4K有機ELの登場で〝下位テレビ〟という印象も出てきた4K液晶だが、画質も機能も大きく進化。価格が手頃になった〝現実的な4K〟はテレビ観戦の好きパートナーとなる。
〜賢者の心得〜
●数年前より大幅に価格が下落
●高画質技術は有機ELテレビと同等
●ネット動画の映画鑑賞も快適!
ビックカメラ 執行役員
商品本部副本部長 商品部長
佐藤壮史さん
機能は大幅に進化しつつ価格はぐっと手頃に
4Kテレビの主流は有機ELモデルに移りつつあるが、液晶モデルも根強い人気がある。大きな理由は、何といっても手頃な価格で購入できること。量販店などのマーケティング調査を手がけるBCNの調べでは、この5年で4K液晶テレビの平均単価は約半額になっている。この間に新興メーカーの格安モデルが普及した影響もあるが、大手メーカーも有機ELモデルに注力した関係で、液晶モデルの価格が下がってきた。
もちろん画質では有機ELに分があるが、映像エンジンなどには有機ELで培われた高画質技術が応用されている。また、ビックカメラの佐藤さんはバックライトの技術についてもこう言及する。
「10年ほど前からバックライトにより明るく発光できるLEDを採用するモデルが増え、最近はそれが標準的になっています。価格も当時より下がり、地デジに移行した2011年頃のモデルとは画質も価格も大きな違いがあります」
機能面でもHDR規格や多彩なネット動画への対応、4Kチューナーの搭載など、大幅に進化。4K有機ELテレビは予算的に厳しくても、最新の4K液晶テレビという有力な選択肢があるのだ。
● 4K液晶テレビの平均単価年次推移(2014〜19年)
BCNの調査では、2019年までの5年間で4K液晶テレビの平均単価は4割以下まで下落。最新の55V型でも20万円程度で購入できる。
同じ4K液晶でも機能が大幅にアップ!
一見すると同じ4K液晶なら変わりがないように思えるが、現行モデルは4Kチューナーを搭載し、複数のHDR規格に対応。多彩なVODサービスも視聴できる。一方で、消費電力量や重量は大幅に下がっている。
クラウドで高画質技術が常に進化!
東芝『レグザ Z740Xシリーズ』
オープン価格(実勢価格55V型約21万円、65V型約29万円)
業界初となるクラウド連携で高画質処理を行い、高精細かつリアルな映像で映し出す機能を採用。コンテンツごとに適切なパラメーターで高画質処理を行う。全面直下型LEDバックライトやタイムシフトなど定評ある機能も搭載。
クリアな音を再生する2ウェイスピーカーと重低音を出力するバズーカウーハーを内蔵。総合80Wの迫力ある音を楽しめる。
AIを使いシーンごとにノイズを低減する機能も搭載。超解像処理により、地デジなどの2K映像も4K解像度に変換して、美しく映し出す。
【主要スペック(55V型)】
●スピーカー合計出力:最大80W
●内蔵チューナー:BS4K・110度CS4K×2、地上デジタル×9、BS・110度CSデジタル×3
●HDR対応:HDR 10、HDR 10+、HLG
●サイズ(外形・スタンド含む):W1456×H866×D340mm・約27kg(65V型)、W1247×H743×D237mm・約20kg(55V型)
〜賢者の視点〜
こちらも視聴スタイルを大きく変えてくれる全録機能「タイムシフト」を搭載。スピーカー部にはウーハーが内蔵され、単体でも高音質が楽しめます。
東芝『レグザ 55X3』
オープン価格(販売時実勢価格約90万円)
地デジ化が行なわれた2011年の12月に、東芝はいち早く4K液晶テレビを発売。大きな話題を集めたが、4Kコンテンツがまだほとんどなかったため、当初は主に地デジやBDをアップコンバートして視聴することになった。
【主要スペック(55V型)】
●解像度:4K(3840×2160) ●内蔵チューナー:地上デジタル×3 、BS・110 度 CS デジタル×2
●HDR対応:なし ●ネット接続:有線LANのみ ●ネット動画対応:5サービス
●スピーカー合計出力:最大30W ●消費電力量:385kWh/年 ●重量:30kg