DIME MAGAZINE
山手線、埼京線、湘南新宿ライン、東横線、田園都市線、井の頭線、銀座線、半蔵門線、副都心線と、渋谷駅には9路線が乗り入れる。いずれも異なる時期に開業したため、乗り換え動線など課題も多い。それらの解決に向け、渋谷駅はどう変わるのか。
駅舎の改築だけでなく駅の移転も伴う改良工事
JR東日本・山手線の駅として産声を上げた渋谷駅は、私鉄や地下鉄の開業を機に急激な発展を遂げてきた。近年は渋谷全体で大規模な再開発事業が進行。次々と誕生する商業施設や新しい鉄道の開通で便利になる半面、駅は迷宮の度合いを増す。そこで進行中なのが、駅の利便性や乗り換えアクセスを考慮した移設工事、さらに駅舎や周辺設備の老朽化に対応する駅舎の改築というわけだ。
すでに東横線は2013年3月に地下駅に移転し、東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始。
1月には、東急百貨店東横店建物内にあった東京メトロ銀座線が東側に約130m移設、〝フューチャーシティ〟をコンセプトに生まれ変わった駅舎が話題を呼んだ。
今後はJR埼京線ホームを350m移動し、山手線のホームと並列化すべく工事が進む。これが実現すると、山手線〜埼京線・湘南新宿ラインのほか、成田エクスプレスへの乗り換えアクセスが格段に向上するため期待が高まる。その運用も年内に開始予定だ。
一方で駅コンコースの拡充やバリアフリー設備・東西自由通路の整備、さらにJR各改札口の変更など、段階的に工事が進行中。全体工事が完了し、生まれ変わった新・渋谷駅がお目見えするのは、2027年度頃になりそうだ。
渋谷駅改良工事の注目ポイント
【1】〝渋谷ビットバレー〟化に合わせ、駅も変わる！
【2】M字型アーチ屋根が印象的な銀座線、新・渋谷駅
【3】JR埼京線ホームが移設、山手線の乗り換えが超ラクに
2027年度完成予定【渋谷駅拡張】
駅周辺の大規模再開発と併せ、駅も大きく生まれ変わる
渋谷駅街区（宮益坂交差点方面より望む）©渋谷駅街区共同ビル事業者
2020年1月 地下鉄銀座線移設
■ホームが東方向へ移動し、スタイリッシュな新駅舎が誕生
新駅舎は明治通りの上空・渋谷駅東口広場の正面に位置する。旧駅はホームの幅が狭く、階段も急だったが、明治通りをまたぐ新駅のホームの幅は約12mと倍増。柱のない広々としたホーム空間も印象的だ。
渋谷スクランブルスクエア側の改札。半蔵門線・東急田園都市線・JR線、京王井の頭線はここで乗り換え。ほかに明治通り側の改札と出入り口も新設された。
銀座線の新・渋谷駅はホームが長さ約110mで透明なM字型アーチに覆われた。将来、屋根の上には歩行者用デッキが架かる予定とか。
2020年内 JR埼京線ホーム移設
■山手線と並列の位置へ移動し、乗り換えの利便性が向上
渋谷駅の埼京線線路は山手線と東横線とに挟まれていたため、ホームを山手線の隣に設置できなかった。だが、東横線や銀座線が移転して土地が空くため、山手線と並列のホームが実現する。
出典：東日本旅客鉄道株式会社
取材・文／梅原 淳 写真提供／UR都市機構、東京メトロ
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