せっかくのバーベキューも火起こしで手間取ってしまうと、時間を大幅にロスしてしまい、存分に楽しめなくなってしまいます。事前に火起こしのテクニックやお役立ちアイテムを知り、スムーズに火起こしできるようにしましょう。
火起こしのポイント
火起こしに慣れていない人の場合、コツが分からずに時間がかかってしまうことも多いでしょう。火起こしをスムーズにするためのポイントを紹介します。
目的に合った炭を選ぼう
炭にはいくつかの種類があります。目的に合った炭を選んで使うことが、火起こしでは大切です。
主な種類は以下の通りです。
- 黒炭・切炭・成形炭
- 着火加工成形炭
- 木炭
- 豆炭
- 白炭(備長炭など)
火起こし初心者で自信がないなら、『着火加工成形炭』を使うと簡単です。慣れてきたら、オーソドックスな『黒炭・切炭・成形炭』や、リーズナブルな『木炭』に挑戦してみましょう。
ダッチオーブンやスキレットなど、長時間安定した火力を維持する料理をしたいなら『豆炭』が向いています。
また、同じ炭火焼きでも、よりおいしく上品に直火料理をしたい場合には、無臭で炎が立たず遠赤外線効果で焼ける『白炭(備長炭など)』がぴったりですが、高価なのでバーベキューには敷居が高いかもしれません。
炭は筒状に組み立てる
火起こしをするときには、炭を筒状に組み立てておくとスムーズです。筒状に組み立てることで、燃焼の3要素である『可燃物・点火源・酸素』がそろいやすくなります。
筒状に組み立ててから、炭の内部に新聞紙や着火剤で火をつけると、筒の中に上昇気流が起こり、燃えるために必要な酸素が自動的に取り込まれ、全体に行き渡る状態が作られるのです。
しかも、火は上に向かって燃え広がります。そのため、筒状に炭を組み立てておくと、上に向かおうとする火が効率良く燃え移るのです。
バーベキューで火起こしする方法は複数ありますが、どの方法でも筒状に炭を組み立てて、酸素の通り道を作るのが基本といえます。
炭の継ぎ足しは早めに
炭は時間がたつと燃え尽きて、火が消えてしまいます。バーベキューの途中で火が消えてしまうことがないように、『早めに炭を継ぎ足し』ましょう。
初めてのバーベキューで炭が燃えるスピード感が分からず、おしゃべりや食事を楽しんでいるうちに、気付くと火が消えてしまっていたということが起きかねません。
炭の周りが白くなり灰をまとい始めると、熱の伝わり方が悪くなり、火力が弱まってしまいます。たまに炭を振るい落としたり、燃えている炭の下に新しい炭を入れたりして、常に火がついている状態を維持しましょう。
火起こしする方法と手順
火起こしでは、筒状に炭を組み立てることや、早めに炭を継ぎ足すことが大切だと分かりました。では、実際に火起こしするときには、どのような方法や手順があるのでしょうか?
着火剤を使う場合
アルコールを始めとする可燃性の高い成分で、炭を燃焼させやすくするのが『着火剤』です。着火剤を使うと、燃えにくい炭も比較的スムーズに火起こしできます。
- 新聞紙や炭に着火剤を置く ※固形の着火剤はそのまま置けばOK
- 着火剤を中心に炭を筒状に組み立てる
- 着火剤に火をつける
この手順で火起こしをすると、着火剤の勢いを借りて炭を燃焼できます。火が回りにくいと感じたときには、扇風機や送風機で風を送りましょう。また、火力が安定したら、新しく炭を追加します。
ジェル状の着火剤を使用する場合、なかなか燃焼しなかったとしても、火をつけてから着火剤の追加はしないようにしましょう。追加している最中に炎が大きくなりすぎたり、火のついた着火剤が飛散してしまったりする可能性があり、大変危険です。
火起こし器を使う場合
火起こしは、筒状に炭を組み立てることが、基本的なポイントといえます。しかし、炭だけで筒状に組むのには少しコツが必要です。
『火起こし器』があれば、火起こし器に炭を入れるだけなので誰でも簡単にできます。
- コンロの中央に着火剤や枝などを置き火をつける
- 火起こし器の中に7~8分目程度、炭を入れる
- 1の上に火起こし器をセットする
- 炭が燃焼し始めたらコンロへ炭を移す
このとき、炭が大きすぎると燃焼し始めるのに時間がかかってしまいます。最初は小さめの炭を選んで入れると、スムーズに火をつけやすいでしょう。
バーナーを使う場合
『バーナーで炭に火をつける』方法もあります。小さめの炭を筒状に組み立て、炭が燃焼し始めるまでバーナーであぶり、火を起こしましょう。
バーナーの火は1000℃を超えるためパワフルですが、数秒では炭に火はつきません。約1分を目安に炎を当て続けてください。バーナーの炎を筒の中心部に向けると、燃焼しやすくなります。
中心部から炭が燃焼し始めたら『うちわや送風機で風を送り、炎があがったら止める』のを繰り返して全体に火がつくのを待ちましょう。
全体が燃焼し始めたら、コンロ全体に炭を広げて完成です。
身近なもので火起こしする方法と手順
火起こしには必ずしも専用の道具が必要なわけではありません。身近にあるものを使って、うまく火起こしすることもできます。
特別な道具がいらない方法なら、準備の手間が省けますし、よりリーズナブルにバーベキューを楽しめるでしょう。
新聞紙を使う場合
特別な道具がなくても、『新聞紙』があれば火起こしはできます。最低限の道具と材料でバーベキューができるため、コストパフォーマンスも良好な方法です。
手順は以下の通りです。
- 新聞紙を棒状にひねったものを10本作る
- コンロに小さめの炭を置き、1でその上に井桁(いげた)を組む
- 井桁に組んだ新聞紙の周りに炭を筒状に置く
- 新聞紙の上で炭を1~2個置く
- 新聞紙の中央部分に火をつける
この方法で火起こしする場合、うちわで風を送ったり、炭を動かしたりしないことが大切です。筒状に作った部分により炭が燃焼しやすい状態が作られているため、それを崩さないようキープします。
牛乳パックを使う場合
新聞紙と比較して、より長い時間燃えやすく、酸素の通り道を作りやすい形状をしているのが、『牛乳パック』です。燃えかすも少ないため、扱いやすい素材といえます。
牛乳パックの輪をうまく利用して、酸素の通り道になる筒状の部分を作りましょう。
- 牛乳パックをしっかりと洗い、飲み口と底を開いて乾燥させる
- 幅2~4cmくらいの輪切りにする
- 2を立体的な形にしてコンロの中央に重ねる
- 3を囲うように炭を並べ、筒状になるよう配置する
- 牛乳パックに火をつける
この方法で火起こしをした場合、牛乳パックが燃え切った頃に炭が燃焼し始めます。火がついたらコンロ全体に炭を広げて、バーベキューの準備完了です。
おすすめの着火剤
ライターやマッチで簡単に火がつく着火剤は、初心者の火起こしに役立つアイテムです。おすすめ商品を参考に選び、スムーズに火起こしをしましょう。
尾上製作所 ハイチャッカー・L
尾上製作所 ハイチャッカー・Lは、柔らかな繊維で作られている着火剤です。1シート15片が2枚入っておりコストパフォーマンスが良く、仮に失敗しても数回使えます。その都度、必要な分だけ割って使用しましょう。
燃焼時間はおよそ7分ほどです。筒状に立てた炭の下部に置いて着火すれば、上に燃え広がる火の性質によって、より効率的に炭を燃焼できます。
- 商品名:尾上製作所 ハイチャッカー・L
- Amazon:商品ページ
キャプテンスタッグ ファイアロック 着火剤9片入
圧縮木材繊維を使用した固形の着火剤で、1片あたり約10分間燃え続けます。これだけの時間燃え続ければ、十分炭を燃焼できるでしょう。
使用するコンロや炭の量に合わせて、必要な数だけ割って使える着火剤です。マッチやライターで簡単に着火できます。
- 商品名:キャプテンスタッグ ファイアロック 着火剤9片入
- Amazon:商品ページ