思ったよりも普通に撮れるカメラ、おサイフケータイ対応もうれしい
コンパクトモデルゆえにカメラ性能にはあまり期待していなかったが、想像よりは普通に撮れるという印象を受けた。スペック的には、1600万画素でF値は2.0とレンズも意外と明るい。フラッシュも搭載している。とはいえ、ハイエンドモデルやカメラに強いミドルレンジモデルと比べると、やはり撮影のシチュエーションは選ぶ。特に暗所は、ノイズが多く、のっぺりした印象の絵になりがちだ。光学式の手ブレ補正もないため、暗い場所ではブレも目立つ。
明るめの室内では比較的しっかり撮れている一方で、暗所には弱い。メモ用などに割り切って使いたい
独自のユーザーインターフェイスは、好みが分かれるところかもしれない。Rakuten Miniのホーム画面は、一般的なAndroidとは異なり、縦にアプリが並んでいく。しかも並べられるアイコンの数が、2つ、3つ、2つと変則的で整理がしづらい。Androidで一般的な、ドロワーも備えていないため、アプリが増えてくるとフォルダを作って管理する必要があり、少々面倒だ。もっとも、Rakuten Miniのストレージは32GBと少なく、あまり多くのアプリはインストールできない。画面サイズやパフォーマンスを考えると、ゲームのようなアプリにも不向きで、そこまでアイコンは増えない可能性もある。
このサイズながら、おサイフケータイに対応したのは評価したいポイントだ。おサイフケータイはカードエミュレーションという仕様があり、利用時にディスプレイを点灯させる必要がない。先に挙げたように、ポケットに収納しやすいRakuten Miniなら、サッと取り出して決済を済ませることが可能。あたかもカード型の電子マネーのように利用できるというわけだ。
iDやQUICPay、モバイルSuicaはもちろん、、Androidであれば楽天Edyやnanacoなども利用できる。メインのスマホがおサイフケータイに対応していない時などに、サブのキャッシュレス決済用端末として活用するには最適だ。このように見ていくと、Rakuten Miniは、2台目端末としての方が活躍の余地が大きい端末と言える。サイズがコンパクトなため、追加で懐に忍ばせておいても苦にならない。楽天モバイルは新規参入のキャリアで、サービス開始時のエリアはどうしても大手3キャリアより見劣りする。その意味でも、サブ端末として持つのが現実的な解と言えそうだ。
【石野’s ジャッジメント】
質感 ★★★
持ちやすさ ★★★★★
ディスプレイ性能 ★★★
UI ★★★
撮影性能 ★★★
音楽性能 ★★★★
連携&ネットワーク ★★★
生体認証 ★★★
決済機能 ★★★★★
バッテリーもち ★★★
*採点は各項目5点満点で判定
取材・文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。