
新型コロナウイルスの感染予防のために、食事から強い身体づくりをしたいというニーズが起きている。その参考になる食材の一つが「まいたけ」だ。
数々の食品の感染症予防効果を研究している中部大学大学院 工学研究科 客員教授 林京子先生によれば、まいたけは免疫力の維持や腸内環境を整える作用のあるスーパーフードだそうだ。その効果とともに、まいたけを手軽かつ美味しく取り入れる方法をみていこう。
まいたけのウイルス感染症に対する有用性
このほど、雪国まいたけ主催で緊急開催された「マイタケのウイルス感染症に対する有用性」に関するセミナーに登壇した林先生によれば、まいたけの健康に寄与する成分には次のものがあるという。そしてこのうち、「αグルカン(多糖類)」には抗ウイルス作用と免疫機能活性化、「βグルカン(多糖類)」には免疫機能活性化の機能性があるという。
林先生の研究では、マウスノロウイルス、A型インフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルスの3つのウイルスに対するマイタケの効果をマウス実験により評価。いずれも「ウイルス量の抑制」「症状の抑制・緩和効果」の効果が見られたという。
まいたけは一日150g、2~3回に分けて食べるとよい
これらの3つの感染症については、まいたけを毎日150g食べれば一定の効果が期待できるのではないかと林先生は述べている。
そして、シイタケ等の他のきのこ類と比べたとき、抗体の量を高める効果は、まいたけがやや高いそうだ。美味しくて摂取しやすく、どこのスーパーにも売られており、手に入れられやすいという点でも、まいたけは非常に優れた食材とされる。
林先生によれば、まいたけは、次の摂取方法がおすすめだという。
●おすすめの摂取方法
・一日150g、毎日摂るのが望ましい。
・一日あたり2、3回に分けて食べるのがよい。
・他の食材に邪魔されず、まいたけそのものを摂取することが望ましい。(空腹時が特に効果的)。
・まいたけの栄養成分は水溶性のため、溶け出した栄養素ごと摂取できる汁物や、油でコーティングしてくれる揚げ物がよい。
・食べ始めてから効果を感じられるのは、免疫細胞が刺激され活性が高まってくる1週間ほどしてから。
ちなみにスーパーなどで売られているまいたけは、1パック100gくらいなので、1.5パックくらい食べると良いようだ。
まいたけを手軽に取り入れる方法
毎日まいたけを取り入れるなら、少し工夫も必要になりそうだ。雪国まいたけからは、こんな取り入れ方も提案されている。
●雪国まいたけ極のピザトースト
【材料】
・雪国まいたけ極…1パック
・ピーマン…1個
・ベーコン…2~3枚
・トースト…2枚
・ピザ用ソース…適量
・ピザ用チーズ…適量
【作り方】
1.雪国まいたけ極は食べやすい大きさにさく。ピーマンは輪切りにする。ベーコンは1センチ幅に切る。
2.トーストにピザ用ソースを塗り、ピザ用チーズ、まいたけ、ピーマン、ベーコンを盛り付け、オーブントースターで約5分焦げ目がつくまで焼き上げできあがり。
●まいたけ粉末・顆粒・錠剤
雪国まいたけでは、まいたけの粉末や顆粒、錠剤の製品もある。粉末は、お茶やみそ汁、スープ、ヨーグルトなどに混ぜて手軽に摂取できる。忙しく調理する時間のないビジネスパーソンにおすすめだ。
まいたけの健康効果はすでに知られているが、一部のウイルス感染症については効果が期待できることが分かった。免疫力維持等のためにも、まいたけを取り入れてみるのも良さそうだ。
取材・文/石原亜香利