新型コロナウイルス対策による臨時休校措置が取られている昨今。テレワークが導入されていない会社で働く共働き家庭の場合、やむを得ず子どもに留守番を任せるケースも少なくないだろう。
そこで今回、ALSOKが実施した「小学生のお留守番実態調査」の結果と共に、後半では子供だけで留守番をさせる時のポイントを紹介していく。
共働き家庭の86.0%が「子供だけで留守番をさせたことがある」
小学生の子供がいる夫婦共働き家庭の男女500人を対象に、子供だけで留守番させた経験の有無を尋ねる調査が行われたところ、86.0%が「子供だけで留守番をさせたことがある」と回答した。
初めての留守番は「小学1年生」、留守番させられるのは「小学4年生」
初めて子供だけで留守番をさせた学年を尋ねる調査が行われたところ、「1年生」が21.4%と最も多い結果となった。小学校入学前を含めると、1年生の時点で35.4%が子供だけでの留守番を経験していることがわかった。
一方、子供だけで留守番をさせたことがないという人を対象に、いつからなら子供だけで留守番をさせられると思うか尋ねる調査が行われると、「4年生」と回答した人が「子供だけで留守番させたくない」と並んで最も多く22.9%となり、理想と現実にギャップがあることが浮き彫りになった。
今般の新型コロナウイルス対策による臨時休校により、不安を感じつつも、仕事を休めなかったり、子供の預け先が見つからないことから、やむを得ず子供だけで留守番をさせた人が増加したものと推察される。
子供だけで留守番をさせたきっかけは?
子供だけで留守番をさせたきっかけは、「子どもが成長してきたから」が46.5%と最も多く、「突発的な用事でやむを得ず」が34.2%で1/3以上を占めた。この「突発的な用事」には、今般の新型コロナウイルス対策による臨時休校も、含まれていると推測できる。
また、「夫または妻の仕事開始」19.1%、「夫または妻の職場復帰」14.2%と、夫婦共働きになったことを理由に挙げる声も多くあった。
8割以上の親は、子供だけで留守番をさせることに不安を感じている
子供だけで留守番をさせることに不安はあるかどうか尋ねる調査が行われたところ、「不安がある」(38.4%)、「どちらかといえば不安がある」(46.2%)となり、84.6%の親が、子供だけで留守番をすることに対して何らかの不安を感じていることがわかった。
子供だけで留守番をさせることへの親の不安TOP3は、「訪問者対応」、「居空き」、「急な体調不良」
子供だけで留守番をさせることに不安を感じている人を対象に、不安の内容を確認する調査が行われたところ、「訪問者対応」(66.7%)、「居空き」「急な体調不良」(ともに51.8%)について、半数以上の人が不安を感じていることがわかった。このほか「親が知らないうちに外出」も36.4%の人が不安視していた。
■ALSOKからのアドバイス
留守番中の犯罪被害を防ぐためには、これから留守番するということを犯行者に見抜かれないように注意して行動することが大切。そのためには、学校や外出先から家に帰るとき、すなわち「留守番する前」から気をつけておくべき約束がある。
ALSOKでは、この約束を「いいゆだな」という覚え言葉にして小学生に教えている。小学校低学年くらいだと、カギの使い方に不慣れなため、玄関扉の開錠に手間取ってしまう子が多いもの。
玄関先で手間取っていると、これから留守番するということがばれてしまったり、背後が無防備になってしまったりと防犯上よくない。留守番を任せる前には、カギの開け方の練習をしておくこともおすすめする。
子供だけで留守番をさせるときの対策は「約束事を決める」が71.4%
子供だけで留守番をさせたことがある人の対策として最も多かったのは、「留守番をするときの約束事を決める」が71.4%と最も多く、「キッズ携帯を持たせる」は32.1%、「録画機能付きインターホンを設置する」(18.1%)と、ハード面での対策も進んでいることがわかった。しかし、10人に1人(10.5%)は、「何もしていない」という人もいた。
■ALSOKからのアドバイス
子供に留守番をさせる際には、留守番中の約束事を決めておくことも大切だが、下に挙げたようなご自宅の防犯設備を整えたり、子供が留守番をしていることがわからないようにすることでリスクを減少させることが可能だ。この機会に、自宅の留守番安全度をチェックしてみよう。
<自宅の留守番安全度チェック>
□ドアチェーンがついている(荷物の受け取りなどを任せる場合は必須)
□モニター付きインターホンが付いている(録画付きが望ましい)
□周囲から見て子供が住む家だとわからない(洗濯物や遊具などが外から見えない)
□ネットワークカメラ(IPカメラ)を設置している(外出先から自宅内の様子を見守ることができる)
□周囲から見て侵入し難そうな設備がある(防犯カメラ、防犯砂利、警備会社のステッカーなど)
□緊急時や火災発生時に通報し、ガードマンの駆け付けを要請できる設備がある
(キッズ向け携帯端末、ホームセキュリティなど)
留守番をする時の約束事、1位は「知らない人が訪ねてきても扉を開けない」
留守番時の約束事を決めていると回答した人を対象に、約束事の内容を尋ねる調査が行われたところ、最も多かったのは「知らない人が訪ねてきても扉を開けない」(79.8%)で、以降「家に帰ったすぐにカギをかける」(68.1%)、「火は絶対に使わない」(53.7%)の順だった。
最も多くの人が不安を感じている「訪問者対応」についての約束事として、知らない人に対応しないよう子供と約束をしていることがわかった。
<調査概要>
調査対象: 小学生の子供のいる共働き家庭の男女(日本国内在住)
調査期間: 2020月3月2日(月)~5日(木)
調査方法: インターネット調査
調査対象者: 500人(男性250人/女性250人)
出典元:ALSOK
構成/こじへい