家電などの新製品や高額な商品は、ボーナス時期に買い揃えようと考える人が多い。しかし編集部で調べたところ、2020年は春に買ったほうがお得、かつ賢いことがわかった。今買うべきものは何なのか? その理由を3賢人に話を伺った。
働き方改革、セルフディフェンスに対応する〝予測〟買いのススメ
中村 エアコンを購入するなら、春ですよね。
佐藤 間違いないです。7月になると、通常でも取り付け工事をお待ちいただく可能性が高くなります。
渡辺 でも新モデルを購入したいなら、夏を待ったほうがいいですか?
中村 家電は冬の間にモデルチェンジするケースが多く、春の時点ですでに新モデルは出そろっています。だから春に購入しても、新しいモデルを買い逃すリスクは少ないですよ。
テレビの大型化は確実に進んでいます
ビックカメラ 執行役員
商品本部副本部長 商品部長
佐藤壮史さん
ビックカメラ新宿西口店、有楽町店店長などを歴任。都内大型店の店長として現場の第一線に立ち続け、現在は商品本部副本部長として活躍中。
渡辺 あと大きなスポーツイベントを控えていると、大画面テレビが売れますよね。こちらも配送が滞る可能性があるなら、今のうちに購入したほうがいいかも。
佐藤 そうですね。テレビは大画面化が非常に進んでおり、60型以上のテレビの普及率はかなり上がっています。
中村 テレビの寿命はだいたい10年といわれていますが、地デジに移行した2011年にテレビを買い替えた人は、今年で9年目。テレビの視聴頻度にもよりますが、そろそろ次を考えてもいい時期です。
佐藤 ちなみに、レコーダー機器もよく売れますよ。特にオススメは地デジやBS放送の複数チャンネルをすべて録画できる〝全録〟。今年は民放各局で放送時間がかなりかぶりますから、高容量の全録モデルはニーズが高まると思います。
中村 見たい競技をいちいち録画する手間を考えれば、全録のレコーダーは買いですよね。これさえあれば注目していない競技から新たなスターが誕生しても、見逃さずにすみます。
渡辺 確かに4年に一度は、そういったドラマがありますね。
快適な空間への意識が高まる!
東京電力エナジーパートナー販売本部
お客さま営業部 副部長
中村 剛さん(家電王)
東京電力エナジーパートナーに勤務し、YouTubeなどで『くらしのラボ』を配信。2002年に『TVチャンピオン』のスーパー家電通選手権で優勝した経歴を持つ。
『くらしのラボ』は、こちらをチェック!
https://www.facebook.com/LifestyleLaboratoryTEPCO/
この先は在宅勤務が推奨され、自宅にいる時間も増えそうです。
渡辺 それ以外に新型コロナウイルスの影響もあり、自宅で過ごす〝巣ごもり消費〟は確実にあると思います。
中村 自宅での時間を充実させたいなら〝ほったらかし家電〟が注目ですね。例えば大流行中の電気調理鍋は目の前にいなくても調理ができるので、その間にテレビでスポーツ観戦ができます。また家にいる時間が長くなると、快適な空間する意識が高まるのと思います。そうなるとロボット掃除機が売れるかもしれません。
佐藤 最近、コンパクトなハンディクリーナーが大ヒットしています。ロボット掃除機と比較すると簡易的なものになりますが、「掃除は簡単でいい」という人には刺さりそうです。
渡辺 あとはやはり、新型コロナウイルスなどによるセルフディフェンスへの意識の高まりも無視できませんね。
佐藤 昨年の台風の影響で家庭用蓄電池とモバイルバッテリーは通年で売れていますし、備えの意識が向上しているのをすごく感じます。空気清浄機も一昔前までは冬場のみ人気でしたが、ここ数年は通年で売れていますね。個人的には〝ポスト空気清浄機〟となるのは除湿器かなと思っていますが。
渡辺 除湿器はどうやってセルフディフェンスに活用するんですか?
佐藤 今の時期ですと、ウイルスや花粉対策で洗濯物の外干しを敬遠する人が多いと思いますが、除湿器があると部屋干しの効率が格段にアップします。梅雨の時期も重宝しますよ。
中村 あとはこの先、猛暑への備えも重要です。外気温が高いので、エアコンの室外機が40度を超えることも珍しくない。だからエアコンの最新カタログには、どのメーカーも室外機周辺が50度近くなった際の耐久試験をしていると記載しています。その情報があることで、備えている安心感が生まれるのだと思います。
渡辺 その気持ちはわかりますね。そしてより必要な時に手に入らないリスクに備えるため、エアコンは今買っておいたほうがいいと。
佐藤 はい。
巣ごもり需要は無視できません
流通ジャーナリスト
渡辺広明さん
流通ジャーナリストほかコンビニ評論家、元コンビニバイヤーなど様々な分野で活躍。約730品の商品開発に携わるマーケッターでもある。