誰もが生まれながらにして持っている遺伝子を分析し、栄養学の知見をかけ合わせて食生活の改善案を提示してくれるサービスがある。株式会社キーマインによる「ユアプロ」だ。
管理栄養士の資格を持つプロフェッショナルとLINEでやり取りする同サービスを一週間、実際に試してみた。
遺伝子検査には自宅へ届く検査キットを使用
同社のサイトから申し込みを済ませると、自宅宛に箱詰めされた「遺伝子検査キット」が送られてくる。内容は、自分の口内から遺伝子を取るための「採取ブラシ」と、検査用に返送するためのボトル。そして、日頃の習慣についてYES/NOで回答する全53問の生活チェックシートだ。
遺伝子の採取については丁寧な解説書が付いているので安心。事前にうがいなどを済ませたら、口の中で左右それぞれの頬をブラシで20回こすり、15分ほど乾燥させたのち、ボトルに入れればオッケーだ。
記入済みの生活チェックシートと共に封筒で返送すると、数日後、自宅宛に今度は遺伝子分析の結果を記したレポートが届く。
内容は「脳・疲労・ストレス」や「骨・軟骨・関節」など8種類の項目にわたり体質を分析したもので、身体が疲れやすいかどうか、今自分にとって必要な栄養素は何かを知ることができる。
その後、所定のフォームから申し込み、管理栄養士によるレポート結果の解説や電話でのヒアリングを済ませると、個別のLINEグループを介した食生活のカウンセリングを利用できるようになる。
LINEグループのやり取りで食生活のアドバイスが受けられる
カウンセリングのやり取りは、すべてLINEグループ上で行われる。今回は一週間であったが、初めにいつから始めるのかを打ち合わせしたあと、スタート日から毎日、就寝時と起床時の体重、朝食・昼食・夕食の写真と食べた内容の詳細を報告した。
写真付きで食べものを報告するたびに、担当してくれた管理栄養士の方からその都度メッセージが届いた。
そもそも朝食を食べる習慣があまりなかったのは、電話でのヒアリング時にも説明していたのだが、一日目の朝に野菜ジュースだけを飲んだと報告すると「少しでも胃に何かを入れるのを意識することが大事」といわれて、自分の生活習慣をちょっぴり反省した。
担当者から食べたものの分析や改善策がメッセージで送られてくる
管理栄養士の方から届くメッセージは、各自の遺伝子分析の結果をベースとした食生活へのアドバイスだ。例えば、夕飯にカレーとサラダを食べた日は「カレーは一品料理になりやすいですが野菜サラダをプラスできて素晴らしかったです!野菜から食べてみたでしょうか?」と返ってきて、続いて「野菜の中でも色の濃い野菜(ピーマン、人参、トマト、ほうれん草、ブロッコリーなど)を積極的に摂るといい」とかなり細かく改善策を提案してくれた。
一週間と短い期間ではあったが、最終日に「7日間お疲れ様でした!」といわれると二人三脚で頑張ってきたような感覚が込み上げてきて少し寂しくなった。
普段、漠然と何を食べるかばかりに気を取られて、身体にとって必要な食事については考える機会がなかったのだが、わずかでも意識するようになった手応えはあった。記録して食生活のルーチンを“記憶に留める”というのもサービスのポイントであるが、体質を改善したいと思う人ならば、使ってみるのはアリかもしれない。
取材・文=カネコシュウヘイ