今年も花粉のシーズンがやってきた。目のかゆみ、鼻水、くしゃみなどの症状を今すぐ止めたい人も多いだろう。そんな花粉症に苦しむ人に対し、最新の対策グッズや対処方法を紹介。本特集の〝花粉症改善メソッド〟を実践し、スッキリとした気分で春を迎えよう。
花粉症患者数の激増で個人の対策が重要に!?
花粉症に苦しむ人は、年々増加している。東京都健康安全研究センターの調べでは、東京都の花粉症推定有病率は48.8%。2人に1人の計算だ。有病率はさらに増える可能性も否めないと花粉症の権威である大久保先生は話す。
「新たに花粉症が発症するかどうかは体質だけでなく〝タライ〟ともいえる体のコンディションが大きく左右します。睡眠はバッチリで、ストレスなくバリバリ仕事をしている人は〝タライ〟が大きくなっているため、新たに発症する可能性は低いでしょう。逆に、疲労や睡眠不足でコンディションが低下しがちな人は〝タライ〟が小さくなっているので要注意です」
患者数が増えるほど、当然、通院する人も多くなる。待ち時間や予約の手間などを考えれば、個人レベルでの対策を万全にし、少しでも症状を和らげたいところだ。
「例えば、食べ物のアレルギーならそれを摂取しなければいいのですが、花粉は大気中を飛来しているので避けようがありません。外出時にはできるだけ花粉を体内に取り込まないよう服装に気を配ること。さらに、自宅に帰ったら全身の花粉を払い落とし、入浴して洗い流すようにしましょう」
日本医科大学付属病院
耳鼻咽喉科・頭頸部外科
大久保公裕教授
1988年、日本医科大学大学院修了。同大学耳鼻咽喉科 講師、同大学付属病院耳鼻咽喉科 助教授を経て、2010年より現職。
重症化も進む花粉症。私生活に様々な支障が!
東京都内のスギ花粉症推定有病率
花粉症患者に起こるプレゼンティーズム
□勉強、仕事、家事などの生活への支障がある人……58.2%
□仕事のパフォーマンスが「落ちる」人……57.3%
□くしゃみや鼻をかむことで仕事の手が「止まる」人……61.4%
□集中力低下を感じる人……58.8%
※ノバルティス ファーマ調べ http://www.novartis.co.jp
東京都内のスギ花粉症推定有病率は、10年ごとの調査で毎回約10%多くなっており、2006年から2016年では20%も急増。花粉症により仕事や私生活に支障を感じる人は多く、対策は急務といえよう。
2020年春における花粉量は少なめだが油断は大敵!
2020年の花粉量は、北海道や東北を除き、ほぼ例年以下の見込み。ただし、花粉を多く発生させる樹齢30年以上のスギが今後急増する模様。正しい知識と万全の対策方法が欠かせない。
2020年春の花粉予想
※「2020年 春の花粉飛散予測」は日本気象協会調べ。「スギ・ヒノキ人工林の年齢別面積」は林野庁調べ
スギ・ヒノキ人工林の年齢別面積
取材・文・撮影/編集部 イラスト/川崎敏郎 図版/平沢 剛