大変だ。さぁ困った。どうしよう。
そんな時に頼りになる緊急通報先の利用法や、各種の相談窓口をまとめました。
*原則、スマホからの通報を想定しています。
警察関連
・110
言わずと知れた警察への緊急通報。日常生活の中で滅多にかけることはないものの、事件・事故・犯罪などに遭遇した時は焦らず、できる限り冷静になり状況説明をすることが大切。
もっとも、通報をすれば「事件ですか、事故ですか?」など、誘導してもらえるので、落ち着いて話そう。
場所の説明をする際は、さほど焦ることはない。110に代表される緊急通報には発信者の位置情報通知を取得するシステムがあり、ほとんどのスマホなら高い精度で発信場所を把握してもらえる。
仮にGPS機能を切っていたとしても、どの基地局を通じてかけて来たかわかる。発信者通知をしたくないと184を付けてから通報した場合、原則、位置情報は伝わらない。ただし、とくに緊急性があるケースでは、警察は情報を取得することが認められている。
受付時間:24時間
#9110(警察相談専用電話)
犯罪や事故の発生に至ってないものの、警察に相談したいことがあるときに利用できる。全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などに繋がる。
受付時間:平日8時30分~17時15分。土日・祝日及び時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応
【参考】「政府広報オンライン」
#8103(性犯罪被害相談電話)
性犯罪の被害に遭ってしまった方のための相談電話。各都道府県警察の専用窓口に繋がる。
受付時間:平日8時30分~17時15分。土日・祝日及び時間外は、24時間受付体制の一部の県警を除き、当直または音声案内で対応
【参考】「警察庁」
消防関連
・119
一刻を争う病気、交通事故などでお世話になる消防への通報手段。繋がるとまず、火事と救急、どちらなのか聞かれる。場所の説明は110と同様、位置情報通知システムを取得できるので、スマホ等からの通報なら説明の苦労することはないだろう。
110と同様、不要不急の通報はしないこと。仮に間違いでかけてしまったら「間違えました」と伝えることも大切。これをしないでガチャ切りすると、安否確認のため指令センターから折り返しの電話が入ることがある。
受付時間:24時間
#7119(救急安心センター事業)
急に具合が悪くなった、どうしよう、救急車を呼ぶべき? と迷った時に役立つ。電話すると医師や看護師などが症状を確かめ、「救急車を呼ぶべき」、「取りあえず病院へ」などアドバイスしてくれる。
夜間などは必要に応じて「今、どこの病院なら受け入れてくれそうか」などの相談も可能だ。ただし、拠点は限られているので、下記リンクを参考に。
【参考】「総務省消防庁」
地域によっては、より地元に特化した電話相談窓口もあるので、調べてみてはいかが?
受付時間:24時間
#8000(子ども医療電話相談=小児救急電話相談)
大人はともかく、子どもはとかく急な発熱などを起こしやすい。それが夜間・休日なら病院に連れていくべきか迷うことも多々ある。そんな時にここに電話すれば、小児科医や看護師などが受診すべきかどうかの相談に乗ってくれる。
【参照】「厚生労働省」
受付時間:都道府県により異なるが、主に夜間~早朝にかけてが中心
海関連
・118
海の「もしも」を担当する緊急通報番号。海難人身事故はもちろん、不審船や漂流等の発見の際に利用する。
場所の説明が難しいケースが多いが、110や119と同様、位置情報通知システムを取得できる体制が整っている。通報するとその区域を担当する管区海上保安本部に繋がる。
注意してもらいたいのは知名度が低いせいか、110や119に比べ間違い電話の比率がかなり高いこと。直近のデータでは99%が間違いやいたずら等にあたるという。
ちなみに海水浴場で人が溺れているなとの通報は、海が舞台でも消防と警察にかけるのが優先。
受付時間:24時間
道路関連
・#9910
道路の異常等を通報するための番号。穴が空いている、ガードレールの破損、倒木などを発見したら通用しよう。*繋がると最初に音声ガイダンスが流れる。
ただし、こちらは首都高速や高速道路、国道が対象。それ以外の県道や市道等の対応は、さらに自治体への連絡が必要なので時間がかかる。最初から県道や市道とわかっていれば、担当する自治体に電話したほうが話は早い。
位置情報通知システムには対応していないため、場所の説明は道路名や進行方向、キロポスト、周辺の施設等の説明が求められる。
受付時間:24時間
・独自の通報アプリを利用する自治体もある
自治体によっては、アプリによって道路や公園施設等の異常を通報するシステムを採用しているところもあるのでご紹介しよう。これなら画像と位置情報を送ることができるので、素早い対応が期待できる。
場所を伝えるための手段
土地勘もなく、位置情報通知システムがカバーできない場所からの通報は、次のようなものを見つけ管理番号を伝えよう。
・道路標識(管理番号)
・電柱(住所表示、管理番号)
・信号機(交差点名、管理番号)
・自動販売機(住所表示)
・河川距離標
【参照】「国土交通省 関東地方整備局」
児童相談所関連
・189(児童相談所虐待対応ダイヤル)
身体的、性的、心理的な虐待、ネグレクトなどの可能性を感じたらかけるべき番号。最寄りの児童相談所に繋がるので、落ち着いて伝えよう。通報者の匿名性は守られる。
【参考】「厚生労働省」
受付時間:24時間
災害関連
・171
大規模災害などで電話回線が繋がりにくくなった時に利用する災害伝言ダイヤル。毎月1日と15日、防災週間などに体験利用提供日が設けられているので、確認してみよう。
【参考】「総務省」
受付時間:災害発生時、被災地への通話がつながりにくい状況になった場合、速やかに開始される。
消費生活関連
・188
電話すれば身近な消費生活センターや消費生活相談窓口を紹介してくれる。音声ガイダンスに従い郵便番号等を入力すると、近くの市区町村消費生活センターや消費生活相談窓口に繋がる。
地域の担当窓口が混雑していたり、昼休み、時間外だと国民生活センターに繋がる。
【参考】「政府広報オンライン」
【参考】「消費者庁」
【参考】「国民生活センター」
受付時間:原則、平日9時~17時、土日10時~16時。*地域により変動あり。
文・写真/西内義雄
医療・保健ジャーナリスト。専門は病気の予防などの保健分野。東京大学医療政策人材養成講座/東京大学公共政策大学院医療政策・教育ユニット、医療政策実践コミュニティ修了生。高知県観光特使。飛行機マニアでもある。JGC&SFC会員。