iPhoneに搭載されている「iOS」、GalaxyやXperiaなど、「Androidスマホ」と呼ばれる端末に搭載されている「Android OS」。OSとは、スマホを動かす「脳みそ」のような部分で、この2つは役割こそ同じなものの、その特徴には大きな違いがある。今回は、そんな2つのOSを比較し、それぞれの特徴や、長所/短所を紹介していこう。
OSの基本的な機能や種類を理解すると、日常的に利用している端末への理解も深まる。普段使っているスマホで当たり前にできる作業を見落としている可能性もあるので、参考にしていただきたい。
OSを構成する4つのプログラムとは!?
まずは、OSとは何なのかの理解を深めていこう。OSは主に4つのプログラムで構成されている。これは「iOS」「Android OS」どちらにも共通するので、スマホを利用しているほぼすべての人に関わるといえるだろう。
OSを構成するプログラム【ブートローダー】
ブートローダーとは、パソコンやスマホに備わっている、OSを検出・起動させるプログラムを指す。ブートが「起動」、ローダーは「ロード(読み込み)」の意味だ。パソコンやスマホを起動させると、まずはBIOSというブートローダーを起動させるプログラムが作動。BIOSがブートローダーを起動し、ブートローダーがOSを起動させるという仕組みだ。
OSを構成するプログラム【カーネル】
カーネルは、ハードディスクやメモリなどの周辺装置を管理するプログラム。「核」という意味があり、パソコンやスマホを動作させるための根幹ともいえるOS内でも大切なプログラムだ。
OSを構成するプログラム【デーモン】
ユーザーの操作にすぐに対応できるように、常に待機しているプログラムが「デーモン」。悪魔ではなく「守護神(daemon)の意味を表している。「サービス」と呼ばれる場合もあり、メールを受信し、その通知をするなどの作業をしている。
OSを構成するプログラム【シェル】
シェルとは、ユーザーからの入力をパソコンやスマホに伝えるプログラムで、カーネルを操作するプログラムでもある。サーバーの構築や開発環境の構築に用いられる。
「iOS」と「Android OS」の違いとそれぞれの特徴
では、ここからが本題。「iOS」と「Android OS」は具体的に何が違うのか。それぞれの特徴を解説しながら、違いに注目していこう。
「iOS」の特徴とは
まずは「iOS」の特徴について。「iOS」とは、「Apple」が開発した「iPhone」「iPod touch」専用(かつては「iPad」にもプリインストールされていた)のOSで、iPhone以外のスマホには搭載されていない。その特徴は、一貫性が高く、やや柔軟性が低いという点。デフォルトの設定だと、アプリのサイドローディング(正規のアプリストアを通さずにアプリを入手して利用すること)ができなかったり、ブラウザやメールクライアントなどのデフォルトアプリを一括で変更できない。しかしこれは、裏を返せば、簡潔で直感的に作業できるともいえる。シンプルな構造であるがゆえ、今までiPhoneを利用した経験のない人でも、比較的簡単に使用できる。
「Android OS」の特徴とは
「Android OS」とは、「Google」が開発し、提供しているOS。各スマホメーカーが、この「Android OS」を独自にカスタマイズし、スマホに搭載しているため、GalaxyやXperiaといった、全く違うメーカーのスマホにも使われている。
その特徴は「iOS」とは逆で、自分専用のカスタマイズが容易である点。一般的なアプリをタウンロードして設定するのは当然として、端末自体の設定も柔軟に変更できる。また、公式のGoogle Play ストア以外にも、Web上からアプリを自由にダウンロードできるのもポイントの1つだ。
シンプルで使いやすい「iOS」と、自由度の高い「Android OS」
つまり、2つのOSは「シンプルでだれでも簡単に操作できるiOS」と、「自由度が高く、独自のカスタマイズが可能なAndroid OS」と大別できる。ユーザーによってスマホに求めている機能は様々なので、どちらが優れているというものではないので、自分のスマホの使い方に合ったOSを選ぶといいだろう。
2つのOSの最大の違いはアプリの種類!?
スマホを扱う一般的なユーザーに直結する、2つのOSの違いは、アプリの種類が違うという点。「iOS」スマホはAppleの「App store」、「Androidスマホ」は」「Google Play ストア」からアプリをインストールするのが一般的で、それぞれに対応しているアプリ、していないアプリが存在する。どうしても利用したいアプリがある場合は、そのアプリがどちらのOSに対応しているのかを確認しよう。
「iOS」と「Android OS」のメリット/デメリット
では、「iOS」と「Android OS」にはそれぞれどのようなメリット/デメリットがあるのかを紹介していこう。
「iOS」のメリットとは
「iOS」は、多様性が売りであるAndroidとは逆に、搭載されているスマホがは「iPhone」しかない。機種選択から非常にシンプルなのは、メリットといえるだろう。また、iPhoneは長い期間OSのアップデートに対応している場合が多く、最新のOSが利用しやすい。加えて、iPhoneしか選択肢がないため、周辺機器の種類が豊富なのも特徴。Appleのパソコンやスマートウォッチ、AIスピーカーなどとの互換性の高さもポイントの1つだ。
「Android OS」のメリットとは
「Android OS」のメリットは、誰でも無料で利用・開発ができるオープンソースOSであるため、Googleに限らず多くの会社がAndroidを搭載したスマートフォンを開発・販売している。そのため、Androidスマホにはハードウェアの仕様や価格帯、OSのカスタマイズや各社の独自機能などの違いによって、様々な端末が選択肢として用意されていて、自分の好みの端末を見つけやすい点。
また、前述した通り、購入後も独自のカスタマイズがしやすく、自分専用の唯一無二のスマホに設定できるのがポイントだ。
「iOS」・「Android OS」それぞれのデメリットとは
2つのOSのデメリットは、それぞれのメリットの裏返しだ。つまり、「iOS」の場合は、自由度が低く、良くも悪くも「Appleが想定した使い方」からはみ出すのが難しい。逆に「Android OS」は、自由度や多様性を高めた代わりに、最新OSへのアップデートがすぐに受けられなかったり、Google Playストア以外から配信されている、セキュリティ性の低い傾向にあるアプリも簡単にダウンロードできてしまう。
自分の好みに合わせたOSのスマホを購入しよう
今回は、2つのOSの特徴や、メリット/デメリットについて解説してきた。どちらのOSにも長所と短所があり、その優劣をつけるのは難しい。自分がスマホに求めている機能を考え、それに適したOSを搭載しているスマホを購入しよう。
※データは2020年4月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用はあくまで自己責任にてお願いします。
文/佐藤 文彦