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屋上に携帯基地局のアンテナを設置しているマンションは、管理組合が税務署に収入を申告しないと加算税が課せられる!

2020.04.24

マンションなどの集合住宅を所有している人(区分所有者)にとって、管理組合の活動は決して他人事ではない。資産価値を下げないためにも、最低限のチェックはしておこう。自主管理体制ならなおさらだ。

増え続ける共同住宅

2020年4月の総務省発表資料によると、日本の総住宅数は6242万戸。ここから空き家を除くと5366万戸。その内訳は一戸建て2876万戸(53.6%)、共同住宅が2334万戸(44.5%)、長屋建(2.6%)で、過去30年の推移を見ると、共同住宅の伸び率が2倍以上と他を圧倒している。

【参照】総務省 平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計

とくに東京や大阪は15階建以上の共同住宅の占める割合が大きいと読み取れる。

管理組合という名の存在

ところで、こうした集合住宅には区分所有者による管理組合があり、定期的な総会で理事長ら役員の選任や住環境の維持管理など、あらゆる内容を話し合う場が設けられる。

ただ、大規模マンションになるほど組合員の数は多く、実際の総会は選任された役員だけが出席して行う場合がほとんど。

また、実際の管理業務は管理会社に委託するなど、専門知識をもった人に入ってもらうケースも多い。なぜなら、不動産業界では「マンションは管理を買え」といわれるほどで、自主管理物件は、管理の不十分さを指摘され中古の売買ではチェックが厳しくなる可能性があるからだ。

自主管理の落とし穴とは

とはいえ、自主管理せざるを得ない集合住宅は少なくない。戸数の少ない所はなおさらで、理事長をはじめとした役員たちのやる気、法的な知識が管理業務に大きく影響する。

良くないケースとして考えられるのが、いつも同じ人が惰性で役員を続け、他の区分所有者は人任せで関心を示さないパターン。管理に手抜きがあっても気づかず、放置している間に問題がどんどん大きくなってしまう。

中には監事がどのような権限を持っているのか理解しないまま「何となく楽そうだから」と引き受けているケースも見られる。同じ屋根に下に暮らす者同士、性善説に基づいて…… という考えは大切だが、自分の財産を守るため、管理組合の仕事ぶりについて、最低限のチェックはしておきたい。

法律で決められている書類の有無

まずチェックしたいのは総会議事録だ。これは区分所有法により「作成しなければならない」のだが、記録することが面倒で作成をしていない、たとえ作成していても、過去のものが保管されていない場合もある。

毎回管理業務に関する話し合いをしっかりしていれば、後に問題が起きたとき議事録が重要な証拠になるのに、それがない。もしくは不備がありトラブルが長引くことはよくある話だ。せめて総会後の一定期間内に議事録の有無と内容のチェックをする体制だけは整えておきたい。

過去も含め、議事録の「閲覧を希望」することは、区分所有法に基づいて利害関係者が要求できる権利なので、疑問を感じた時はしっかり行使することも忘れずに。

議事録を作成していなかったり、正当な理由なく閲覧を拒否された場合は、管轄する地方裁判所に過料(過料=20万円以下)の申立を行うこともできる。

携帯基地局の扱いと税務署への申請

屋上に携帯基地局のアンテナを設置しているマンションをよく見かける。屋上を携帯電話会社に貸すことで収入を得ることができるので、修繕積立金を少しでも増やしたい管理組合にとって大きな収入源になるからだ。

ところが、この収入を申告していない管理組合が多い。「管理組合は法人税はかからないし、そもそも非課税。申告も不要」との誤った認識が根強いからだ。

そこで国税庁は「マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定」と題したページをホームページ上に公開し注意を促している。

【参照】国税庁 マンション管理組合が携帯電話基地局の設置場所を貸し付けた場合の収益事業判定

税務署は曖昧な返事だが

つまり、こうした収益があるなら管理組合として所轄の税務署に相談し申告をする必要がある。それを怠ると加算税などが科せられるわけだが、お世辞にも広く知られているとはいい難い。

参考までに、筆者が匿名で都内の3か所の税務署に

・5年前から携帯基地局があります。
・収益が年100万以上あります。
・今まで申告していません。
・どうしたらいいですか?

上記の内容で問い合わると、答えは3か所とも「申告してください」「期間を過ぎると加算税の可能性もあります」だった。

もっとも、たとえその場で住所やマンション名を伝えたとしても、「税務署からその管理組合に指摘や問い合わせを行う約束はできません」とも。自ら進んで申告してくださいとのスタンスだったことも付け加えておこう。

取材・文/西内義雄
医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員

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