
高齢者の日常会話の中でも度々登場するようになった「終活」。
この「終活」に関して、ライフサポートの一環としてカウンセラー資格も登場し、よりポピュラーなものになってきているという。
「終活カウンセラー」は「一般社団法人終活カウンセラー協会」が講習や試験を受けた人に認定付与している民間団体の資格である。
年齢を重ね起きてくる相続問題などに対しどの分野の専門家からの意見が適切であるかなどのアドバイスを行ってくれるものであり、「シニアのお困りごと案内人」と表現されることも。
初級、上級、上級インストラクターの3つの階級に分かれており、「高齢化社会」で役立つ資格と予想されている注目資格である。
その難易度や試験内容について紹介しよう。
終活カウンセラーとアドバイザーの違いって?
終活カウンセラーの役割としては
1:相続
2:遺言
3:保険
4:葬儀
5:墓
6:介護
7:健康
と、法律に乗っ取ったカウンセリングをしてくれる傾向が強い。
それに対して「終活アドバイザー協会」の認定資格、「終活アドバイザー」の仕事内容は
1:エンディングノートへのアドバイス
2:終活の相談相手
3:専門家の紹介
4:自治体窓口手続きの手伝い
5:子ども、孫への引継ぎサポート
を掲げており、「終活カウンセラー」よりも悩み相談と精神面のケアが役割の大きなウェイトを占めている。
終活カウンセラーの給料は?
「一般社団法人終活カウンセラー協会」の開催している終活カウンセラー初級資格取得のための費用はセミナー講習代、テキスト代などを合わせて約1万5000円だ。
まだ新しい資格のため職種として「終活カウンセラー」専門での採用は少ないが、石材店や葬儀店などに勤務する人の間で需要が高まってきている。
現在はなかなか給料アップに直結するものはないが、高齢者向けサービスの会社では職種によっては歓迎条件に入っている。
終活カウンセラーと行政書士はどう違うの?
行政書士は弁護士に次ぐ法律のスペシャリストで、特に公的な証明書類作成の際に必要な資格になる。
遺言書の作成や、相続の際に必要な戸籍謄本などの書類を依頼人に代わって取り寄せすることが職務上許可されている。
遺産の配分方法を記した「遺産分割協議書」の作成ができるのも行政書士。
終活カウンセラーはエンディングノート作成の中で、お葬式のやり方や私物の処分の仕方以外の、残す財産などの項目行政書士が必要になる項目はどこか洗い出して紹介を行うといったことをしてくれる。
終活カウンセラー検定はどんなもの?
「一般社団法人終活カウンセラー協会」の運営により、毎月全国各地で「初級検定」の受験と、勉強会が開催されている。
終活カウンセラーの試験問題は?
終活に関する幅広い問題が出題される。
「遺言は法律上何歳から認められている?」という実用的な知識から「棺の素材でないものはどれ?」など知っておいて困らない雑学的な問題も出題される。
受験する際は講義付きで6時間ほど(昼休憩含む)で、最後の30分が試験時間となる。
終活カウンセラー資格の合格率は?
初級終活カウンセラー資格の合格率はかつては98%と記載されていたが、現在は非公表となっている。
講義付きの試験のため比較的取得しやすいといえるだろう。
終活カウンセラー上級の合格率は?
初級が取得できたら上級も取りたいと思っている人も多いだろう。こちらの合格率は非公表となっている。
初級が基礎知識とエンディングノートの作成ができるようになるのに対し、上級は実践的に終活のカウンセリングとエンディングノート作成についてアドバイスが可能となる。
終活カウンセラー協会で学べるエンディングノートとは?
終活カウンセラー資格の主な勉強内容は「エンディングノート作成のサポート」に関する知識を学ぶことだ。
エンディングノートは法的な力はないが、残された家族のために葬儀には誰を呼ぶか、使っていた日用品は誰に譲るか、相続に関する書類はどうなっているかなどが記載されたノートになる。
文房具メーカーで市販されているものもある。中には縁もゆかりもない人や、ペットに持ち家を譲渡することを記載する人もおり生涯最後の願いを記すノートをいえる。
※データは2020年3月中旬時点での編集部調べ。
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文/小林恵理子