キーキャップはMDAプロファイルの「MDA ORTHO VoID」
キーキャップにも様々な種類があり、プロファイルと呼ばれるキーの傾斜で打鍵感が変化する。例えばHHKBキーボードはキートップの傾斜がかなり強めのSAに近いプロファイルを採用している。私の好みはキートップの面積が広く傾斜の緩やかなMDAプロファイルだ。さらに親指も他のキーと同じ1Uタイプを使いたい。AliExpressで探しても適当なモノがなかったので、遊舎工房の「MDA ORTHO VoID」を奮発した。9000円もするのだが、1Uキーが多く、カラフルなブランクキー、さらに親指で押すのに向いているコンベックス形状のキーも入っているお得なセットなのだ。素材はPBTである。これを使えばキーキャップが原因でうまく打てないとは言えなくなる。
様々な色とサイズのキーキャップ。最下段の膨らんで角が丸いのがコンベックス形状である
キースイッチを入れ替えたら新しいキーキャップを被せる地道な作業が続く
Ortholinearかstaggered
さて、通常のキーボードはNormal staggeredと呼ばれる配列で並んでいる。キーボードの各段が横にずれている配列だ。私のキーボードはずれていないと思った人はよく見て欲しい。EnterやShiftキーの長さを変えて端を揃えいているのだ。細かく言えばこれもrow-staggeredの中に分類され、他にもHHKBキーボードが採用するEqual staggeredとかあるのだが、とにかく横の列が上下でずれている配列。これに対してcolumn-staggeredはタテが隣とずれている。私が作ったキーボードキット「ErgoDash mini」もこの配列になる。
上下左右にずれがなく格子状に並んだ配列をOrtholinearと呼ぶ。市販品には見かけないタイプで、これが使いたくてキットにはまる人もいる。例えば遊舎工房のキット「Helix」である。これは物理的な配列で、アルファベット自体の配列もQWERTYだけでないが、今回は触れないでおく。
どの配列にでもできるのが「DK6」の強みである。また、製造元が勧める配置もあるので、まず、それから試してみよう。
DUMANGが推奨するキー配置。Planck、Ergo、そしてDUMANG配列を推奨。私にはDUMANG配列は左右に差がありすぎて人差し指が打ちづらくなった
Ortholinearに並べてみる。打ちにくくはないが格別に打ちやすくもない
打ちやすさを追求していくとcolumn-staggeredになった
左右独立型の真価を発揮、キー入力が早くなった!
ミリ単位で素早く打ててミスタッチの少ない配置を追求していくと、市販の左右独立型キーボードキットとほぼ同じ配置になってきた。人間の手の形が同じなのだから、そんなに奇抜な配置になるわけがないのだが、インパクトには欠ける。しかし、「DK6」のレイアウトフリーという特徴を活かして右手と左手も独立して1個ずつのキー配置を微調整していくとミスタッチが減ってきた。
また、左右の親指で漢字変換と決定がおこなえるのもいい。キーボードの角度が調整できるのとボードが金属製で盤石の安定感があるのもいい。今まではHHKBキーボードで入力した方が早かったのだが、ルブしたキースイッチとキーキャップ交換で「DK6」で打った方が早く入力できるようになった。これでウチのメインキーボードは「DK6」と胸を張って言えるのだ。
現在、使っている配列。親指担当のキーにはコンベックス形状を使っている
写真・文/ゴン川野
編集/石崎寛明