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ノート、フェアレディZ、GT-R、エクストレイル、セレナ、雪上で乗り比べてわかった日産車の走行性能と安全性能

2020.03.03

※Part.1は下記をクリック
リーフ、スカイライン、キャラバン、デイズ、雪上で乗ってわかった日産車の走行性能と安全性能
https://dime.jp/genre/865983/

日産のクルマづくりがめざす「インテリジェント ドライビング(安心して意のままになるドライビング)」、「インテリジェント パワー(さらなる走りの快感)」、「インテリジェント インテグレーション(常に社会とつながる便利さ)」。それらをまとめた総称が「ニッサン インテリジェント モビリティ」だ。

そんな「ニッサン インテリジェント モビリティ」を体現するべく、日産を代表するクルマたちを取りそろえた雪上試乗会が北海道江別市で行なわれた。

今回の雪上試乗会の目的はふたつ。ひとつ目は、日産が得意とする電動駆動のリーフやノートe-POWER、セレナe-POWERを中心にした雪上での安定性や操縦性、走行性能の確認。

そしてもうひとつが、電動駆動、エンジン駆動に加えFFやFR、4WDといった異なる駆動方式の様々なモデルによる走りや挙動の違いを感じつつ、雪上でのドライビングを楽しむというもの。

その会場となったのが、クルマの挙動を思う存分楽しめるクローズドコースと雪道での走行性能が確認できる一般道。もちろん用意されたクルマには、最新のスタッドレスタイヤを装着済みだ。ということで前回に引き続き、その様子をテストしたコースやクルマの順にレポートしてみたい。

ショートコース

こちらのショートコースでは、4WDのノートe-POWER、FRのフェアレディZ NISMO、4WDのGT-Rという普段はなかなか乗り比べのできない豪華なラインナップでテスト。

■ノートe-POWER

ご存知のとおり、このノートの「e-POWER」については、一般的にはハイブリッド車と分類されるのだが、エンジンは発電のためだけに使用し、駆動はモーターで行なうシリーズ方式のため、日産では電気自動車のリーフと並び「100%モーター駆動(電動駆動)車」と位置づけられている。

したがって、前回のリーフのところでも書いたように、綿密なトルク制御のおかげで雪道との相性もよく安定した走りが可能だ。しかもテストしたノートe-POWERは4WDモデルのため、さらに発進・加速も安定しており心強い。

今回はそれをテストするために、コースには傾斜角度15°という登坂路も用意されていたのだが、坂の途中で一旦停止して2WDで発進しても前輪が空転するばかりで前へ進まない。もちろん4WDに切り替えれば、雪をしっかり掻きながら登っていくので頼もしい限りだ。

このノートe-POWERの4WDシステムは、あくまでも発進や低速時に特化したモーターアシスト方式ではあるのだが、雪の降る地域にお住まいの方にとっては必須の機能となるのではないだろうか。

■フェアレディZ NISMO

そして今回のテスト車の中で、個人的に最も楽しかったのがFRのフェアレディZ NISMOだ。とはいえ昔はよく、駆動方式の中で雪道にいちばん弱いのがFR車だといわれたものだが、現在もそうなのだろうか。

もちろん、クルマの構造の基本的な考え方として、4WD車は駆動力を4つのタイヤに分散するので、滑りやすい路面でもトラクションをかけやすく発進・加速が有利とされている。

またFF車は4WD車ほどではないが、フロントに重いエンジンがあるため前輪に荷重がかかりやすくグリップ力が大きくなり、雪道などでも発進が得意だといわれてる。

それに比べ、リアが軽いFR車は荷重がかかりにくく後輪が滑りやすいため、雪道が苦手とされてきた。(FR車が雪道などでスタックしたときに、トランクなどを開けて人の体重をかけて脱出する方法もそのため)

とはいえFR車は、ドリフトなどからもわかるとおりクルマが滑り出してからのコントロールがしやすいのが特徴。このフェアレディZ NISMOもそのコントロール性が非常によく、この上なく楽しいのだ。

しかも日産の横滑り防止装置であるVDC(ビークルダイナミクスコントロール)をONにした状態でも、ある程度の滑りを許容して綿密かつ自然に制御してくれるので、まるで自分のドライビングテクニックが上手くなったかのように楽しめる。

さらに、このフェアレディZ NISMOは、テスト車の中で唯一の6速MT車ということもあり、雪の中で1日中乗り回して遊んでいたいと思えるほどファントゥドライブなクルマだった。

■GT-R

さて、サーキットだろうが一般道だろうが、はたまた雪道だろうが、その走りにおいて絶対王者に君臨すると思われる4WDのGT-R(NISMOも含む)。

実は今回の試乗会で、リーフやノートe-POWERなどの100%モーター駆動車たちが、雪上でも涼しい顔をしてスイスイ走るのを体験してしまうと、もしかしたら雪のショートコースでの競走ならGT-Rといえども負けちゃうかも…などという思いが、ふと頭をよぎる。(特にこの後登場するノートe-POWER NISMO Sならあり得るか?)

しかーし、GT-Rの醍醐味は3.8L V6ツインターボエンジンが絞り出す最高出力570PS、最大トルク634Nmの大パワーと4WDを駆って、雪を蹴散らしながら進んでいく豪快な走り。

それに寄与するのが、車両前後の重量バランスをよくするためトランスミッションとデフ、クラッチや4WDシステムをまるごと後輪側に配置した、トランスアクスル レイアウト。さらに様々なセンサーの情報をもとに駆動力を的確に制御するアテーサE-TSも加わり、あらゆる路面での高い走行性能が可能なのだ。

そのおかげで、雪上のショートコースではコーナーでクルマを少々横に向けながら激走するという芸当も、安心してできてしまう。やはりGT-Rは、雪道でも安心して豪快に走ることのできるクルマの王者といえるのではないだろうか。(ただし雪山などは除く…本格SUVに敵わないため)

一般道路

そして最後は一般道を使って、4WDのエクストレイル、FFのセレナe-POWER、FFのノートe-POWER NISMO Sの3台に試乗。やや雪は少なかったものの、降雪地帯での使い勝手を確認した。

■エクストレイル

当然のことながら今回の試乗車の中で、雪深い地域にお住まいの方に間違いなくオススメできるのが4WDのエクストレイルだ。

圧雪路、凍結路、シャーベット路、雪のわだちなど、どんな路面状況でもあたり前のように走り抜け、恐怖心さえ感じさせない無敵なタフさを持っている。さすがのGT-Rも雪山などでは、エクストレイルの走破性には敵わないだろう。

それを実現するのが、あらゆる路面に対応する電子制御4WDシステムの「インテリジェント 4×4」。アクセル操作に対し、コンピュータが各種センサーの情報をもとに走行状況に応じて前後トルク配分を100:0から約50:50に切り替えて、滑りやすい路面でも安定した走りを可能とする。

さらに雪によるデコボコ道など車体の上下動を予測し、駆動力とブレーキを制御することで車体振動を低減する「インテリジェント ライドコントロール(車体振動抑制システム)」が乗り心地を高めてくれるため、街中の一般道から山道まで安心感のあるドライブを満喫できるのだ。

■セレナe-POWER

実をいうと今回の試乗車の中で最も雪を苦手とするのが、ミニバンのセレナe-POWERではないかと考えていたのだが、前出のノートe-POWERでも書いたとおり100%モーター駆動車は雪道との相性がいいため予想以上に快適な走りができた。

ただし、いい点ばかりを書いても参考にならないので気になったところも指摘するが、背が高いミニバンのせいか凹凸のある雪道では、何となく車体(特に床下)がねじれるような剛性不足を感じたのも正直なところ。

さらにいえば、街中などではスイスイとよく走るのだが、個人的には高速道の追い越しなどのイザというときに「e-POWER」らしいパワー感が、もう少しあってもいいような気がする。

とはいえ、これも「e-POWER」など日産の100%モーター駆動車に対する期待値の高さ所以なのかも知れない。

■ノートe-POWER NISMO S

そして、この日産のホットハッチともいうべき、走りが楽しいFFのノートe-POWER NISMO Sも個人的に大好きなクルマだ。

毎年、春に行なわれる日産のクルマが集結した「オールラインナップ試乗会」では、GT-R(NISMOも含む)、フェアレディZ NISMOと併せて、私が必ず試乗するモデルとなっている。

ちなみに、ノートe-POWER NISMOには最後に「S」の付かないモデルもあるのだが、さらにパワートレインに専用チューニングを施し、ボディ補強や専用サスペンションなどを採用したノートe-POWER NISMO Sのほうが、元気いっぱい走ることができて大好物なのだ。

そんな元気な走りに拍車をかけてくれるのが、アクセルペダルだけで加減速のコントロールが可能なワンペダルドライブの「e-POWER Drive」。さらに、回生(減速)を強めてくれるBレンジを選択すれば、なお一層楽しいスポーツドライビングが堪能できるのはご存知のとおり。

ということで、ドライブモードを「NORMAL」や「S」にしてBレンジで雪道を走ってみたのだが…なんとなくいつもより後輪の落ち着きがないような気がする。いや通常の雪の路面なら問題ないのだが、アイスバーン状の滑るような路面だと回生時にリアが安定しない(ような気がする)。

もちろん、リーフなんかの後輪も含めた4輪で制動力を発揮してくれる「e-Pedal」と比べると、駆動輪(前輪)でしか回生ブレーキを行なわないため、低μ路では安定しないのは分かるのだが…。

試乗後、日産の資料によるとノートe-POWER NISMO Sの場合、雪道走行に最適なのは「ECO」ドライブモードのBレンジだということが発覚。(「NORMAL」と「S」ドライブモードしか試していない)

う〜ん、先に言ってよ。時間が限られた試乗で、NISMOバージョンを「ECO」モードで乗ろうと思わないよね…などといいながら、電動駆動、エンジン駆動に加えFFやFR、4WDといった個性あふれる様々な日産車を十二分に堪能した1日であった。

■関連情報
http://www.nissan.co.jp/

撮影:森井真弓(人物、走行シーン)

文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。

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