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高齢の親をネットのトラブルや詐欺から守るために子どもがすべき予防策

2020.03.30

NTTドコモが実施した「シニアのスマートフォン(以下、スマホ)事情調査」によると、シニアは思いのほかスマホやSNSを利用しており、SNSトラブルやネットトラブル、ネット詐欺などのリスクが高いことが発覚した。そこで今回は、シニア世代の親がスマホ利用によりトラブルや詐欺にあわないよう、予防策を紹介する。

シニアのスマホ利用実態

株式会社NTTドコモは、「シニアのスマホ事情」をテーマに、日本全国の60~79歳までのスマートフォンを所有する男女300名を対象にした調査を2020年2月に実施した。

その結果、シニアの78%がスマホを積極的に活用しており、子がいるシニアの64%が「息子・娘が想像しているよりも、スマホを活用している」と回答。思いのほか、スマホ利用は進んでいるようだ。

また「現在使用している(定期的に閲覧または投稿している)SNSやメッセージアプリ」がある人は66%と、6割以上にものぼっていた。

シニアのSNS・ネット利用の注意点

SNSやネットショッピングを積極的に活用しているとみられるシニア。自分の親がシニア世代の場合、子としてはトラブルに巻き込まれないか心配になるものである。

ITジャーナリストの高橋暁子さんのコメントと共に、「SNSトラブル」、「ネットショッピングトラブル」、「ネット詐欺」それぞれのネットトラブルに対するリスクと予防策を確認していこう。

1.SNSトラブル

同調査で「SNSを使用したことがある」と回答した219名に「SNSにおける投稿内容」について質問をしたところ、次の結果となった。

「旅行先での写真をSNSに投稿したことがある」28%
「近所の店舗や風景を撮影した写真をSNSに投稿したことがある」23%
「自分や友人の顔写真をSNSに投稿したことがある」17%

●SNSの投稿範囲・投稿内容は注意

この結果を受け、高橋さんは「SNSの投稿範囲・投稿内容については注意が必要」だとし、自宅の場所がわかる投稿をしてしまうと個人情報の特定につながるほか、空き巣被害などにつながった例もあるという。

●他人を誹謗中傷しない

SNSコミュニケーションに慣れていないため、他人を誹謗中傷する投稿をしてしまい、友人との仲が険悪になってしまった例もあるそうだ。SNSであっても節度あるコミュニケーションが重要になりそうだ。

●お金の貸し借りには注意

SNSで「#個人間融資」などのハッシュタグのついた、「お金を貸す」旨が書かれた投稿を見かけて借りてしまい、法外な利子を取られる被害も増えているという。

2.ネットショッピングトラブル

シニアはネットショッピング利用も積極的であるようだ。

「インターネット上で何かを買うことがありますか?」の問いには、47%と半数近くが「よくある」と回答。

また「フリマアプリを使ったことがある」が37%、「インターネットで株の取引をしたことがある」が34%という結果となった。

●「定期購入」契約でないかチェック

高橋さんは、ネットショッピングにも様々なトラブルが潜んでいると警笛を鳴らす。例えば1回だけのつもりで購入したら、実際は「定期購入」の契約であり、知らないうちに高額請求される例が近年増加しているそうだ。「定期購入」という文字が書かれていたとしても、スマホでは見づらい小さな文字であれば、シニアは見逃しがちだ。

●信頼できるECサイトで買う

商品が届かないというトラブルも起きているという。ネットショップ自体が架空のもので、会社名や連絡先も実際には存在しないというケースもある。「信頼できるECサイトや販売者を選ぶことも大切です」と高橋さんは述べる。

●フリマアプリは取引相手に注意

フリマアプリは個人間での取引だ。高橋さんは「『思っていたものと違った』『商品説明と異なる商品が届いた』などのトラブルに発展するケースもあるため、取引相手には十分に注意しましょう」とコメントする。

●株取引は操作ミスに注意

ミドル・シニア世代は株取引をする人が多いようだ。しかし「“売却”と“買付”のボタンを間違えたり、単位をひとつ間違えて発注したりと、操作ミスによるトラブルも。自身の入力ミスにも十分気を付けましょう」と高橋さんは述べる。

3.ネット詐欺

続いては「ネット詐欺」。過去にネット詐欺と思われるものに遭ったことのあるシニアは次の割合となった。

「フィッシングメール(銀行、カード会社、オンラインサービス、芸能人などの名を騙った詐欺メール)を受け取ったことがある」25%

「フィッシングSMS(銀行、カード会社、オンラインサービス、芸能人などの名を騙ったショートメール)を受け取ったことがある」21%

「利用した覚えのないサイト・サービスからの請求を受けたことがある」15%

●偽の警告は無視する

高橋さんはネット詐欺の例として、ネットサーフィン中に「ウイルスに感染している可能性があります」「10個のウイルスが検出されました」「ウイルスを駆除するためには有料版を購入」などと表示される、セキュリティソフトを購入させる詐欺を挙げる。警告は偽なので、無視するのが正しい対処法だとコメントする。

●「ゼロクリック詐欺」は無視し連絡はしない

また、近年「ゼロクリック詐欺」も増加しているそうだ。ゼロクリック詐欺とは、ネットサーフィンをしていたら、いきなり「サイトの登録が完了しました」「料金のお支払いが確認できません。すぐにお支払いください」などのメッセージが表示されるものだ。請求される料金は数万~十数万円など、高額にのぼることもある。「会員登録などしていないはず」と記載されている電話番号に電話をかけてしまうと、悪徳業者に電話番号を知られてしまう。

「料金の支払いを説得されて支払ってしまったり、電話番号を他の詐欺に悪用されることもあるため、メッセージが表示されても無視し、連絡をとったりしないことが大切です」と高橋さんは述べる。

シニア世代の親をネットトラブルから守る対策は?

同調査では、ネットトラブルが起きた際に「気軽に相談できる相手は身近にいない」が43%となった。そのため、子はネットトラブルのリスクや予防策などの知識を持つほか、親に対してあらかじめネットトラブルに関する知識を啓発しておく必要もありそうだ。また、シニアを守るサービスの利用も考えられる。

そこで有用な3つのサービス・啓発資料を紹介する。

1.NTTドコモ「ネットトラブルあんしんサポート」

ドコモで回線契約しているユーザーが月額500円(税抜)で付加できるサービス。

予期せぬ個人情報の漏洩や詐欺、誹謗中傷など、インターネット上でのさまざまなトラブルに不安を感じるユーザーを守る。トラブルを未然に防ぐための最新事例の提供を専用アプリからタイムリーに受けることができるほか、いざというときには、専門スタッフ・弁護士・消費生活アドバイザーに電話相談ができる。また、キャッシュレス決済の不正利用を補償する保険として、「不正決済補償」(最大100万円)を付帯している。

何かあった際のためにも付加しておくと子としても安心感が得られそうだ。

2.カスペルスキー「情報セキュリティ啓発教材(シニア編)」

ウイルス対策やインターネットセキュリティ関連のソフトを販売するカスペルスキーは、シニア向けに情報セキュリティ啓発教材「ネットの『あやしい』を見きわめよう」を静岡大学とタッグを組んで開発している。

静岡大学 教育学部 学校教育講座 准教授 塩田真吾さんによれば、シニアは、個人情報や金銭的なトラブルのリスクが大きいことから、本教材では個人情報や金銭的なトラブルにつながる「あやしさ」を考えるような内容になっているという。シニア自身が、自分の情報や資産をきちんと守る力を身につけられる内容となっている。

教材は使用目的が「非営利」であれば、個人でも情報をフォームに入力後に、無料でダウンロードできる。ダウンロードして親に見せるのもよさそうだ。

3.警察庁「インターネット安全・安心相談」

警視庁は、ネットトラブル解決のための情報発信を行っている。「インターネット安全・安心相談」のページでは、過去のネットトラブル事例を知ることで予防策をとることができるほか、トラブル別の対処法も紹介されている。このページでは個別相談は受け付けていないが、ケースに応じて、各都道府県警察のサイバー犯罪相談窓口で相談できる。

シニア世代の親を持つ場合は、一度スマホの利用実態を把握し、リスクに応じて予防策をとっておくのも良いのではないだろうか。

【専門家プロフィール】

高橋暁子(たかはしあきこ)さん
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、企業などのコンサルタント、講演、セミナーなどを手がける。SNSなどのウェブサービスや、情報リテラシー教育などについて詳しい。元小学校教員。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)など著作多数。SNSやスマホの安心安全利用等をテーマとして、テレビ、雑誌、新聞、ラジオ等のメディア出演経験も多い。

取材・文/石原亜香利

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