フリマアプリなどが浸透し、欲しいものが個人間で手軽に取引ができるようになっているが、ブランドものやスニーカーなどは、偽物が出回っていることもあり、注意が必要だ。
そこで今回は、売買時に鑑定士がしっかり鑑定する工程のあるスニーカー売買アプリ「KCKC(キクシー)」のスニーカー鑑定士に、フリマアプリなどに出品されているスニーカーの本物か偽物かの見分け方を聞いた。
偽物のスニーカーは自分で見分けられる?
フリマアプリなどで出品されているスニーカーは、素人が自分で偽物かどうかを見分けることはできるのだろうか? KCKC鑑定士は次のように話す。
「フリマアプリで必ず本物を見分けられる、と100%断言するのはむずかしいですが、偽物はある程度、はじけると思います。ネットで出品されている場合、スニーカーの写真が他のものの使いまわしや、公式の写真だけの場合は偽物か本物か判断ができません。『疑わしきは買わず』のスタンスが良いと思います。
そして、手に入れたいと思っているスニーカーの情報を一つでも多く仕入れていくことが重要だと思います。日々情報をアップデートしていくことが大事ですね。その上で、例えば以下の5項目が見るポイントとして挙げられます」
1.写真
公式写真しか掲載していないといった場合は、実際に保有していない可能性がある。
2.値段
相場に比べて、安すぎる場合は偽物の可能性が高い。
3.説明文
不自然な言い回しや、掲載写真と違う説明がある場合も気をつける。
4.やりとりの内容
出品者に連絡をしたとき、途中から違和感が出てくるケースは要注意。
「お願いする際のコメントでのやりとりで、話のつじつまが合わなくなる場合も、偽物をあぶり出せます。例えば、最初は『国内正規店で買った』と言っていたのに、しばらくやりとりした後で『そういえば海外で買った』と言い出す、などです」
5.出品者の情報
評価の質が悪い人はそもそも取引すべきではない。また評価数が0~2件など、少ない人もやめたほうがよい。逆に評価数が数百~数千など、多すぎる場合も注意が必要。
「出品者の情報は細かくチェックしたほうがよいでしょう。
まず『評価の質が悪い』人は、たとえ本物が出品されていたとしてもトラブルのもとにもなるので、取引は避けたほうが安全です。
次に『評価数』です。0~2件の人は、一般的には新規に始められた実績のない・少ない人ですが、実は過去に何度も違反を繰り返し、その度にアカウントを作り直している確信犯もいるので、こちらも避けたほうが無難です。
逆に、評価数が数百~数千など、多い人も注意する必要があります。数が多いと安心しがちですが、こういった方はそもそも転売を生業としていて、あらゆるところから仕入れて販売しているため、本人に悪気がなくとも、偽物が紛れてしまっている場合があります。
そして、出品者の『他の出品・販売商品』もチェックポイントです。例えば、ある出品商品は不自然ではなくとも、他の出品に怪しい商品がある、何個も持っているはずのないレア商品を複数出品しているといった場合は、見極める判断基準となりえます」
出品者に写真をとってもらうべき箇所は?
もし、出品者に追加で出品されているスニーカーの写真を撮ってもらうことができるのであれば、どんな写真を申請すればいいだろうか。
「意外と商品自体ではなく、領収書や納品書の写真をお願いしてみると良いかもしれません。完璧ではないですが、判断材料の1つになると思います。さらに可能であれば、スニーカーの内側にある製品タグ、インソール(中敷き)、中底なども、所有している人でないと撮れないので、お願いしてみると良いでしょう。これらの写真は真贋(しんがん)の判断基準にもなります。なぜなら、内側というのは履いてしまうと見えない箇所なので、偽物はかなりの割合で手を抜いている場合があるためです」
「逆に安心なケースとして、商品と共に、出品者自身のアカウント名を記載した紙などを一緒に写していると信頼度が少し上がります。同じ理由で、追加で画像を送ってもらう際にも『自分のアカウント名を書いた紙などを一緒に写してくれ』もしくは、購入希望者である自分のアカウント名などを教えて、『これを書いたものを一緒に写して欲しい』と伝えてみてください。もし対応してくれるなら、かなり信頼度が上がります」
基本は「疑わしきは買わず」
その他、スニーカーを個人などから購入する場合の、全般的なことについてKCKC鑑定士は次のようにアドバイスする。
「色々気をつけて確認をしても、フリマアプリの場合は、出品されていたスニーカーを送ってこない、という最悪の可能性もあるので、評価と共に、相手とのやりとりの内容をセットで判断すると安心感が高まります。基本的には『疑わしきは買わず』がいいと思います。私は、どのような場合でも、常に疑っています。それだとスニーカーを買う行為自体が、まったく楽しくはないですが(笑)、偽物を買ってしまうよりは良いと思います」
ちなみに、出品側にもリスクはあるという。
「販売する側である出品者にもリスクはあります。例えば、ちゃんと本物を送ったのに『偽物が届いた』『色が違うものが届いた』とフリマ事務局にクレームを入れて、出品者都合のキャンセルにして、送った商品をすり替えて偽物を送り返してくるというケースもあるのです。出品側になったときには、購入者が問題ない人物かどうかも、十分注意しましょう」
フリマアプリなどで、ネット上での取引でスニーカーを購入する際には、ぜひ参考にして、本物のスニーカーを手に入れよう。
【取材協力】
鑑定保証付きスニーカー売買サービス「KCKC(キクシー)」
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取材・文/石原亜香利