国が行う消費の活性化制度の第二弾「マイナポイント事業」が2020年9月から始まる。
先だって第一弾の「キャッシュレス・ポイント還元事業」は2020年6月末に終了する。
マイナポイント事業では、キャッシュレス決済を利用した額の25%、上限5,000円の還元が行われる。マイナンバーカードを持っていないと還元が受けられない。またマイナンバーカードとキャッシュレス決済を紐づける「マイキーID」の取得が必要となっている。
マイキーIDの設定手順を解説した動画も公開されている。
引用元:動画「マイキーID設定の方法について」(以下、マイキーID設定動画)
■還元を受けるために必要な手続きまとめ
①マイナンバーカードを取得する
②マイナンバーカードとスマートフォンまたはパソコンを使って「マイキーID」を取得する
③還元を受けたいキャッシュレス事業者を選ぶ(2020年7月から)
④実際にキャッシュレスサービスを利用して還元を受ける(2020年9月から2021年3月まで)
参考:マイナポイント事業サイト/総務省
マイキーIDの取得にはマイナンバーカードと暗証番号が必要となる
2020年7月を待たずして、マイキーIDの取得が可能になっている。
マイナンバーカードを持っている人は、暗証番号を忘れていないか確認しておきたい。もし忘れてしまった場合は住所地の役所で再設定が必要になる。
マイキーIDの発行は、スマートフォンアプリ上でマイナンバーカードに設定した暗証番号を入力したのち、マイナンバーカードをスマートフォンにかざす必要がある。電子マネーの機能と同じFelicaの機能を使っているので、iPhoneであれば対応するiPhone 7以降の機種でないとりようできないのも注意ポイント
■マイキーIDの取得時の注意点
①マイナンバーカードに設定した暗証番号が必要
②スマートフォンで取得する場合はFelicaに対応した機種が必要(iPhoneであればiPhone 7以降の機種)
スマートフォンアプリでの暗証番号入力イメージ。e-Tax上の確定申告でマイナンバーカードを読み取っている人は大丈夫だろうが、マイナンバーカードの受取以来、何も操作したことがない人は早めに試しておきたい
引用元:マイキーID設定動画
スマートフォンでの読み取りイメージ。マイナンバーカードをスマートフォンに図のようにかざしてデータを読み取る
引用元:マイキーID設定動画
マイナンバーカードが正しく読み取れるとマイキーIDが生成される。ランダムな文字列になっていて、キャッシュレス事業者で設定するときに使うので絶対に忘れてはならない
引用元:マイキーID設定動画
パソコンでマイキーを取得する場合はICカードリーダーも必要になる。パソコンでe-Taxによる確定申告をしている人は、その時に使うICカードリーダーが使える。
引用元:マイキーID設定動画
チャージや物品購入時の決済に対して還元分をキャッシュレスサービスに上乗せしてくれる
キャッシュレスでの決済を行った場合に「マイナポイント」というポイントが国から付与されるわけではない。利用したキャッシュレスサービスに対して還元分が上乗せされる仕組みになっている。そのため利用するキャッシュレスサービスを決めるのが先になる。
後から「このキャッシュレスサービスにマイナポイントを充当しよう」という使い方ができないのである。そのため普段よく使うキャッシュレスサービスを選択するのが吉だろう。各キャッシュレス事業者は、マイナポイントの登録キャンペーンを打ってくるはずだが、おトクさだけで選んでしまうと後悔するかもしれない。
マイナポイント還元のイメージ。例えば20,000円分をキャッシュレスサービスにチャージした場合、その25%である5,000円分を上乗せしてチャージしてくれる。この上乗せがマイナポイントの還元分だ。
引用元:動画「マイナポイントの利用について」
対象となるキャッシュレスサービスの一覧。PayPayやLINE PayなどのQRコード決済や、交通系の決済サービスSuica、コンビニ系のFamiPayやnanacoなど大手事業者が行うサービスが含まれている。還元を受けたいサービスがきっとあるはず。
引用元:マイナポイント事業サイト
チャージするときや買い物するときにマイナンバーカードを使う必要はない。マイナンバーカードを財布に入れて持ち運ばなくてよい。
引用元:マイキーID設定動画
東京オリンピック延期によるマイナポイント事業の変更は今のところ確認できず
2020年4月13日時点ではマイナポイント事業サイトなどで、事業内容の変更は告知されていない。しかし東京オリンピック延期や新型コロナウイルス感染拡大防止による経済政策が新たに打ち出された場合に、マイナポイント事業の内容が変わる可能性がある。
マイキーIDを早めに設定して還元を受ける準備は早めに行っておきたい。
文/久我吉史