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「金庫は自然災害に強い」は本当だった!東日本大震災で発見された漂流金庫、約5780個のうち99%以上が持ち主に返還

2020.04.16

地震、台風、火山の噴火……いつ何時起こるかわからない自然災害。もしもの時のために対策を講じておくことが大切だが、実際のところ、災害対策をしている人はどれくらいいるのだろうか?

そこで今回、全国の20歳~69歳の男女1,000名(全回答者)を対象に、自然災害に対する意識について尋ねる調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。

被害に遭うことを恐れている自然災害 1位「地震」2位「台風」3位「豪雨」

はじめに、全回答者(1,000名)を対象に、被害に遭うことを恐れている自然災害を尋ねる調査が行われたところ、「地震」(82.8%)が最も高く、 次いで、「台風」(58.4%)、「豪雨」(38.9%)、「暴風・竜巻」(36.4%)、「洪水」(29.7%)となった。

居住地別にみると、北陸・甲信越では「洪水」(40.7%)、中国・四国では「豪雨」(53.4%)が、それぞれ他の地域と比べて高くなった。2019年の台風19号や、2018年の西日本豪雨による被害を克明に覚えている人が多いのではないだろうか。

次に、災害対策を行っている自然災害を尋ねる調査が行われたところ、「特になし(自然災害への対策を行っていない)」(66.7%)が最も高くなった。さらに、「地震」(27.2%)、「台風」(15.9%)、「豪雨」(6.2%)、「暴風・竜巻」(4.3%)となった。災害の被害を恐れているものの、対策はできていないという人が多いようだ。

居住地別にみると、九州・沖縄では、「台風」(22.7%)が他の地域と比べて高くなった。台風が頻繁に接近・通過する九州・沖縄では、台風対策を行っている人が多いようだ。

自身が住む地域で自然災害が起こったときの情報入手手段は?

続いて、全回答者(1,000名)を対象に、自身の住んでいる地域で自然災害が起こった場合、何から情報を入手すると思うか尋ねる調査が行われたところ、「テレビ」(68.2%)が最も高く、次いで、「ラジオ」(48.8%)、「ニュースサイト」(41.8%)、「ポータルサイト (Yahoo!など)」(38.1%)、「SNS」(24.9%)となった。

年代別にみると、「テレビ」(20代・57.5%、30代・67.0%、40代・68.5%、50代・69.0%、60代・79.0%)は年代が上がるほど高くなった。

また、「SNS」(20代・35.0%、30代・31.5%、40代・26.5%、50代・17.0%、60代・14.5%)は20代が最も高く、年代が上がるほど低くなった。若年層ほど、SNSを災害時の情報源として活用しているようだ。

自然災害が起こったとき、避難するタイミングは? 最多は「避難勧告・避難指示が発令されたとき」で44%

災害時には、避難のタイミングを判断するための情報として、気象庁や市町村から防災情報が発表・発令される。

気象庁から発表される「早期注意情報」は警戒レベル1(災害発生の危険性はまだ低い段階)、「大雨注意報」「洪水注意報」といった注意報は警戒レベル2(災害発生に対する注意が高まってきた段階)、市町村から発表される「避難準備・高齢者等避難開 始」は警戒レベル3(避難に時間がかかる高齢の方や障がいのある方は避難したほうがよい段階)、「避難勧告」「避難指示」は警戒レベル4(災害が発生する恐れが極めて高い状況)、「災害発生情報」は警戒レベル5(すでに災害が発生している状況)とされ、この順に危険度や切迫性が高くなる。警戒レベル4の段階では、対象地域住民全員の避難が必要であるとされている。

全回答者(1,000名)を対象に、自身の住んでいる地域で自然災害が起こった場合、どのようなタイミングで避難をすると思うか尋ねる調査が行われたところ、「避難勧告・避難指示が発令されたとき」(43.8%)が最も高く、次いで、「避難準備・高齢者等避難開始が発令されたとき」(16.7%)、「早期注意情報が発表されたとき」(9.7%)、「災害発生情報が発令されたとき」(9.5%)、「注意報 (大雨注意報や洪水注意報など)が発表されたとき」(5.8%)となった。対象地域住民全員の避難が必要とされる“避難 勧告・避難指示”が発令されたときに避難を開始する人が多いようだ。

「早期注意情報」の発表で避難する人は、1割と少数派だった。また、「避難はしない」は13.5%となった。

自然災害が起こったとき、何を持って避難する? 1位「お金」2位「携帯電話・スマホ」3位「通帳」

自然災害が起こった場合に避難をすると思う人(865 名)を対象に、自身の住んでいる地域で自然災害が起こった場合、どのようなものを持って避難すると思うか尋ねる調査が行われたところ、「お金」(90.3%)が最も高く、次いで、「携帯電話・スマートフォン」(82.4%)、「貯金通帳・預金通帳」(68.0%)、「携帯電話・スマートフォンの充電器」(63.1%)、「健康保険証」(57.5%)となった。

お金や通帳といった貴重品や、連絡手段となる携帯電話・スマートフォン関連を挙げる人が多い結果となった。そのほか、「土地・ 不動産の権利書」(11.8%)、「宝石・貴金属」(10.4%)といった回答もみられた。

災害時でも出勤する? 「台風がきていても出勤する」有職者の約6割

災害時に、交通機関の運行が乱れて、職場に向かう人が駅の改札で長蛇の列を作っている様子がニュースになることがある。 仕事をしている人は、災害時の出勤について、どのように考えているのだろうか。

有職者(635名)を対象に、災害に関する様々な状況を挙げ、それぞれの状況のときに自身が出勤すると思うか尋ねる調査が行われた。

<台風がきているとき>では、『出勤すると思う(計)』(「絶対に出勤すると思う」と「どちらかといえば出勤すると思う」の合計、 以下同様)が62.0%、『出勤しないと思う(計)』(「絶対に出勤しないと思う」と「どちらかといえば出勤しないと思う」の合計、 以下同様)が38.0%となり、台風の場合は出勤する人が多数派となった。

他方、<出勤前に震度5以上の地震が起きたとき>では、『出勤すると思う(計)』が42.2%、『出勤しないと思う(計)』が 57.8%、<災害で交通機関がマヒしているとき>では、『出勤すると思う(計)』が31.8%、『出勤しないと思う(計)』が68.2%、 <住んでいる地域に「避難勧告」が出ているとき>では、『出勤すると思う(計)』が28.7%、『出勤しないと思う(計)』が71.3%となった。

いずれも出勤しない人が多数派ではあるものの、交通機関がマヒしてしまっているときでも出勤しようとする人や、 災害が発生する危険性が高まっていて避難すべき状況であっても、出勤を優先する人は3割前後と少なくないことがわかった。

自然災害が起こった場合に心配なこと 1位「家族の安否」2位「家屋の倒壊や破損」3位「断水」

続いて、自然災害に対する備えについて調査が行われた。

全回答者(1,000 名)を対象に、自然災害が起こった場合に心配なことを尋ねる調査が行われたところ、「家族の安否」(71.8%)が最も高く、次いで、「家屋の倒壊や破損」(65.6%)、「断水」(59.4%)、「停電」(56.4%)、「トイレが使えなくなる」(52.7%)となった。家族の安否や家屋への被害が気がかりという人が多いようだ。

また、「貴重品や思い出の品の紛失」は32.1%と、3人に1人が心配なこととして挙げた。

年代別にみると、20代では「携帯電話・スマートフォンが使えなくなる」(44.0%)が、他の年代と比べて高くなった。20代の多くが、通信手段を断たれることに不安を感じているようだ。

さらに、40代では「貴重品や思い出の品の紛失」(37.5%)が高くなった。40代には、大切なものの紛失を心配する人が多いようだ。60代では「断水」(73.5%)、「停電」(70.5%)、「トイレが使えなくなる」(68.5%)、「火災の発生」(48.0%)が高くなっていた。

住居のタイプ別にみると、住居が一戸建ての人では「家屋の倒壊や破損」(77.9%)や「避難中の留守宅での盗難」(27.9%)が、集合住宅の人(51.6%、15.1%)と比べて高くなった。

「貴重品や思い出の品の紛失」が心配ではない理由とは?

自然災害が起こった場合に心配なこととして「貴重品や思い出の品の紛失」「避難中の留守宅での盗難」を選択しなかった人を対象に、心配ではない理由を自由回答形式で尋ねる調査が行われた。

「貴重品や思い出の品の紛失」については、「命が一番大事だから」(40代女性)、「免震構造の住居だから」(50代男性) といった回答のほか、「金庫に保管してある」(50代女性)など、万が一の場合に備えてしっかりと対策をしているとの回答があった。

「避難中の留守宅での盗難」については、「治安がいい場所だから」(50代女性)、「鍵をかけて避難できれば大丈夫だと思う」(60代女性)といった回答のほか、「警備会社と契約している」(60代男性)など、盗難対策を講じているとの回答があった。

災害時には、日頃想定できないような被害や犯罪が発生する場合がある。大切なものの紛失や盗難の対策について、考えておく必要があるのではないだろうか。

「自然災害発生時、貴重品の紛失に不安を感じた」4割強

続いて、全回答者(1,000名)を対象に、実際に自然災害を経験した際の不安について尋ねる調査が行われた。 自然災害(地震や洪水など)が起こった際に、貴重品の紛失にどのくらい不安を感じたか尋ねる調査が行われたところ、「とても感じた」は16.6%、「やや感じた」は25.6%となり、合計した『感じた(計)』は42.2%となった。

『感じた(計)』の割合を居住地別にみると、北陸・甲信越では55.6%と半数以上になった。2019年の台風19号では、 河川の氾濫による浸水で、屋内の家財道具や貴重品が水に浸かったり、流されたりする被害が発生した。こうした経験から、不安を感じた人が多いのではないだろうか。

自然災害に備えて安全に保管したいものは?

全回答者(1,000名)を対象に、自然災害に備えて安全に保管したいと思うものを尋ねる調査が行われたところ、1位「現金」(73.5%)、2位「貯金通帳・預金通帳」(62.5%)、3位「保険証券」(31.3%)、4位「マイナンバーカード」(28.5%)、5位「土地・不動産の 権利書」(24.4%)となった。

現金・通帳等の財産以外にも、証券や権利書、マイナンバーカードといった重要書類を安全に保管したいと思う人が多いようだ。

年代別にみると、30代では「思い出の品(写真・手紙など)」(23.0%)が 3位となった。

30代には、写真や手紙など、大切な思い出の品を、災害から守りたいと考えている人が少なくないようだ。また、「土地・不動産の権利書」は50代では5位 (33.0%)、60代では4位(40.0%)に挙った。

自然災害に対する備えとして家庭で行っていること

全回答者(1,000名)を対象に、自然災害に対する備えとして、家庭で行っていることを尋ねる調査が実施されたところ、何らかの準備を行っている人の割合は70.6%だった。

年代別にみると、準備を行っている人の割合は年代が上がるほど高く、60代(81.5%)では8割以上となっていた。

では、どのような備えをしている人が多いのだろうか。 家庭で行っている備えについてみると、「食料を備蓄している」(39.5%)が最も高く、次いで、「家具を倒れないように固定している」(27.2%)、「非常用持ち出し袋を準備している」(24.2%)、「避難場所や避難方法を確認している」(23.2%)、「ハ ザードマップを確認している」(20.8%)となった。

自然災害が起こった場合に心配なことでは、3人に1人が「貴重品や思い出 の品の紛失」を挙げていたが、「金庫を用意している」は6.1%にとどまる結果となった。大切なものを失くしたくないと思いつつも、それに対する備えができている人はわずかなようだ。

「自然災害発生時の連絡方法について子どもと話し合っている」小学生以上の子どもがいる人の3人に1人

日中に災害が起こった場合、家族が職場や家、学校など、それぞれ離れた場所にいるケースが想定される。

災害時には、固定電話や携帯電話がつながりにくくなることがある。災害時の安否確認方法としては、災害用伝言ダイヤルや災害用伝言板 (web171)、防災アプリなどがある。

小学生以上の子どもがいる人(413名)を対象に、自然災害発生時にどのようにして連絡をするか、子どもと話し合っているかを尋ねる調査が行われたところ、「話し合っている」は33.4%と、3人に1人の割合となった。

次に、自然災害発生時にどこに避難するか、子どもと話し合っているか尋ねる調査が行われたところ、「話し合っている」は43.6%となった。 自然災害発生という緊急時の連絡方法や避難先について、事前に話をする機会を設けている人は少数派だった。

「自宅に金庫がある」人は全体の14%

2011年に発生した東日本大震災では、津波等で建物が倒壊・破損し、財産や貴重品が流される被害が多発した。

しかし、津波等で流されても発見された金庫約5,780個(現金約28億円)のうち99%以上は、中に入っていた通帳や権利書などが決め手となり、持ち主に返還された。

全回答者(1,000名)を対象に、このことを知っていたか尋ねる調査が行われたところ、「知っていた」は5.0%だった。発見された漂流金庫のほとんどが、持ち主に返還されたことを知っている人はわずかだった。

では、どのくらいの人が自宅で金庫を保有しているのだろうか。

全回答者(1,000名)を対象に、自宅に金庫があるか尋ねる調査が行われたところ、「ある」は14.2%と、7人に1人の割合となった。

発見された漂流金庫の返還率の認知状況別にみると、知っていた人では「ある」が40.0%と、知らなかった人(12.8%)と比べて27.2 ポイント高くなった。

万が一の場合にも、保管している大切なものが手元に戻ってきやすいことを見聞きし、金庫を利用し始めたという人がいるのではないだろうか。

※ディプロマット・ジャパン調べ

≪調査概要≫
◆調査タイトル :災害対策に関する意識調査2020
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする 全国の20歳~69歳の男女
◆調査期間 :2020年1月17日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社

出典元:ディプロマット・ジャパン株式会社
http://diplomat-jpn.com

構成/こじへい

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