満開の桜の花はまぶしいほどに美しいものです。日本人は太古の昔から、その華麗な姿に魅せられてきました。そして、桜の美しさを愛でることができる名所が、全国にあります。5月上旬が見頃のスポットを厳選して紹介しましょう。
ゴールデンウィークは桜を見に行こう
日本人にとって春の花といえば、『桜』を連想する人は多いでしょう。それほどに桜の美しさは、日本人の心をつかんで離しません。
菊と並んで古くから日本人に親しまれている桜ですが、その種類は多様です。品種ごとにそれぞれ開花時期は若干異なり、見頃も違います。
そこで、いくつかの種類に触れながら、その開花時期についても見てみましょう。
桜の種類や見頃について知ろう
『カンザクラ』は、ヤマザクラとカンヒザクラの交雑により誕生しました。最も早咲きで、薄いピンクの花をつけます。ソメイヨシノよりもやや小ぶりで、東京での開花時期の目安は2月上旬~下旬です。
『オオカンザクラ』は、カンザクラより10日以上遅れて咲きます。川口市安行で誕生したことから、アンギョウザクラとも呼ばれます。東京での開花時期は3月上旬~下旬が目安です。
静岡県河津町で誕生した『カワヅザクラ』は、同町では天然記念物に指定されています。濃いピンク色の花が特徴で、ポピュラーな品種です。東京では3月上旬~中旬が開花時期の目安です。
『ソメイヨシノ』は最も人気のある桜といえるでしょう。江戸の染井村にあった植木屋が、奈良の吉野山にちなんで「吉野桜」と名付けたことがその名の由来です。東京での開花時期の目安は3月下旬~4月上旬になります。
そのほかにも桜には数多くの種類があり、その数は300種を超えるといわれています。
北海道、東北の桜の名所
東京の桜が終わる頃、次第に春の香りを迎える東北から北海道のエリアは、全国の中でも桜の名所の多い地方です。厳しい冬を耐えて開花した桜は、美しさと同時に、圧倒的な迫力も感じさせてくれます。
4月下旬から5月上旬にかけて見頃を迎える、北海道から東北にかけての桜の名所を紹介しましょう。
250種1万本の桜 松前公園
『松前公園』は、寺町・松前城・観光施設である松前藩屋敷などを含む公園で、広大な敷地を誇ります。アジサイやツバキなど、1年を通して豊富な種類の花を楽しめることで知られる公園です。
桜の名所としてもその名は全国に広がりを見せており、実に250種1万本の桜が美しい共演を果たします。園内には桜の図鑑ともいえる桜見本園と、バラ園・ボタン園もあり、ゆったりと見て回れる公園です。
- 名称:松前公園
- 住所:北海道松前郡松前町字松城
- 電話番号:0139-42-2275
- 公式サイト
日本最古のソメイヨシノ 弘前公園
『弘前公園』は、日本三大桜名所の一つとして知られる場所です。毎年4月下旬頃に花をつけはじめ、ゴールデンウィークには数多くの観光客にその美しい姿を見せてくれます。
同公園にも多種の桜がありますが、ぜひ鑑賞したいものがソメイヨシノです。植栽時期が1882年で日本最古といわれており、環境省が実施している全国巨樹巨木林調査では日本最大幹周であるともされています。
- 名称:弘前公園
- 住所:青森県弘前市下白銀町1
- 電話番号:0172-33-8733
- 公式サイト
東北有数の桜並木 展勝地公園
1920年、後に黒沢尻町長となる沢藤幸治が発起人となり、民間団体の和賀展勝会を設立しました。翌21年に、同会が桜の植栽事業を行なうことで開園した公園が『展勝地公園』です。
満開に咲き誇る桜の姿は迫力のあるもので、東北有数の桜並木として高く評価されています。90年には、日本さくら名所100選にも選ばれ、岩手を代表する観光スポットにもなりました。
- 名称:展勝地公園
- 住所:岩手県北上市立花10地割
- 電話番号:0197-72-8279
- 公式サイト
北陸、関東の桜の名所
続いて、北陸から関東にかけての名所を見てみましょう。北陸新幹線の開通で訪れやすくなった北陸には、数々の桜の名所があります。
また、アクセスが良好な関東地方にも、ぜひ足を運んでほしい場所がいっぱいです。素晴らしい桜を鑑賞できる絶好のスポットからよりすぐりの3カ所を紹介します。
6000本の八重桜が見どころ 倶利伽羅県定公園
『倶利伽羅県定公園』は、春は6000本の八重桜が咲き、秋には紅葉も楽しめるスポットです。倶利伽羅不動寺への参詣者の多く訪れる同公園は、北陸におけるお花見ランキングで常に上位にランキングされています。
倶利伽羅県定公園は、約800年前の源平合戦の舞台としても知られています。倶利伽羅の地で木曽義仲が平家の平維盛と対戦した際、たいまつを角に付けた牛を平家の軍勢に放ち、その戦術により勝利をおさめたといわれています。
- 名称:倶利伽羅県定公園
- 住所:富山県小矢部市埴生
- 電話番号:0766-30-2266
- 公式サイト
水と緑と桜を満喫 信濃川やすらぎ堤緑地
『信濃川やすらぎ堤緑地』は、新潟市の中心部を流れる信濃川の河畔を整備した美しい公園です。新潟市のシンボルともいえる萬代橋を背景にして、春には富山の県花ともいえるチューリップが咲き誇ります。
桜の名所としても名高い同公園には、ソメイヨシノをはじめサトザクラなども植栽されています。4月になり桜のシーズンを迎えるとボンボリが点灯され、素敵な夜を演出します。美しい信濃川の夜景に映える夜桜は見ごたえ十分です。
- 名称:信濃川やすらぎ堤緑地
- 住所:【左岸側】新潟市中央区川端町6丁目から川岸町3丁目、関屋大川前1丁目他/【右岸側】新潟市中央区万代2丁目から幸西3丁目、上所2丁目
- 電話番号:025-223-7403
- 公式サイト
奇岩と桜のコントラスト 県立森林公園さくらの里
『県立森林公園さくらの里』は、妙義山のふもとに広がる斜面を活用して整備された公園です。約47haという広大な敷地を有し、園内には遊歩道や四阿(あずまや)が整備され、春や秋にはハイキングで賑わいます。
妙義山には無数の奇岩が乱立し、その奇異な景観は日本三大奇勝の一つとして数えられています。紅葉や新緑もさることながら、春に咲く桜と奇岩とのコントラストは独特の雰囲気をたたえ、ぜひ目にしてほしい景色です。
- 名称:県立森林公園さくらの里
- 住所:群馬県甘楽郡下仁田町大字上小坂1258
- 電話番号:0274-82-2400
- 公式サイト
構成/編集部