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病院や調剤薬局で発行される診療明細書の活用法TOP3、3位家計管理、2位病気の記録として保存、1位は?

2020.04.15

病院や調剤薬局の窓口で発行される診療明細書。あなたは大事に保管しているだろうか?それとも、他のレシートと一緒にくしゃっと丸めて捨ててしまうだろうか?

そんな「診療明細書」に関する意識調査がこのほど、日本労働組合総連合会により、全国の30歳以上の男女1,000名を対象として実施された。

「診療所で診療明細書を受け取らなかったことがある」直近1ヶ月間に診察を受けた人の16.8%

全国の30歳以上の男女1,000名(全回答者)を対象に、診療所で受け取る診療明細書について尋ねる調査が行われた。

まず、最近1ヶ月間に、診療所で診察を受けたか尋ねる調査が行われたところ、「診察を受けた」は50.0%、「診察は受けていない」は50.0%となった。

年齢別にみると、診察を受けた人の割合は、65歳以上(65歳~74歳61.5%、75歳以上66.0%)では6割を超えた。

最近1ヶ月間に診療所で診察を受けた人(500名)を対象に、受診した診療科を尋ねる調査が行われたところ、「内科」(62.8%)が最も高く、以降、「歯科」(23.4%)、「眼科」(11.2%)、「整形外科」(10.8%)、「皮膚科」(8.4%)が続いた。

次に、診療所を受診した際の、領収証と診療明細書の受け取り状況について尋ねる調査が行われたところ、「領収証だけを受け取った経験がある」は16.8%、「領収証だけを受け取った経験はない」は83.2%だった。領収証だけを受け取り、診療明細書は受け取らなかったという人は少なくないようだ。

診療明細書は、個別の診療項目ごとの点数(価格)がわかるもので、大まかな小計と支払合計額だけが記載された領収証とは異なる。

最近では、妊娠と関係ない診療でも妊婦の自己負担が増える“妊婦税”として話題になった「妊婦加算」という制度も、診療明細書を確認した患者が、記載されていた内容に疑問を感じて声を上げたことに対し、社会的に注目が集まり、制度は2019年1月に凍結の後、2020年度診療報酬改定で廃止にまで至った。

また、診療明細書は受け取らず、領収証だけを受け取った経験がある人(84名)を対象に、領収証しか出されなかったとき、どうしたか尋ねる調査が行われたところ、「特に気にせず、何もしなかった」(88.1%)が最も高くなった。

診療明細書が出されなくても特に行動には移さなかったという人が大半という結果だった。

他方、「なぜ診療明細書が出されないのか気になったが、言い出せなかった」(4.8%)や「診療明細書を出すようお願いしたが、もらえなかった」(2.4%)という回答もわずかながらみられた。

受け取った診療明細書の活用実態 「活用している」52.4%、「活用していない」47.6%

全回答者(1,000名)を対象に、受け取った診療明細書の活用状況について尋ねる調査が行われた。

受け取った診療明細書の活用状況をみると、「活用している」は52.4%、「特に活用していない」は47.6%で、両者がほぼ拮抗する結果となった。

では、どのように活用している人が多いのだろうか。

受け取った診療明細書を活用している人(524名)を対象に、日頃、どのように活用しているか尋ねる調査が行われたところ、「税金の医療費控除を受けるために活用している」(54.8%)が最も高く、次いで、「病気の記録として保存している」(38.9%)、「家計管理に活用している」(24.4%)、「受けた診療内容と一致しているかチェックしている」(23.1%)、「保険者(健康保険証の発行者)から後日送付される医療費通知と照らし合わせてチェックしている」(11.3%)となった。

「今後、診療明細書は必要だと思う」71.0%、受け取った診療明細書を活用している人では88.2%

全回答者(1,000名)を対象に、今後、診療明細書が必要だと思うか尋ねる調査が行われたところ、「必要」は29.3%、「どちらかといえば必要」は41.7%で、合計した『必要(計)』は71.0%、「どちらかといえば必要でない」は18.4%、「必要でない」は10.6%で、合計した『必要でない(計)』は29.0%となった。

日頃、受け取った診療明細書を活用している人(524名)では、今後、診療明細書が必要だと感じている人の割合は88.2%となった。

今後、診療明細書が必要だと思う人(710名)を対象に、そのように考える理由を尋ねる調査が行われたところ、「受けた医療の内容を知ることができるのは当然の権利だから」(77.5%)が最も高く、以降、「医療費の明細を知るための情報源になるから」(54.5%)、「セカンドオピニオンを受ける際の説明材料として便利だから」(20.8%)が続いた。

他方、今後、診療明細書が必要でないと思う人(290名)を対象に、そのように考える理由を尋ねる調査が行われたところ、「もらってもよくわからないから」(56.2%)が最も高く、次いで、「処分に困るから」(26.9%)、「様式がさまざまであり、保存・管理が面倒だから」(18.3%)となった。もらったとしても内容がわからない、扱いに困ると感じている人が多いようだ。

診療明細書の発行義務免除に対する意識 「発行されないのはおかしい」56.3%

最後に、診療所において診療明細書の発行義務が免除される場合について、どのように思うか調査が行われた。

診療所では、以下のような場合、診療明細書を出さなくてもよいとされている(注)。

・常勤医師が高齢(※)の場合
・診療明細書を発行するためにはシステム改修が必要な場合
※ レセプト・コンピュータを使用している診療所の常勤医師は、生年月日が1945年7月2日以前の場合、レセプト・コンピュータのない診療所の常勤医師は、生年月日が1946年4月2日以前の場合

(注)2020年度診療報酬改定により、2020年4月からはすべての医療機関において、自己負担分が公費から給付される患者についても、その求めがあれば診療明細書の発行が義務となる。しかし、全額が公費負担の患者については、まだ診療明細書の発行義務が免除されている。そのため、そうした患者を含めて、診療明細書をすべての医療機関において無料で発行するよう義務化することが今後の課題となっている。

そこで、全回答者(1,000名)を対象に、このように診療明細書の発行義務が免除されていることについて、どのように思うか尋ねる調査が行われたところ、「医療機関によって発行されないのはおかしい」は56.3%、「特に何も思わない/やむをえない」は43.7%だった。

受け取った診療明細書の活用状況別にみると、「医療機関によって発行されないのはおかしい」と回答した人の割合は、診療明細書を活用している人では68.9%と、診療明細書を活用していない人(42.4%)と比べて26.5ポイント高くなった。

診療明細書を日頃活用している人の約7割が、受診する医療機関によって診療明細書の発行義務が免除されていることに対し疑問を持つようだ。

※連合調べ

<調査概要>
◆調査タイトル :診療明細書に関する患者調査2020
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする
全国の30歳以上の男女
◆調査期間 :2019年10月4日~10月7日
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル
(30歳~39歳、40歳~49歳、50歳~64歳、65歳~74歳、75歳以上の各年齢層が
均等になるように抽出)
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社

出典元:日本労働組合総連合会

構成/こじへい

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