標志向型」と「問題思考・回避型」

とある営業部での売上目標を決める会議で、Aさんは「今期の倍の数字を出したい」と無茶な目標を掲げた。一方、Bさんは理由を挙げて「よくても今期くらい」と心配げに話す。正反対の考えを持つ2人は、お互い「こいつは、ダメなやつだ」と心の中でレッテルを貼り合う…

「iWAM」には「方向性」というカテゴリがあり、「目標志向型」と「問題思考・回避型」のタイプに分かれる。Aさんは典型的な「目標志向型」で、仕事では「役に立つこと」や「ゴールに向かうこと」を重視する。Bさんは「問題思考・回避型」で、「問題を起こさないこと」や「迷惑をかけないこと」を重視する。

「目標志向型」は、目標達成のために努力し、周囲から一目置かれる存在になる可能性を秘めている。しかし、この傾向が強すぎると。Aさんのように向こう見ずな考え方へと暴走してしまうリスクがある。

他方、「問題思考・回避型」は、リスクを回避することに意識が向く傾向があり、あまり失敗せずに仕事をそつなくこなす。そのため、組織の「ブレーキ役」として活躍できる可能性がある。ただ、それが極端になると、物事がなかなか前に進まなくなるという問題をはらむ。

このように、アクセル役のAさんとブレーキ役のBさんは正反対のタイプなため、互いのことが理解できず、人間関係は悪化しがちになる。

それを防ぐために、飯塚さんは「iWAM」に基づいた対策(戦略)を提案している。Aさんタイプを相手にする場合は「目的・目標共有戦略」で、Bさんタイプについては「不安言語化戦略」だ。

正反対のタイプで互いに理解し合えない…どうする?

猪突猛進人間には「目的・目標共有戦略」

Aさんのような猪突猛進人間とうまくやっていくのに有効なのが、「目的・目標共有戦略」。つまり、その人と目的や目標をしっかり共有することだが、無謀な目標を共有してもあとで困るだけ。共有する目標は、あくまでも適正かつクリアなものでなければならない。そこで指標となるのが、「SMARTの法則」だという。

S=Specific:明確で具体的な言葉で表現できているか?
M=Measurable:誰が見ても達成/不達成がわかるような表現になっているか?
A=Achievable:希望や願望ではなく、その目標が達成可能な現実的内容かどうか?
R=Related:上位目標と連動しているか? 期待されているものか?
T=Time-bound:期限が明確になっているか?

これらを吟味しつつ、相手とすり合わせながら、合意できる目標の共有を目指す。

そして、もう1つ大事なのが、目的の共有。「何を=目標」だけでなく「なんのために=目的」を持つことも重要だと飯塚さんは諭す。この例では、売上をいきなり2倍にすることに、なんの目的があるのか。売上至上主義とならないためにも、このポイントは押さえておく。

猪突猛進人間とは目的と目標を共有する

心配性人間を動かすには「不安言語化戦略」

「問題思考・回避型」のタイプは、とかく不安や問題点を気にしがち。しかも、それは漠然としていて、本人もなんとなくそう思っているだけというパターンが多いという。

こうした人とうまく付き合うコツとして、飯塚さんが挙げるのが「その不安の正体を言葉にするよううながす」、いわゆる「不安言語化戦略」だという。具体的にどうするかというと、

・「何に、不安を感じているか?」
・「うまくいかないとしたら、どんなところか?」
・「どんな点が、問題になると思うか?」

といった問いかけをして、相手が不安を言葉にできるよう手助けする。この手法の利点は、言葉にするだけで不安のほとんどが消失することが期待できること。その種の不安は、実は根拠のないものだと相手が自覚できるからだ。

これを応用して、飯塚さんはクライアント企業に対して、会社の課題についてグループディスカッションをしてもらうことがあるという。その際に、あえて不平、不満、不安しか言ってはいけないという時間を設ける。その場でネガティブな発言が出尽くしたところで、ポジティブなディスカッションに切り替える。これによって、非常に建設的な議論につながるという。

話を「問題思考・回避型」タイプの人への対処法に戻すと、このタイプのもう1つの特徴として失敗・リスクを過度に恐れるというのがある。それに有効なのが、「失敗しても大丈夫だ」、「どんなこともリスクはつきものだ」と背中を押してあげる一言だと、飯塚さんはアドバイスする。

心配性人間が相手なら不安を言葉にできるよう手助けする

上の例に限らず、飯塚さんが本書で取り上げる各カテゴリの2つタイプは、正反対の気質が多い。しかし、どちらが良い悪いではなく、どちらも必要な存在だと思うことが大切だという。そして、互いの関係性は時間とともに変化するため、試行錯誤によって好ましい関係を維持する努力が必要だとも。そうした容易ではない人間関係の維持に、「iWAM」は有益だと飯塚さんは力説する。

もし、「iWAM」に関心を持ったら、簡易版の無料テストがあるので、まずこちらを受検してみるとよいだろう。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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