インテリアでは、クロスター専用のプライウッド調パネルを採用するとともに、専用コンビシートに汚れの目立ちにくいデジタル柄を採用することで、アウトドアの非日常感を表現している。
高速道路をクルージングするフリード+HYBRID G Honda SENSINGは快適そのものだ。乗り心地は以前よりマイルドで上質。エコモードスイッチとなるECOをONにすれば、燃費が向上するだけでなく、自然と加速が穏やかになるため、HVカーならではのモーターアシストによるスムーズな加速性能、しっかりとした足回りがもたらす前後・左右の姿勢変化の少なさ、フラットライドな乗り心地もあって、乗員はもちろん、車内でどこかにつかまれない犬も、高速道路、山道を含め、実にリラックスしたドライブを楽しめたのである。
コンパクトで扱いやすいサイズを生かし、都市生活にはもちろん、アウトドアライフにもうってつけのフリード+は、大容量ワゴンとしての機能性も抜群だ。上下2段で使えるラゲッジルームの上段、リバーシブルのユーティリティボード(フロア地上高73cm、フロア奥行き89cm、フロア幅127cm、天井高97.5cm、耐荷重200kg)、に犬が乗り、荷物は下段(フロア地上高33.5cm、奥行き100cm、幅67cm、高さ)のアンダーラゲッジスペースにすっきり収納することができる。一般的なワゴンで後席まで人が乗車する場合は、ラゲッジルームに犬と荷物が同居することになり、いろいろと工夫が必要だが、上下2段のラゲッジスペースによって、犬の乗車場所と荷物の置き場を上下に分けられるから、愛犬家の使い勝手もまた、文句なしである。
そう、フリード+はシートアレンジ性も抜群で、耐荷重200kgのユーティリティボード上段と、後席を格納し、前席を前倒ししたフロアをつなげれば、ゆとりあるリビング&ベッドスペースが出現し、車中泊も可能になり、ちょうど前倒しした前席背面が、ソファの背もたれ的角度になるのもリラックス度を高める決め手となる。
ホンダ純正アクセサリーのラゲッジクッションマット(折り畳み式なので、使わないときはコンパクトに収納可)をジャストサイズに敷けば、あっと言う間にセミダブルサイズのベッドルームに変身するのだから、フリード+の楽しみ方は多彩。フリード+専用に開発され、ジャストフィットする、フロント、サイド、リヤウインドーをかんぺきに覆ってくれる、脱着も簡単なプライバシーシェードをフィッティングさせれば、まさにプライパーシーが守られるプライベートスペースになりうる。サイド部分にはのぞき窓もあり、外の様子を確認できるから便利で安心だ。室内をリビング化、ベッドスペース化しても、ユーティリティボード下段に大容量のスペースがあるから、荷物の置き場にもまったく困らないのである。
ホンダ・フリード+は、今や国産車では希少な存在となった大容量収納力を持つコンパクトワゴン。普段使いにジャストなサイズ、走行性能の良さ、燃費性能の良さ、自由自在のシートアレンジ性、荷物の積載性など、完璧と言っていい1台だ。そのクロスターともなれば、流行のSUVテイストまで備えているのだから、アウトドア派、愛犬家にも最適なユーティリティカーそのものである。
ホンダ・フリード
https://www.honda.co.jp/FREED/
写真 雪岡直樹 福永仲秋
文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。