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食生活の質が精子に影響を及ぼす可能性、米ハーバード大学研究

2020.03.11

食生活の質は精子に影響する?

健康的な食事は脳や心臓だけでなく、男性の精巣機能にも良い影響を与えるかもしれない――。

そんな研究結果を、米ハーバード大学T. H.チャン公衆衛生大学院のFeiby Nassan氏らが「JAMA Network Open」2月21日オンライン版に発表した。

約2,900人の若いデンマーク人男性を対象とした横断研究の結果、魚や野菜、果物が豊富な食生活を送る男性では、加工肉やスナック類、精製された穀類などが多い欧米スタイルの食生活を送る男性と比べて精液中の精子の数が多いことが分かったという。

この研究は、デンマーク人の若年男性2,935人(年齢中央値19歳)を対象としたもの。

参加者を食事内容によって、(1)魚や鶏肉、野菜、果物、水の摂取量が多く、総じて健康的な食生活を送っている群(健康食群)、(2)ピザやフライドポテト、加工肉や赤肉、スナック類、精製された穀類、加糖飲料の摂取量が多い欧米スタイルの食生活を送っている群(欧米食群)、(3)冷製の加工肉や魚、全粒穀物、香辛料、乳製品が多いデンマークの伝統的な食生活を送っている群(デンマーク食群)、(4)野菜や豆乳、卵が多く赤肉や鶏肉は摂取しない群(ベジタリアン食群)の4つの群に分けて精子の数を比較した。

その結果、精子数の中央値は、健康食群が1億6700万個と最も多く、次いで、ベジタリアン食群(1億5100万個)、デンマーク食群(1億4600万個)が続いた。最も低かったのは欧米食群で1億2200万個だった。

また、欧米食群では、生殖能力に影響する複数の性ホルモンの濃度が低いことも分かった。

Nassan氏は「食生活を改善することは、生殖年齢の男性において精子の質を改善させる介入策の一つになり得るのではないか」と指摘。精子の数が少ないとパートナーが妊娠する確率が下がることから、「男性の生殖能力を向上させるためには、健康的な食生活を心掛けると良いかもしれない」と話している。

ただし、今回の研究の食生活に関するデータは男性の自己報告に基づくもので、正確性に欠ける可能性があるとして、Nassan氏らは、この結果には慎重な解釈を求めている。

今回の報告について、専門家の一人で米ノース・ショア大学病院生殖医療部門長のChristine Mullin氏は「健康的な食生活は炎症を抑え、心臓や精神的な健康状態を改善することは知られているが、生殖能力に与える影響についてはほとんど研究されていなかった」と指摘。

「精子の形成に悪影響を与える因子として、喫煙や放射線、殺虫剤、重金属が挙げられるが、食事が精子に与える影響については、まだ明らかになっていない」と付け加えている。

また、Mullin氏は「今回の研究結果が、デンマーク人男性以外の集団にも当てはまるかどうかは不明だ」として、欧米スタイルの食生活が精子に与える影響を知る上でも、米国人を対象に同様の研究を行うことを提案している。(HealthDay News 2020年2月21日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2761546

構成/DIME編集部

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