◆ ITジャーナリスト富永彩乃と、携帯電話研究家の山根康宏”博士”がモバイルの最新製品をビデオで解説
今回はKDDIから発表された折りたたみ型スマートフォンの新しい形、縦に曲げられるサムスンの「Galaxy Z Flip」を紹介する。2月11日にサンフランシスコで開催されたグローバル向け発表会の様子も動画で一部紹介しよう。
サムスンの画面が折りまげられるスマートフォンは、約1年前の2019年2月に発表された「Galaxy Fold」が最初の製品だった。Galaxy Foldはタブレットを真ン中から左右に折りまげると細身のスマートフォンスタイルになるという製品だった。一方今回発表されたGalaxy Z Flipは6.7インチディスプレイのスマートフォンを、真ん中から縦に折りまげることができる。ディスプレイの曲がる方向が左右、上下とそれぞれ異なるのだ。
Galaxy Z Flipの本体サイズは開いた時が、閉じたときがとなる。閉じれば片手でも持てる小さいサイズになるのが特徴だ。そして開けば6.7インチの大画面スマートフォンとなる。最近のスマートフォンは大画面化により本体も大型化が進んでいるが、Galaxy Z Flipならば使わないときは閉じることでポケットやバッグに収納して手軽に持ち運ぶことができる。「大画面なのに小さくできる」これが縦折りスタイルのスマートフォンの最大の特徴だ。
この形状は日本でも昔、誰もが使っていた「ガラケー」にも似ている。しかしGalaxy Z Flipにはワンプッシュオープンボタンは無いし、本体の開閉は片手で行うよりも両手を使ったほうがよさそうだ。
さてGalaxy Z Flipは完全に開く、完全に閉じる、以外の形で使うこともできる。たとえば本体を半分に折った状態でも使えるのだ。この形状は「フレックスモード」と呼ばれ、たとえばフロントカメラを使って自撮りをするときは画面上半分だけがカメラプレビューモードになる、専用のユーザーインターフェースとなる。動画を見るときもこのスタイルならスマートフォンスタンドなども不要で使いやすそうだ。
さてこれまで日本のキャリアのスマートフォンの発表は、春や秋に各キャリアが新製品発表会を行い、各メーカーの最新製品をまとめて紹介することが多かった。しかしKDDIは海外で発表された魅力的な製品をいち早くユーザーに届けるため、Galaxy Z Flipは異例ともいえる単独での製品発表が行われたのだ。
KDDIは2019年に5G時代を見据えた「au UNLIMITED WORLD」というコンセプトを発表。今までには無いスマートフォン体験を消費者に提供しようと考えている。その中には「今までには無かった、新しい概念のスマートフォンの提供」も含まれているのだ。Galaxy Z Flipは確かに他社にはない全く新しいスタイルの製品で、au UNLIMITED WORLDのコンセプトに合致したスマートフォンと言えるだろう。
KDDIはこのGalaxy Z Flipの発売に合わせ、新しい買い方プラン「かえトクプログラム」も発表した。これは2年後の残渣分をあらかじめ割り引いた価格を24回払いで支払うというもので、自動車ではよくある販売方法だ。Galaxy Z FlipのKDDI価格は税込み17万9360円だが、かえトクプログラムなら残渣分が5万9760円となり、その分を引いた11万9600円を24回払いで支払えばよい。つまり月々5000円弱で買える。
Galaxy Z Flipは最新のディスプレイ技術を搭載した製品だが、折りたたみ式で光沢感ある本体仕上げは上品でもあり、その外観で選ぶ製品とも言えるだろう。スマートフォンの新しい使い方を体験したい人は、ぜひKDDI / auのお店で実物を触って試してみよう。
ITジャーナリスト富永彩乃 WEBサイト http://ayanotominaga.com
携帯電話研究家山根康宏WEBサイト http://www.hkyamane.com/