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初心者でも扱いやすいパワーと性能が魅力のスズキのスポーツバイク「ジクサーSF250/ジクサー250」

2020.04.06

 車検不要のお気軽さ、軽さとコンパクトさゆえの扱いやすさ、そしてリーズナブルな価格──。「250ccのバイクって、そこが魅力だったんじゃないの?」というスズキの問いかけが、ジクサーSF250/ジクサー250というカタチになって登場した。

ジクサーSF250

ジクサー250

 250ccクラスは現在、多気筒化、ハイパフォーマンス化が進んでいる。エンジンは単気筒より2気筒、2気筒より4気筒。フロントサスペンションは正立式からより高剛性な倒立式になり、電子制御システムを搭載するなどパフォーマンスは高まる一方だ。それに伴って、販売価格も上昇の一途を辿っている。

 カワサキを筆頭に、ホンダ、ヤマハと開発競争が白熱しつつある中、スズキはちょっと異色の存在だ。ライバルが軒並み35psを超え、間もなくリリースが予定されている4気筒のZX-25Rに至っては40psオーバーとまで言われているのに、スズキが2017年に発売した250cc2気筒モデル、GSX250Rは24psにとどまっているのだ。

 ピンピンとイキのいいスポーツモデルが揃う250ccクラスにあって、低中速域を重視し、日常的な扱いやすさに配慮したGSX250R。スズキは250ccのパワーウォーズに参戦するつもりがないようだ。

 そしてこの春、スズキのポリシーをより鮮明にするニューモデルが登場した。フルカウルのジクサーSF250と、ネイキッドのジクサー250だ。新たに開発されたエンジンは、なんと単気筒。2気筒の同社GSX250Rより2ps高い26psではあるが、他メーカーのスポーツモデルと比べると、後発ながら気筒数も馬力も低いことになる。開発競争に背を向けるのはメーカーにとって難しい選択だが、スズキはあえて我が道を行く。

エンジン

 スズキは250ccクラスを「エントリー層や若いライダーを取り込むためのカテゴリー」と明確に定義している。だからこそ、扱いやすさをベースにしながらスポーティーな味付けを持たせたモデルとして、ジクサー250シリーズを開発したのだ。「高性能化、先鋭化はあえて狙わない」と明言する開発者。抑えが効いた開発姿勢は、250ccクラスならではの間口の広さを重視するスズキの思いがそのまま反映されていて、非常に好感が持てる。

50万円を切る価格で新開発の油冷エンジンを搭載

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、異例のインターネット配信となったジクサーSF250/ジクサー250の新商品説明会によると、このモデルは通勤、通学といった日常ユースでの扱いやすさと、ツーリングなどライディングの楽しさとを両立。車検がなく維持費が安い250ccらしさを最大限に生かすために、販売価格も48万1800円(ジクサーSF250・税込)に抑えている。

 ホンダCBR250RRが80万1700円、ヤマハYZF-R25とカワサキ・ニンジャ250が65万4500円(各ABS付き・スタンダードカラー)だから、50万円を切るジクサーSF250は破格の安さと言っていい。だが、ジクサー250コストダウン感は見受けられない。何しろ単気筒油冷エンジンは新開発。一方でフレームは既存のジクサー150をベースに剛性アップしたものだ。かけるべき箇所にはしっかりとコストをかけ、抑えられる箇所は抑えながら、低価格を実現しているのだ。

 ジクサー250シリーズ最大のトピックは、エンジンオイルを冷却に用いる油冷エンジンだ。スズキは1985年のGSX-R750からSACS(Suzuki Advanced Cooling System)として油冷エンジンを初搭載。エンジンを軽量化できるなどの技術的メリットがあるほか、ゴリゴリ感のある独特のフィーリングが熱烈なファンに愛され、2008年のGSX1400まで採用され続けた。

 今回のジクサー250シリーズに搭載された油冷エンジンはSOCS(Suzuki Oil Cooling System)と銘打たれている。オイルを冷却に活用していることはかつてのSACSと共通しているが、冷却システム自体はまったくの別モノだ。従来のSACSは、燃焼室の上からオイルを噴射することでシリンダーヘッドまわりやピストンを冷却していた。今回のSOCSはシリンダーヘッドまわりを中心にウォータージャケットのようなオイル循環経路を配し、エンジンを冷却している。

 エンジンオイルを潤滑と冷却に使うSOCSは、部品点数を減らすことで軽量コンパクト化に貢献。高出力と低燃費も両立している。また、オイルクーラーには電動ファンが設けられており、真夏の渋滞路など高温時にも余裕をもって対応できるという。単気筒ならではの低中速域のトルク感と、高回転域での伸びやかさの両立を狙ったエンジンだ。

 フレームは初代ジクサー150をベースに、見直しを図っている。パイプ肉厚を0.3mm厚くするなどして、ねじれ剛性を12%向上。さらにスイングアームは完全新設計で、パイプ径をジクサー150の50mmから60mmに増大し、ねじれ剛性を約30%高めている。サスペンションも専用設計だ。正立式フロントフォークはインナーチューブ径を41mmとして剛性を確保。アウターチューブは専用デザインでスポーティーさを演出している。リヤサスペンションは7段階のプリロード調整が可能。スプリングをプログレッシブ化することで、タンデム走行時にも十分な性能を発揮する。

 フルカウルのジクサーSF250とネイキッドのジクサー250には、それぞれ専用のデザインが施されている。ジクサーSF250は、前傾姿勢と低重心を強調。低く構えたシルエットや大胆な面使いによる流れるようなキャラクターラインとしている。ワイドなLEDヘッドランプはひとめでジクサーSF250と分かるアクセントだ。

 一方のジクサー250は、ボリューム感のあるタンクとスリムなリヤまわりのコントラストをアピールしたデザイン。フロントの凝縮感とリヤのスタイリッシュ感を両立しながら、全体的にはスタイリッシュで洗練されたルックスとしている。LEDヘッドランプはコンパクトかつ薄型の専用品だ。

「より幅広いお客さまに乗っていただきたい」と語るスズキの開発者。その思いをダイレクトに具現化し、軽量コンパクトな車体と扱いやすいエンジンがビギナーライダーを優しく受け入れ、十分なエンジンパワーとそれを受け止める車体剛性がベテランライダーを満足させるジクサーSF250/ジクサー250。高性能化をこぞって競い合う他社の動向とは一線を画し、真の万人受けを狙うこのモデルこそ、本来の250ccクラスに求められる姿だ。

取材・文/高橋剛

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