高齢ドライバーによる痛ましい事故が相次ぎ、運転免許証の自主返納が推奨されるようになっている。一方で、日常生活や仕事のために車の利用が欠かせない高齢者がいるのもまた事実だ。
そんな免許返納についてアンケートも含めた「運転免許」に関する意識調査がこのほど、パーク24株式会社により実施されたので、その結果を紹介していきたい。
クルマの運転免許の取得年齢は18歳が最多
パーク24グループのサービスを利用するタイムズクラブ会員を対象に、クルマの運転免許を取得した年齢を尋ねる調査が行われたところ、「18歳」が42%で最多となった。以降、「20歳」18%、「19歳」14%となっており、7割を超える人が、20歳までに、クルマの運転免許を取得している。
運転免許の取得理由は、「免許の取得が当たり前だと思っていた」と「運転がしたかった」が同率1位
運転免許を取得した理由は、「免許の取得が当たり前だと思っていた」と「運転がしたかった」が32%で1位となった。3位の「運転できないと生活に困る」21%を10ポイント以上上回る結果となっている。
年代別でみると、20代以下を除く全ての年代で「免許の取得が当たり前だと思っていた」が1位となり、年代が上がるにつれ、回答の割合も増えている。20代以下は「運転したかった」が「免許の取得が当たり前だと思っていた」を19ポイント上回った。
また、60代以上は、「仕事で使う必要がある」が唯一1割を超えている。
47%が親族の運転免許返納について考えたことが「ある」
親族の運転免許返納について考えたことがあるか尋ねる調査が行われたところ、約半数の47%が「ある」と回答した。
運転免許返納について考えた時の親族の年齢は、「76~80歳」が29%で最も多く、次いで「71~75歳」27%となっている。
自身の運転免許返納について考えたことがある人は13%。 返納する場合の年齢は「70歳」
一方、自身の運転免許返納について検討したことがあるかどうか尋ねる調査が行われたところ、「ある」と回答したのは13%で、年代が上がるにつれ、返納について考えたことがある割合が高くなっている。60代以上は、50代よりも14ポイント高い29%で、およそ3人に1人が返納について考えたことがあるようだ。
親族の返納について考えたことがある人は、ない人と比較すると自身の運転免許返納について考えたことのある割合が10ポイント以上高くなっている。
親族の運転免許返納について考えることは、自分自身の免許返納についても考える1つのきっかけとなっていることが伺える。
自身の運転免許返納について考えたことが「ある」人を対象に、自主返納する年齢を想定してもらう調査が行われたところ、「70歳」36%が最も多くなった。次いで「75歳」28%、「80歳」13%となっている。
81歳以上の回答はわずか2%で、ほとんどの方は自主返納する場合、「80歳まで」と考えているようだ。
警察庁のデータ「申請による運転免許の取消件数」※1では、自主返納した人の27%が「80~84歳」となっており、自身が想定する年齢と、実際の返納年齢に差があった。
出典: ※1警察庁交通局運転免許課 運転免許統計 平成30年版(申請による運転免許の取消件数より年代別の割合を算出)
今回のアンケートで、20代以下は、「免許の取得が当たり前」なのではなく、「運転がしたい」という想いからクルマの運転免許を取得する傾向があることがわかった。
日本の免許保有率は30代~50代が9割を超えているのに対し、20代は82%となっている。特に20~24歳は76%で8割を下回っており※2、このことからも「免許の取得が当たり前」ではなくなっていることが伺える。
また、自身の運転免許の返納について考えたことがある人は13%だった。昨今、高齢者による交通事故のニュースと共に免許の返納について取り上げられることが増えている。みなさんもぜひ一度、運転免許の返納に関してご家族で話し合ってみてはいかがだろうか?
出典: ※2 警察白書平成30年 男女別運転免許保有者数と年齢層別保有者率(平成29年末)
出典元:パーク24株式会社
構成/こじへい