近年、3大キャリアよりも比較的安価にスマホの利用ができると話題のSIMフリースマホ。では、なぜSIMフリースマホは格安で利用できるのだろうか。今回はそんな格安SIMの仕組みや、メリット/デメリットを紹介していく。
今さら聞けない!? 格安SIMってなに?
では、そもそも格安SIMとはなんなのだろうか。かなり流行してきているため今さら誰かにたずねるのも恥ずかしいという人は、本記事をぜひ参考にしていただきたい。
SIMカードって何?
格安SIMの説明の前に、SIMカードについて簡単に説明しよう。
SIMカードとは、インターネットの利用や通話をスマホでするためのICカード。SIMカードには、それぞれの契約内容がデータとして記録されており、モバイル回線を使ってインターネットに接続するのに必要だ。3大キャリアで契約したスマホにも原則、このカードが挿入されている。
格安SIMとは
では、格安SIMの解説に入っていこう。
格安SIMとは、通信会社が携帯電話の回線を自社で所持せず、3大キャリアから回線の一部を借りて、ユーザーに提供するサービスを指す。格安SIMを取り扱う会社も含め、携帯電話の会社を自社で所持せずにほかの事業者から借りてサービスを提供する業者を「MVNO」という。MVNOは「Mobile Virtual Network Operator」の略で「仮想移動体通信事業者」を指す。
格安SIMの特徴とは!
では、格安SIMは3大キャリアと比べるとどういった特徴があるのだろうか。
サービスエリアが3大キャリアと同じ
格安SIMの通信会社は、インターネットや通信の回線を3大キャリアから借りている。そのため、基本的に通信会社が提供するサービスエリアは3大キャリアと同様となる。
SIMには2種類存在する
格安SIMには大きく分けて「データ通信専用」と「データ通信+音声通話機能」の2種類が存在する。音声通話機能は、その名の通り電話などの音声通話ができるサービス。データ通信専用だと、電話の利用ができないが、その分料金は安く利用できる。また、LINEなどのSNSでの発信は可能だ。
もし、3大キャリアで契約したスマホを利用中で、音声通話機能付きの格安SIMに乗り換える際には、現在の電話番号をそのまま引き継げる。この際には、事務手数料がかかるので注意が必要だ。
契約期間の縛りがない、もしくは少ない
3大キャリアの契約時には、ほとんどの場合で2年の間は他社に乗り換えるのに手数料がかかる。しかし、MVNOであればその縛りはなかったり、短かったりすることが多い。つまり欲しい機種が出たタイミングで端末や契約会社を気軽に変更できるのだ。
とにかく安い
MVNOの一番の特徴は、なんといってもその安さにある。月額5000円を超えるのが当たり前である3大キャリアに比べ、MVNOはデータ通信専用SIMであれば月5GBの契約で大体月額1500円程度の利用が可能なことが多い。年間で考えれば、この条件で4万円近くも差額が出るのだ。
格安SIMはなぜ格安なの?
では、なぜ格安SIMはそこまでの安さを実現できているのか。その理由を解説していこう。
回線を3大キャリアから借りている
前述した通り、MVNO会社は3大キャリアから回線を借りている。自社でネットワーク設備を用意していないため、土地代や設備代を押さえられる。また、設備に対するメンテナンスをする必要もない。3大キャリアに設備のレンタル料金を支払ってはいるものの、自社で用意するよりも安価で済むことが多いのだ。
インターネットでの販売が中心
近年は店舗を構えるMVNO会社も増えてきているが、基本的にMVNOはインターネットでの販売を主としている。そのため、テナント料や店舗運営の費用、販売員の人経費もかからないため、その分価格を抑えられる。
また、3大キャリアのように専用のメールアドレスがなく、メールのセキュリティ設定がない場合もあるので、エンジニアなどの人員も最低限まで減らせる。これも、人経費の削減につながるだろう。
自分で必要なサービスやオプションを選択できる
格安SIMは、必要なサービスやオプションを自分で選んで契約できる。留守番電話機能やSIMカードの追加などは別途料金を支払って契約する形式がほとんどなので、不要なオプションと契約する必要がない。月に利用するデータ通信量なども、プランを自分で選択できるので、価格を極限まで下げられるのだ。
格安SIMのデメリットは?
もちろん、格安SIMにはデメリットも存在する。3大キャリアから回線を一部借りているという性質上、ユーザーが多いとその分回線が混雑してしまう時間帯がある。また、キャリアメールの利用ができなかったり、サポートが必要最低限だったりと、3大キャリアと比べると手厚さは劣る場合が多い。
※データは2020年3月上旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦