部屋で快適に過ごせるように、温度をコントロールしてくれるエアコン。CMなどで紹介されている機能面に引かれて、買い替えを検討する人も多いのではないだろうか。そこで、エアコンの選び方を大きく2つに分けて解説する。1つは、部屋の広さなどの条件に合わせたエアコンの選び方。もう1つはメーカーの特徴や製品ごとの機能を踏まえた選び方だ。おすすめ商品や購入時の注意点も紹介しているので、参考にしてほしい。
何畳用? どのメーカー? もう迷わないエアコンの選び方
何畳用のエアコンとメーカーに記載があり、部屋の大きさに合わせて、その記載を基準に購入する人も多いだろう。実は、この畳数の記載だけで判断すると、思わぬ落とし穴がある。詳しく紹介しよう。
部屋の広さだけでは決まらない! エアコンの選び方のそのほかのチェックポイント
部屋の位置や作りにも冷暖房効率は影響される。例えば、部屋が南西向きに位置していれば、夏の冷房は効きにくくなる。
またダイニングキッチンに設置する場合は、料理に火を使うので、やはり冷房が効きにくい。吹き抜けの部屋の場合は、温かい空気が上に逃げるため暖房の効きがかなり悪くなる。
これらの事情がある場合は、2畳分~4畳分程度は適用畳数が大きなエアコンを選ぶといいだろう。
15畳の部屋にはどのエアコンを使えばいい? 畳数表示の見方
エアコンの畳数表示には見方がある。部屋の広さが15畳程度だった場合、一般的なエアコンには14畳用と18畳用がある。カタログ等を見ると、14畳用のエアコンには冷房11畳~17畳、暖房11畳~14畳という表示がある。18畳用のエアコンなら冷房15畳~23畳、暖房15畳~18畳となっている。
この11畳~17畳という表記は、木造平屋南向きの和室の場合は11畳、鉄筋マンションの南向き中間階の洋室なら17畳という意味。単に11畳から17畳の広さの部屋という意味ではないので注意してほしい。
15畳の部屋をモデルに、具体例で紹介しよう。14畳用のエアコンは、冷房に関しては十分な性能があるが、暖房については旧来の日本家屋で使うには性能が足りず、マンションでもやや不足するかもしれない。
先に紹介したように、2畳分~4畳分余裕のある18畳用のエアコンなら、冷暖房ともに15畳の広さの部屋に十分な性能がある。部屋の畳数=部屋に適しているとは限らない点を覚えておこう。
23畳といった広い部屋のエアコンを選ぶ時のポイント
23畳といった広い部屋で使うエアコンの場合、部屋全体を空調することを重視するのか、そこにいる人が快適に過ごせるかを重視するのかで、どのメーカーのエアコンを選ぶべきかが変わってくる。
例えば、ダイキンの場合、暖房時は「壁から床へ流れる足元気流」、冷房時は「天井から床へまわる循環気流」と気流についての記載が多い。気流の制御を強くアピールするメーカーは、部屋全体の空調を重視する傾向が強い。
これに対して、三菱電機の場合は、高いセンサー技術とA.I.による制御で、細かく運転をコントロールするという特徴がある。センサー技術を強くアピールするメーカーは、人がいる場所を快適にする機能を重視する傾向が強い。
どちらが優れているというものではないので、自分の好みや生活に合ったものを選ぶといいだろう。例えば、部屋の中を動き回る子供がいる家庭では部屋全体の空調を重視、大人がソファでくつろぐ部屋なら個人の快適さ重視をおすすめする。
こんな変り種も! 寒冷地向け床置き16畳用エアコン
ここで1つ個性的なエアコンを紹介しよう。三菱電機の床置形HKシリーズ「ズバ暖霧ヶ峰」だ。寒冷地向けの製品で、外気温マイナス15度で標準定格暖房能力を発揮できる。
一般的なルームエアコンは壁掛形だが、この製品は床置形で足元からしっかり暖めてくれる。壁掛式では普通ラインナップがない16畳用があるのも特徴だ。
【参照】床置形HKシリーズ ズバ暖霧ヶ峰(三菱電機公式HP)
部屋の畳数や断熱性能などから最適なエアコンを計算してくれるサイト
エアコンは部屋の広さを基本に選ぶが、エアコンの畳数表示は東京の気候を前提にしているので、住んでいる地域に合わせた変更が必要な場合がある。また建築時の年代によって、部屋の断熱性能も違う。これらの要素を勘案して最適なエアコンを選ぶのは難しい。
そこで、エアコン選びを支援してくれるツールも開発されている。例えば、電力中央研究所の「ASST エアコン選定支援ツール」は、居住地域や住宅の断熱性能、築年数などを入力すると、適したエアコンを選んでくれる。
【参照】ASST エアコン選定支援ツール(電力中央研究所公式HP)
メーカーの特徴に拘ったエアコンの選び方
何畳用のエアコンを購入すべきかわかったら、メーカーの特徴も把握して製品を絞り込んでいこう。なお、以下で紹介する機能は、当該メーカーの全ての製品に搭載されているわけではないので、注意してほしい。
湿度コントロール技術に優れたダイキン
エアコンの性能を判断するには、温度だけでなく湿度のコントロールも重要といえる。ダイキンは、湿度コントロールに優れたメーカーだ。
ダイキンのエアコンには無給水加湿機能が搭載されていて、外気から水分を取りこんで加湿してくれる。冬の暖房でも空気が乾燥しない技術だ。
【参照】ダイキン公式HP
優れたセンサー技術を誇る三菱電機
三菱電機のエアコンには「ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)」という高性能なセンサーが搭載されている。死角が少ない360°センシングで、部屋の隅に設置した場合でも、部屋全体の状態を検知できる。
人の暑い寒いの感じ方、部屋の中の風の流れまでセンサーで見分けてくれる。部屋の断熱性や機密性をA.I.が学習するので、自動で快適な室温・湿度を提供してくれる。
【参照】三菱電機公式HP
ホコリの自動排出機能も備えたパナソニック
フィルターを自動で掃除する機能が搭載されているエアコンも多いが、掃除したホコリはダストボックスに溜められる場合がほとんど。
パナソニックのエアコンには、自動でホコリを外に排出する機能が搭載されているので、ダストボックスに溜まったホコリを処理する必要がない。これはパナソニック自慢の技術だ。
【参照】パナソニック公式HP
2020年の新モデルから選んだエアコンのおすすめ製品
ここからは、2020年の新モデルからおすすめの製品を紹介する。
【参照】リビング用、窓用、ポータブルサイズまで!コスパ重視の人におすすめのエアコン35選
コンパクトサイズで無給水加湿も可能なダイキンのエアコン
無給水加湿機能を搭載したダイキンのエアコンには、「Rシリーズ」と「Mシリーズ」がある。ここではMシリーズを紹介したい。
Mシリーズは「うるさらmini」という名称が付けられているコンパクトサイズのシリーズだ。6畳用、8畳用、10畳用のラインナップがあり、寝室用などにピッタリだ。
リビングにおすすめの三菱電機のフラグシップモデル
ムーブアイmirA.I.+(ミライプラス)は、「FZシリーズ」、「Zシリーズ」に搭載されている。ここではFZシリーズを紹介する。
ラインナップは14畳用からで、リビングなど広めの部屋に向いたエアコンだ。「A.I.自動」ボタンを押すだけで快適な空間を提供してくれると共に、省エネもできる高性能な製品だ。
部屋の広さに合わせて選べるパナソニックのエアコン
パナソニックのエアコンでは「Xシリーズ」をおすすめしたい。自動排出方式のお掃除ロボット搭載で、6畳用から29畳用まで幅広くラインナップしている。
自動排出方式のエアコンは配管が太くなるので、条件によっては設置できない場合もあるが、この製品はダストボックス方式に切り替え可能なので、設置に困ることもない。
エアコン購入の際の注意点
エアコンを取り付ける際には設置工事が必要になる。標準設置工事費込みで販売されているケースも多いが、標準設置工事に含まれない配管カバーを取り付けたり、配管を延長したりすると費用が多めにかかる。購入費用について検討する際には、工事費も忘れずに含めておこう。
【参照】耐久性もアップ!エアコンの配管カバーを付けるメリットと設置方法
以上、エアコンの選び方を中心にご説明してきた。エアコンは1度購入したら数年は使うであろう製品なので、この記事を参考にして後悔のない製品選びをしてほしい。
※データは2020年3月下旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/ねこリセット