「夏生まれが多い」「早生まれを避ける」誕生月にまつわる噂は本当なのか?
「周りに夏生まれの子が多い」「産院は夏が混むらしい」「保育園や幼稚園のお誕生日会、夏生まれの子が大勢…」など、夏(7~9月)に生まれる子どもが多いということを感じたり、聞いたりしたことはないだろうか。
今回、厚労省の「人口動態統計」及びベビーカレンダーのアンケート結果をもとに、耳にすることが多い誕生月にまつわる噂について、実際のところどうなのか検証してみた。
「夏生まれが多い」「早生まれを避ける人が多い」のは本当か?
人口動態統計を見ると、実際に近年は7~9月の出生数が比較的多くなっている。
厚労省の調べでは、第2次世界大戦前は、出生月によって出生率の差が大きかったそう。1~3月に出生率が高くなり、6月には低い傾向のまま推移していた。戦後から昭和39年にかけても同様に、1~3月の出生率が高く、6月の出生率が低かったものの、出生月による差は戦前に比べて少なくなっていったようだ。
そして昭和45年以降は、出生月による出生率の差は、ほとんど見られなくなった。平成元年以降も出生率の差はほとんどないものの、比較的7~9月に高く、3月が低い傾向へと変化。現在も、その傾向のまま推移していることがわかる。
<参考>厚生労働省HP-人口動態統計特殊報告-出生に関する統計-平成17年度「出生に関する統計」の概況-1 出生の年次推移-(2)月別にみた出生
以上のことから、「夏生まれの子が多い」説は、平成元年以降において統計的に「ホント」であると言えそうだ。
「早生まれを避ける人が多い」説 は本当か?
1月1日から4月1日に生まれた子は「早生まれ」とされ、同じ年に生まれた子よりも1つ上の学年となる。そのため、特に小さいうちは、同じ学年の遅生まれの子と比べるとどうしても成長や発達に差が出てしまうので、不安を感じるという人もいるかもしれない。
早生まれを避けて出産する人が多いという噂、実際はどうなのか?
人口動態統計を見ると、早生まれとされる1~3月の出生数は低く推移している。早生まれ(1~3月)と、遅生まれ(4~12月)の平均出生数を見てみると、各年約2~3%、早生まれのほうが少ない結果に。それほど大きな差ではありませんが、僅かながら遅生まれの平均出生数が多い結果となった。
また、2018年12月~2019年11月までの1年間にお子さんをご出産された2,433名のママ・パパに、出産の時期について何か計画や考えがあったかどうか質問したところ、約9.3%(226名)が「早生まれを避けたかった」と回答。全体の1割近くの人が、早生まれを避けたいと考えていたようだ。
これらの結果から、早生まれを避ける人が多いという噂についても「ホント」であると考えられる。
調査概要
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方、2018年12月~2019年11月にお子さんが生まれた方
調査期間:2019年12月8日(日)~2019年12月12日(木)
調査件数:2,433件
構成/ino