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記載すべき項目は?上手に作成するコツは?株主総会の議事録が果たす大事な役割

2020.05.19

株主総会に『議事録』は欠かせません。議事録の作成や記載する内容は、会社法で定められています。議事録は厳格さが求められるため、きちんと理解しミスのないように作成することが大切です。議事録の内容や作成のコツ、保管方法を紹介します。

株主総会の議事録の役割

株主総会にかかわらず、会社での会議では会議録や議事録を作成することが珍しくありません。しかし株主総会の議事録は、通常の議事録と異なります。議事録がどのような役割を果たしているのか紹介します。

議事録は会社法で作成義務あり

株主総会における議事録の作成は、必要不可欠です。会社法により、法務省令に基づいて作成が義務付けられているためです。従って、議事録を作成しないことは、法令に違反したことになります。

刑罰ではありませんが、行政上の秩序罰に当たります。通常、代表取締役が裁判所に呼び出されることはありません。弁解をする余地もなく、裁判所から一方的に処罰されるのが一般的です。

これは、登記官には議事録の作成がされていないことを管轄の地方裁判所に通報する義務があり、裁判所は通報を受けた時点で裁判ができる仕組みになっているためです。場合によっては、100万円以下の罰金(過料)などが科せれることもあります。

参考:会社法

議事録の役割

議事録の作成が義務であるのには、きちんとした理由があります。議事録の大きな役割が、株式総会で決議された内容を確認するためです。

社会生活では、後になって「言った」「言わない」という事態が起こることが珍しくありません。議事録があれば、そういった思い込みや認識違いが生じた際に、決議の内容を確認でき答えが明確にでます。

また、役員にとっては、決議事項に関する自分の立場や責任を明確にできるという利点もあります。例えば、議題に反対だった場合、その旨を議事録に明記しておくことで、後々、決議事項が思わぬ方向に進み責任を負わされるという事態を回避できます。

株主総会議事録に記載すべき内容

議事録は正しく記載しないと、重要な役割を果たせません。まず議事録には、どのような内容を含めるべきなのか紹介します。

場所・日時

議事録の記載事項の中で欠かせないのが、株主総会の開催日時と開催場所の情報です。注意しなければならないポイントが、場所についての記載です。

例えば、役員が株主総会の開催場所にいなくても、テレビ会議などで参加している場合は出席方法を記載しなければなりません。前述の場合であれば『テレビ会議システム』と記載します。

なお、テレビ会議システムを使用している場合でも、ただ株主総会の様子が画面上に流れているだけの場合は、出席したとはみなされません。あくまでもテレビ会議システムを通して質問をしたり、決議に参加したりしている場合に限ります。

議事内容と経過および議決結果

議事録には、株主総会の始まりから終わりまでに話し合われた議題の経過や内容について記載する必要があります。具体的には、報告された内容や質問・応答の詳細です。また、議案がどのように討議され、どのような採決方法が用いられたのかについても記載します。

なお、いずれも事細かに記載する必要はありません。あくまでもきちんと要点が明確に記載されているかが大切なポイントです。

さらに、最終的にどのような結果に至ったのかも、忘れずに記載しましょう。ここでの結果とは、議案が可決されたのか、もしくは否決されたのかということです。

記載方法については、特に規定はありません。ただし議案の内容によっては、反対した役員の名前を明記しておくことが、彼らの立場を守ることにもつながります。

会社法の規定に基づき述べられた意見・発言

株式総会での意見や発言が会社法の規定に関係する場合は、議事録に記載する必要があります。例えば、監査役の報酬や選任・辞任などに関する、監査役等の意見や発言などが該当します。

誰のどのような発言を記載する必要があるのかは、『会社法 345条1項・4項・5項』『377条1項』などに細かく規定されています。事前に把握しておくと、議事録に必要なメモを効率よく取れるでしょう。

その他の記載事項

議事録では、株主総会に誰が出席したのかを明確にする必要があります。取締役・監査役など役員の氏名を記載しましょう。

また、議長が存在している場合は、議長の名前も記載します。議長については、特にどのような選任方法を用いるべきという規定はありません。各会社の方針で決めることも可能ですし、総会の場で決めることもできます。

議事録の作成者を記載する会社も多いようです。議事録の作成者に関する選任方法も特に規定がないため、各会社で自由に決められます。ただし一般的には、代表取締役や総務部長など総会の運営担当者が作成することが多いです。

議事録作成のコツ

理想的な議事録を作成するのには、コツがあります。コツをつかむことで、どのようなポイントに着目して記載すればよいのかが分かりやすくなります。

発言者を明確にする

大勢が参加する株主総会の議事録では、『発言者』が大切なポイントになります。意見や発言が誰によるものなのか不明では、「言った」「言わない」というトラブルが発生した時に事実を明確にできません。つまり、議事録の大切な役目を果たせないことになるのです。

また、会議中に「名前が思い出せない…」という事態も起こりかねません。事前に出席者の一覧を確認し、顔と名前を一致させておくと安心です。

なお、議事録に役員の敬称を省略して記載する場合は、『敬称略』と記載しておくのが基本です。

統一したフォーマットを利用する

株主総会の議事録のフォーマットが決められている会社も多いです。従って、まず会社既定のフォーマットがあるか確認しましょう。

フォーマットがない場合は、自分で一から作成することも可能です。しかし、情報の漏れが起こりやすいことや時間が掛かるといったデメリットがあります。そのため、ネット上で手に入る既存の議事録用フォーマットを使用するのがおすすめです。

既存のフォーマットを元に足りない項目を追加したり、必要ない項目を削除したりすれば、株主総会の議事録に合うフォーマットが簡単に作れます。初めて議事録の作成を行う人は、フォーマットに記載する項目に漏れがないか前任者などに確認すると安心でしょう。

理解しやすいよう適切に編集する

議事録は、読み手が理解しやすいように作成するのが大切なポイントです。具体的には、株主総会に出席していない人が読んでも理解できることが前提です。

そのためには、まず読み手によって解釈が異なってしまうような表現を避ける必要があります。シンプルで明確な議事録が理想です。

株主総会で討議される議題は、どれも会社の経営に関わる重要な内容が多いです。そのため、議題に対して『誰がどのような意見を述べたのか』という点は、特に注意して明確にする必要があります。

なお、実際の会議では会話形式のため、「それにしよう」「あれが…」というように主語や述語が抜けていることが珍しくありません。議事録に記載する際に、主語や述語を誤って記載してしまうと発言内容が全く変わってしまいます。会話の内容を正しく理解し、議事録に正確に記載することが重要です。

株主総会議事録の保管について

議事録の保管方法も法律で定められています。どのくらいの期間保管するのか、またどのように保管するのか解説します。

一定期間が義務付けられている

株主総会の議事録を保管する期間は、一定ではありません。保管場所によって変わってきます。会社の本店に保管する場合は『10年』です。会社の支店に保管する場合は『5年』になります。

株主は議事録を閲覧できる権利があります。また、会社側は株主からの要望に応えなければなりません。営業時間内は、いつでも議事録を見せられるようにしておく必要があるのです。そのため、議事録は本店だけでなく、支店にも保管しなければなりません。

なお、支店での保管期間が5年というのは、必ずしも5年のみということではありません。5年と10年と別々に保管するのが困難な場合は、どちらも10年にすることも可能です。

電子化も可能

「法律で義務付けられているほどの重要な株主総会の議事録は、電子ファイルで保管できない」と思い込んでいる人もいるのではないでしょうか?実際には、電子ファイルで保管できます。

議事録が書面であっても、記名押印が義務付けられているわけではありません。通常、電子ファイルの場合は電子署名をしますが、押印の義務がないため電子署名の義務もありません。従って、議事録を電子化して保存することが可能なのです。

ただし、会社側は株主から議事録閲覧の依頼があった場合は、いつでも見せられるようにしておく必要があります。そのため、議事録を電子化してもすぐに見せられるように保管することが大切です。

構成/編集部

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