新型コロナウイルスの影響により、外出にリスクが伴う昨今。日々の買い物に行くのも勇気がいる状況で有効活用したいのが、缶詰などの非常食。そこで今回は、缶詰が長期保存できる理由や、おすすめの缶詰を紹介していく。
缶詰ってなんで長期保存できるの?
まずは、缶詰がなぜ長期保存できるのかを、その歴史を紐解きながら解説していく。
缶詰はいつからある?
缶詰の原理が発明されたのは、1804年頃のフランス。ニコラ・アペールという人物が開発したといわれており、ナポレオンによって1万2000フラン(現在の日本円で約135万円)の賞金が与えられたともいわれている。
それから約70年後、1871年に長崎にてフランス人指導のもと、「いわしの油漬缶詰」が誕生した。これが日本の缶詰の始まりだ。
缶詰が長期保存できるのはなぜ?
では、なぜ缶詰が長期的に保存できるのか。それを理解するためには、なぜ食品が腐るのかがわからなければならない。
食品が腐る主な原因は、微生物などの雑菌が繁殖するからだ。缶詰は、主因となる微生物を加熱殺菌して密封しているため、缶の蓋を開けたり、缶に傷が付いたりしない限り微生物が侵入しない。そのため、長期的に保存できるのだ。
保存状態には注意
もちろん、高温多湿な環境などで保管していると、缶が錆びたり腐食する可能性がある。そうすると、缶に小さな穴が開いてしまい、微生物の侵入を許してしまう可能性がある。
賞味期限が切れた缶詰は食べられない?
缶詰の大体の賞味期限は約3年前後。だが、実はこの期間を過ぎても缶詰は食べられる場合がある。ただし、実際に食することは推奨しないし、万が一の場合は自己責任でお願いしたい。
たとえ、賞味期限切れから5年から10年が過ぎてしまっても、味は劣化してしまうかもしれないが、食べても問題はないといわれている。それだけ、缶詰という食糧保存方法は優れているのだ。しかし、賞味期限を過ぎたもの食べると、腹痛や健康被害の可能性もあるので、実食は推奨しない。
おすすめの非常食用缶詰を紹介
では、ここからはおすすめの缶詰を紹介していこう。
味とボリュームを備えたパンの缶詰「新・食・缶ベーカリー」
最初に紹介するのは、アストから発売されているパンの缶詰「新・食・缶ベーカリー」。おいしさと腹持ちが良いとの評判が高い缶詰だ。
味のバリエーションも豊富で、プレーン・コーヒー・黒糖・オレンジは5年、イチゴ・ミルク・チョコ・キャラメルは3年の賞味期限がある。
人気のお菓子が缶詰でも楽しめる「ビスコ保存缶」
グリコから発売されている「おいしくてつよくなる」のフレーズが有名なビスコ。そんなビスコには保存用に脱酸素剤を入れて密封した缶詰バージョンが存在する。
いつも楽しんでいる味を保存できるのは、お年寄りや子供にも嬉しいだろう。箱型の備蓄スペースを取らないバージョンも発売されており、幅広い層に保存食として人気だ。
安定感のある大手メーカーの人気お菓子「ルヴァン」
YBC(ヤマザキビスケット)から発売されている「ルヴァン」。フランス語で発酵種という意味があるこのお菓子も、保存用の缶詰が発売されている。
多くの種類が存在する缶詰だが、しょっぱいお菓子は意外と少ない。甘いものが苦手というひとは、この缶詰を保管しておくといいだろう。
缶詰の王道! 栄養豊富なツナ缶「シーチキン Lフレーク」
缶詰の代名詞といえばこれ、といっても過言ではないメジャーな商品、はごろもフーズの「シーチキン Lフレーク」。こちらもおすすめの缶詰といえるだろう。
ツナは高たんぱくで低脂肪。非常時など限られた食品で過ごさなければならない場合には、栄養の偏りはある程度仕方のないものではあるが、シーチキンがあれば不足しがちな栄養を補給しやすい。賞味期限が近付けば、新しい缶を購入して、料理にシーチキンを組み込むのもいいだろう。
非常食の定番お菓子は頑丈な缶でおすすめ「サクマ式ドロップス」
「サクマ式ドロップス」は非常事のお菓子として定番ともいえる飴だが、実はこのサクマ式ドロップス、カロリー補給を目的として作られているため、緊急時の栄養補給に最適だ。通常の缶よりも頑丈な缶で、少しの衝撃ではつぶれない耐久性も、非常事態を見据えた商品ならではだろう。
※データは2020年3月上旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦