人間よりも動物の方が信用できる!動物は人間よりも純粋で可愛いし、愛すべき存在だ!……社会に揉まれ、人間関係に疲れ果てたとき、ふとそんな極端な考えが頭に浮かんだことがないだろうか?
空前の猫ブームが巻き起こっている昨今だが、今回ご紹介するのは“ネコ科猛獣”の魅力にとりつかれた人々を題材にした衝撃のドキュメンタリーだ。
Netflixオリジナルシリーズ『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』は、私設動物園経営者と動物愛護団体の熾烈な攻防を描いている。
アメリカで話題沸騰となった本作は、好評を受けて4月12日より続編『The Tiger King and I(原題)』(日本語字幕版は現時点で未配信)が配信スタート。さらに映画化が進められているという報道もあり、今後も要注目の作品だ。
あらすじ
トラを愛してやまない“タイガーキング”ことジョー・エキゾチックは、大型ネコ科猛獣をはじめ希少な野生動物ばかりを集めた私設動物園を経営していた。ジョーの動物園は、1999年に建設を開始し、そこから16年間かけて少しずつ規模を拡大。
愛くるしいトラやヒョウの赤ちゃんとも触れ合える動物園は、アメリカ人の間で大人気。ジョーもメディアからの注目を集めた。
それに目を付けたのが、動物愛護団体『ビッグキャット・レスキュー』CEOのキャロル・バスキン。“トラのマザー・テレサ”の異名をとるキャロルは、ジョーの活動を“動物虐待”だとして猛批判。ジョーは、次第にキャロルに対して強い恨みと憎しみを抱くようになる……。
見どころ
お互いを「危険人物」「頭がおかしい」と罵りあうジョーとキャロルだが、部外者の視点から見ると非常に共通点が多い。
ふたりとも深い孤独を抱えており、それをネコ科の動物に癒してもらった過去があるのだ。似た者同士仲良くやれそうに思えるふたりだが、だからこそトラを巡る価値観の違いがどうしても許せないらしい。
「野生動物であるトラは自由に生きてこそ。オリに入れるのは可哀想」と語るキャロルは、心優しい女性かと思いきや、ところどころに極端な性格が垣間見えてコワイ。家の中は家具も食器もヒョウ柄かトラ柄、仕事着はヒョウ柄のスーツ。「新聞もテレビもトラ関連しか見ない」とキッパリ言い切るキャロルの目は、爛々と輝いている。
トラにはめっぽう優しいキャロルだが、エピソード後半では夫殺害疑惑も浮上。果たして真相は……⁉
Netflixオリジナルシリーズ『タイガーキング:ブリーダーは虎より強者?!』シーズン1
独占配信中
文/吉野潤子