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60歳以降も働きたいと思う理由、3位生活の質向上、2位健康維持、1位は?

2020.02.29

60歳になったらすっぱり仕事を辞めて、優雅なセカンドライフへ……というのは、昔の話。人生100年時代の今は、高齢者も積極的に仕事をするのが当たり前になっている。

そこで今回、日本労働組合総連合会による「高齢者雇用に関する調査」が行われたので、その結果を紹介していきたい。

なお本調査は、全国の45歳~69歳の有職者1,000名を対象に、2019年12月18日~12月20日の3日間でインターネットリサーチにより実施された。

60歳以上の働き方 労働時間は平均6.8時間/日、労働日数は平均4.5日/週、賃金は平均18.9万円/月

全国の45歳~69歳の有職者(パート・アルバイトを含む被用者)1,000名(全回答者)を対象に、高齢者が働くことについてどのように考えているのか、高齢者雇用に関する意識や実態について尋ねる調査が行われた。

まず、59歳以下の人(600名)に、現在の仕事の内容を尋ねる調査が行われたところ、「事務・オフィスワーク」(32.0%)が最も高く、「製造・工場・倉庫」(12.3%)、「医療・介護・福祉」(10.7%)が続いた。

同様に、60歳以上の人(400名)を対象に、現在の仕事の内容を尋ねる調査が行われたところ、こちらも「事務・オフィスワーク」(30.3%)が最も高く、次いで、「医療・介護・福祉」(9.3%)、「サービス・警備・清掃」(8.8%)となった。

また、60歳以上の人(400名)を対象に、1日あたりの労働時間を尋ねる調査が行われたところ、「8時間」(42.0%)に最も多くの回答が集まり、平均は6.8時間だった。雇用形態別に労働時間の平均をみると、正規雇用者は8.0時間、正規以外の雇用形態で働く者は6.3時間だった。

加えて、1週間あたりの労働日数を尋ねる調査が行われたところ、「5日」(54.5%)に最も多くの回答が集まり、平均は4.5日だった。雇用形態別に労働日数の平均をみると、正規雇用者は4.9日、正規以外の雇用形態で働く者は4.3日だった。

1ヶ月の賃金(税込)を尋ねる調査が行われたところ、「5万円~10万円未満」(20.0%)や「15万円~20万円未満」(19.3%)、「20万円~25万円未満」(20.5%)などに回答が分かれ、平均は18.9万円だった。雇用形態別に平均をみると、正規雇用者は33.1万円、正規以外の雇用形態で働く者は13.0万円だった。

「職場にいる60歳以上の従業員・職員とコミュニケーションを取れている」 販売職で顕著

次に、60歳以上の従業員・職員との関係について質問が投げかけられた。

59歳以下の人(600名)を対象に、自身の職場に60歳以上の従業員・職員がいるか尋ねる調査が行われたところ、「いる」は80.3%、「いない」は19.7%となった。

職種別にみると、自身の職場に60歳以上の従業員・職員がいると回答した人の割合は、製造・工場・倉庫(87.8%)やサービス・警備・清掃(81.3%)、IT・エンジニア(80.6%)で8割以上となった。

では、職場にいる60歳以上の従業員・職員と上手くコミュニケーションを取ることはできているのだろうか。

自身の職場に60歳以上の従業員・職員がいる人(482名)を対象に、60歳以上の従業員・職員とコミュニケーションを取れているか尋ねる調査が行われたところ、「取れている」は88.2%、「取れていない」は11.8%で、大多数がコミュニケーションに問題はないと感じていることがわかった。

職種別にみると、コミュニケーションを取れていると回答した人の割合は、販売(96.8%)や営業(91.1%)、医療・介護・福祉(90.2%)で9割を超える結果となった。また、参考値(n数が30未満のため)だが、サービス・警備・清掃は96.2%だった。

60歳以降も働くシニアの仕事満足度 「働き方満足度」は70.3%、「賃金満足度」は44.0%にとどまる

続いて、60歳以上の人(400名)を対象に、現在の仕事についての満足度を尋ねる調査が行われた。

「満足している」と回答した人の割合をみると、【働き方】では70.3%、【労働時間】では73.8%、【労働日数】では73.3%、【仕事内容】では71.5%と、いずれも満足している人が多数派となった。しかし、【賃金】では44.0%と半数以下となっていた。60歳を迎えて以降も働くシニアは、自分らしく働くことができていると感じているものの、賃金には納得していないということがうかがえる結果となった。

60歳以降も働きたいと思う理由 1位「生活の糧を得るため」2位「健康を維持するため」

全回答者(1,000名)を対象に、今後、何歳まで働きたいと思うか尋ねる調査が行われたところ、平均は67.4歳となった。

回答者の年齢別にみると、働きたいと思う年齢の平均は、45歳~49歳の人で66.3歳、50歳~54歳の人で66.2歳、55歳~59歳の人で65.7歳、60歳~64歳の人で67.8歳と、60代後半となった。また、65歳~69歳の人では平均年齢は71.1歳という結果だった。

では、60歳以降も働きたいと思うのはどのような理由によるのだろうか。

60歳以降も働きたいと思っている人(936名)を対象に、60歳以降も働きたいと思う理由を尋ねる調査が行われたところ、「生活の糧を得るため」(77.0%)が最も高く、次いで、「健康を維持するため」(46.2%)、「生活の質を高めるため」(33.9%)、「働くことに生きがいを感じているため」(28.8%)、「仕事を辞めてもやることがないから」(24.9%)となった。金銭面や健康面が理由となっているケースが多いようだ。

回答者の年齢別にみると、「健康を維持するため」や「勤務先から継続して働くことを望まれているから」などは年齢が上がるほど高い傾向がみられ、65歳~69歳の人で「健康を維持するため」は59.3%、「勤務先から継続して働くことを望まれているから」は26.1%となった。

高齢者が働くと現役世代にどのようなメリットがある? TOP2「人手不足を補える」「スキルを伝承できる」

全回答者(1,000名)を対象に、高齢者が働くことによって、現役世代にはどのようなメリットがあると思うか尋ねる調査が行われたところ、「現役世代の人手不足を補っている」(46.0%)が最も高く、次いで、「技術・スキルが伝承される」(42.9%)、「長く続けることができる仕事だと認識できる」(31.3%)、「コミュニケーションが活性化する」(26.0%)、「人脈が活用できる」(19.5%)となった。

近年、深刻な人手不足が問題視されているが、高齢者が働くことで、人手不足を緩和することができると感じている人が多いようだ。

男女別にみると、「技術・スキルが伝承される」(男性52.2%、女性33.6%)では女性と比べて男性のほうが18.6ポイント高く、「長く続けることができる仕事だと認識できる」(男性24.4%、女性38.2%)では男性と比べて女性のほうが13.8ポイント高くなっていた。

また、高齢者がやりがい・働きがいを持って働き続けるには、どのような配慮が必要だと思うか尋ねる調査が行われたところ、「労働時間・日数への配慮」(71.9%)が最も高く、次いで、「十分な賃金の保障」(68.0%)、「仕事内容への配慮(例:現役時代の経験などが活かせる仕事の提供など)」(49.0%)、「職場の理解(例:現役世代の理解など)」(47.1%)、「健康への配慮(例:健康管理講習の実施など)」(42.6%)となった。

回答者の年齢別にみると、「職場の理解」(59歳以下の人49.3%、60歳以上の人43.8%、以下同順)や「負荷低減への配慮」(41.2%、34.0%)、「心理的ストレスへの配慮」(32.3%、26.3%)、「介護への配慮」(25.5%、17.5%)は59歳以下の人のほうが5ポイント以上高く、「労働時間・日数への配慮」(69.7%、75.3%)や「健康への配慮」(40.0%、46.5%)は60歳以上の人のほうが5ポイント以上高くなった。

65歳以降の適切な働き方、労働時間は平均5.4時間/日、労働日数は平均3.9日/週、賃金は平均16.8万円/月

全回答者(1,000名)を対象に、65歳以降の適切な働き方について尋ねる調査が行われた。

1日あたり何時間程度働くことが適切だと思うか尋ねる調査が行われたところ、「5時間」(28.9%)に最も多くの回答が集まったほか、「4時間」(16.2%)や「6時間」(15.0%)、「8時間」(17.6%)にも回答がみられ、平均は5.4時間だった。

1週間に何日程度働くことが適切だと思うか尋ねる調査が行われたところ、「3日」(30.1%)や「4日」(30.0%)、「5日」(32.1%)に回答が集まり、平均は3.9日だった。

1ヶ月あたりの賃金(税込)はいくらくらいが適切だと思うか尋ねる調査が行われたところ、「5万円~10万円未満」(20.9%)や「10万円~15万円未満」(20.2%)、「15万円~20万円未満」(15.4%)などに回答が集まり、平均は16.8万円だった。

65歳以降の適切な働き方に関する意識について、回答者の年齢別にみると、【1日あたりの労働時間】の平均は45歳~64歳の人で5.3時間、65歳~69歳の人で5.8時間。【1週間あたりの労働日数】の平均は45歳~64歳の人で3.9日、65歳~69歳の人で4.1日となった。

すでに65歳を迎えて仕事をしている人のなかには、現役世代が考える以上に働けると実感している人が多いのではないだろうか。

また、【1ヶ月あたりの賃金】の平均は45歳~64歳の人で16.9万円、65歳~69歳の人で16.3万円と、65歳~69歳の人が考える金額のほうが低い結果となった。

65歳以降、どのような働き方を希望するか? 1位「現役時代と同じ会社で正規以外の雇用形態で働く」

65歳以降も働きたいと思っている人はどのような働き方をイメージしているのだろうか。

今後、65歳以降も働きたいと考えている人(780名)を対象に、65歳以降、どのような働き方を希望するか(または希望していたか)尋ねる調査が行われたところ、「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正規以外の雇用形態で働く」(42.4%)が最も高く、次いで、「現役時代と同じ会社(グループ含む)で正社員として働く」(33.1%)、「現役時代と異なる会社で正規以外の雇用形態で働く」(21.2%)、「現役時代と異なる会社で正社員として働く」「会社をやめてフリーランスとして働く」(いずれも12.1%)となった。

自身が現役時代に勤めていた会社で働き続けたいと考えている人が多いようだ。

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