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どこまで使える?4000円で買えるHOLUNSの疑似クロノグラフ「TG004」の使い勝手を検証

2020.04.15

クロノグラフが欲しくなったら考えること

私は半年に1度ぐらいクロノグラフが欲しくなる。ROLEX デイトナではなく、パイロットウォッチが無性に欲しくなる。となれば代表作はIWC パイロットウォッチである。私が好きなのはIW377704である。日付表示が3日分あるデザインがいい。その前のIW377701でもいい。現行モデルなら、2019年にSIHHで発表されたトップガンシリーズのIW371815のダブルクロノグラフ。価格は171万6000円(税込)である。さすがIWCおいそれとは買えない。

そこで自分の腕に似合うかどうかを試すためにオマージュウォッチで試してみることにした。オマージュウォッチとは、有名ブランドのデザインをアレンジしてオリジナルブランド名を付けたモデルである。ブランド名まで本物と同じにしたのがデッドコピー、すなわち模造品である。日本で輸入販売するのは違法なので、国内で販売されているオリジナルブランドのモデルなら問題ないだろう。クロノグラフは針の動きが命なので、この部分が稼働してハイコスパな製品を探すとムーブメントはクォーツの一択となる。今回、選んだのはHOLUNSというメーカーのTG004である。国内では安くて約8000円、高いと3万円以上で売られている。私が購入したのはAliExpressで送料無料の3255円である。これだけ安ければすぐ壊れても諦めがつく。

AliExpressの日本語表示。説明文の最後がポルトガル語のため正しく翻訳できていない。無料配送はショップによって日本までの配送期間が違うので、ここにも注意して選びたい。右上のプルダウンメニューから日本語表示と発送先日本、日本円表示が指定できる。

AliExpressは中国のアリババが運営する海外向け通販サイトで日本語表示対応で、日本発行のクレジットカードも利用できる。ツールバーの右上から日本語表示、発送先日本、日本円が選択できる。日本語表示は自動翻訳を使っているため表現が怪しい所がある。先方とのやりとりは英語となる。支払はクレジットカードが基本なので、心配な人は通販用のクレカを作るか、AliExpress対応のプリペイドカードを作って支払うことをオススメする。VISA「NEO MONEY Visa」なら入会金、手数料無料でチャージした金額だけ支払えるので安心だ。無料配送が多いが、少額の配送料で日本に届く期間をかなり短縮できることもあるので、配送のプルダウンメニューも忘れずチェックしよう。

ストップウォッチの針の動きが楽しい!

クロノグラフとはストップウォッチ機能を搭載した腕時計を意味する。これを機械式で実現するためには時計を動かしつつ、ストップウォッチを動かすため複雑なメカニズムが必要になり、高級モデルにしか搭載できない。クォーツなら比較的低コストで、この機能を実現できる。操作方法は右上のボタンでスタート、ストップ、そして右下でリセットとなる。IWCは秒針とクロノグラフ秒針が独立したモデルがあるが、本機は3つの独立した文字盤のみで計測する。上が1/10秒単位、下が秒単位、左が分単位で針が動く。通常は秒、分、時単位なので、1/10秒があるのは高性能モデルと言える。

直径42mm重さわずか46.9gと小型軽量

このクロノグラフ、販売サイトによってスペックがマチマチで謎が多かったが、現物が届いてサイズなどが判明した。実測でケースの直径は42mmで厚さ11mm、重さは46.9g。非常に軽い。サファイヤクリスタルガラスの表記があるが、これは叩いた音の感じだとアクリル製と思われる。ケースはステンレススチールで、PVDかどうか分からない黒っぽいコーティング仕上げ。バンドはコットンでかなり固い。これは交換した方がいいと思う。

仕上げの精度は高く、普段使いなら全く問題ないレベルだ

裏ブタにはブランド名の刻印があり創業年度の1899の数字とロゴマークが入る

ケースの厚さは11mmで機械式のムーブメントのケースよりややスリムだ

NATOストラップに交換して重さを測ると62.3gとかなり軽量

42mmはパイロットウォッチとしては小振りな部類で女性の腕にも似合いそうだ

クロノグラフの挙動が不安定でオススメできない

今回初めてHOLUNSブランドを購入してみたが、日本製というふれこみのムーブメントが当てにならない。ストップウォッチとしての挙動がおかしいことがあった。1/10秒計が勝手に止まる。またボタンを押してもスタートしない、あるいはストップしない。何度かリセットすると正常に戻った。時計としての機能に問題はなさそうだ。それ以外に問題ない。軽くて安いので普段使いに盗難や紛失の恐れのある海外旅行などに使えそうだ。

TG004を使って分かったことは、ケースが42mmというのは私には物足りない。もう少し大きなケースが欲しいこと。そしてクロノグラフの針の動きは面白い。クォーツではなく機械式を手に入れたい。ということで、ますますIWCのパイロットクロノグラフが欲しくなったのである。

夜光塗料はルミノーバが使われ暗闇でもよく見えるが針にしか塗布されていない。インデックス全てにルミノーバが塗られているTG001というモデルもある

ケースのサイズはVostokのコマンダスキーとほぼ同じだった。

最初は気付かなかったが表にも保護シールが貼ってあり、剥がさないと光を反射して、このように文字盤が見えなくなる

写真・文/ゴン川野

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