新型コロナウィルスに伴う世界的な需要減少、外国人旅行客の減少等により、企業の売上高や利益の減少が見込まれるため株価は大きく値下がりしています。2020年1月17日に24,115円あった株価は、3月19日に16,357円まで下げ現在(4月8日)19,353円となっています。つまり、1月から3月に32%下げ、現在でも20%下げたところにあります。
現状は?
新型コロナウィルスが世界で感染が広がる中、世界経済への影響懸念から一時日経平均は16,357円まで下げました。そして現在日本でも感染経路の分からない感染が広がる中、日経平均は18,000円から19,000円の間で揉み合っています。
まだ、新型コロナウィルスの感染が広がっている中感染が収まる見込みはないものの、米国の感染者数が横ばいになってきていること、日本が緊急事態宣言を出したことでこれ以上の感染者拡大を防ぐ可能性があること、世界が金利引き下げ等の金融政策、政府による大型経済対策を行われることから19,000円を超えるところまで上がってきています。
ただ、これから新型コロナウィルスによる急激な需要減少の影響が反映された企業決算が出て、市場予想より大きな売上高や利益の減少が見られると3月の安値である16,357円あたりやそれを割り込むような価格になる可能性もあります。
大幅に下がっている株主優待銘柄をお得に買えるチャンス?
大幅に値下がりしている株主優待のある銘柄をお得に買えるチャンスです。先述した通りもう一度値下がりする可能性もあるため100株ずつ買っていき優待がたくさん受け取れるような株数まで増やしていくのがおすすめです。
なお、100株あたり10~30万円程度し、通常100株単位でしか取引できないため、予算が10~30万円程度のみの場合は1株ずつや金額等100株未満で買える方法で買っていくのも良いでしょう。100株未満で買えるサービスを単元未満株取引といいますが、株主優待を受け取れるのは100株以上とする会社も多いので100株を目指して買い足していきましょう。
大幅に値下がりしている株主優待銘柄は、やはり新型コロナウィルスによる業績懸念がある会社に限定されています。例えば、株主優待で人気のイオン(8267)は逆にスーパーの売上が伸びているためそれほど下がっていません。このような、スーパーやドラッグストア等の株式は値下がりしていません。
大幅に値下がりしているのは?
新型コロナウィルスにより大きく下落した株主優待銘柄は、旅行会社や航空会社、外食産業等です。普段なら人気の株主優待銘柄となるため、倒産リスクがある会社は別として、安く株主優待を得るチャンスです。
・JAL(日本航空、9201)
国内2位の航空会社。一度破綻したこともあり、競合のANAと比べると経営規模を拡大を抑え、固定費や有利子負債も少ないのが特徴です。
株主優待は、JALグループ国内定期航空路線片道1区間が1枚で50%割引になる株主優待割引券が受け取れます。受け取れる割引券の枚数は株数に応じて変わります。
1月に株価3,487円まであったのが、現在2,000円前後となっています。
・すかいらーくホールディングス(3197)
ガストやバーミヤン、夢庵等の外食チェーンです。株主優待はすかいらーくグループで使える株主優待カードで、例えば100株で6月末3,000円分、12月末3,000円分受け取れます。
1月に株価2,191円あったのが、現在1,600円を割れているうところです。
・HIS(9603)
旅行会社大手として旅行手配とホテル運営が主力事業です。100株で旅行商品に使える株主優待券2,000円相当、ハウステンボス500円入場割引券、ラグーナテンボス500円入場割引券が受け取れます。1月には3,000円超えていたのが現在1,200円台となっています。
下がれば買いたい値嵩株
値嵩株とは、1株の株価が1万円以上する株で100株単位での取引のため、最低投資金額が100万円以上する株のことをいいます。現在少し株価が回復し100万円以上していますが、今後100万円以下になったり大きく値下りしたりするようなことがあれば買っておきたい株主優待銘柄です。
・東海旅客鉄道(JR東海、9022)
新型コロナウィルスの影響による観光客の減少や出張の減少により新幹線需要が落ち込んでいます。
100株で新幹線等に乗れる株主優待割引券が受け取れますが、最低投資金額は180万円前後となっています。1月には225万円していたところからは安いですが、もっと下がれば買いやすくなります。
・オリエンタルランド(4661)
ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、現在休園しており業績悪化は避けられないでしょう。株主優待は東京ディズニーランドまたはディズニーシーの1デーパスポートが受け取れることから大人気の株主優待銘柄です。
現在最低投資金額は145万円程度で1月の160万円から安くなっているものの、主力の遊園地やホテルが休業していないため業績悪化は避けられないでしょう。新型コロナウィルスの影響が加味された決算が出たり、休業期間が延びたりすればさらに値下がりして安く買える可能性があります。
すぐ買わないにしてもほしい株主優待銘柄の株価を株価アプリ等に登録して、こまめにチェックすることで、できるだけ安く手に入れることができますよ。
文/大堀貴子
フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。