スマホを扱う際によく耳にする「OS」という単語をご存じだろうか。知らなくても問題なくスマホを扱うことはできるが、よりスマホを使いこなし、自分に合ったカスタマイズをするためには欠かせない知識だ。今回はそんなスマホのOSについて解説していく。
スマホの「OS」とは
スマホだけでなくパソコンやタブレットにも搭載されているOS。そんなOSとは、簡単にいえば、「スマホやパソコンの基本動作を司る脳みそ」のようなものだ。スマホ画面をタップするとアプリが起動する、パソコンのキーボードを打つと文字が入力されるなど、普段当たり前だと思っている機能は「OS」あってこそのものなのだ。
スマホのOSは何の略称?
OSとは、英語で「Operating System」(オペレーティングシステム)の略称で、直訳すると「動作システム」となる。つまり、スマホなどを通常通りに動作させるシステムがOSだ。
スマホのOSはどれくらいの種類がある?
スマホに搭載されるOSは、実はかなりの種類がある。パソコンのソフトとして有名な「Windows」のスマホ版OS「Windows Mobile」や、物理キーボード搭載のスマホにこだわる「BlackBerry」が展開する「BlackBerry OS」などがそうだ。
しかし、世界のシェア率の90%はAppleが提供する「iOS」とGoogleが開発した「Android OS」の2種類が占めている。
「iOS」と「Android OS」の違いは?
では一体、「iOS」と「Android OS」は何が違うのだろうか。
「iOS」と「Android OS」は、スマホの脳みそとして動作を支えるという点では同じだ。しかし、ゲーム機でいえば、「PlayStation 4」と「Nintendo Switch」のようなもので、その中身は全く異なる。PlayStation 4でしかできないゲーム、Nintendo Switchでしかできないゲームがあるように、それぞれのOSでしかできない操作や使えないアプリが存在する。
iOSの特徴と便利機能
「iOS」とはAppleが提供している、iPhoneなどのApple製品に搭載されているOSで、Apple製品上でしか動作しない。そんなiOSの特徴は「わかりやすく、快適な動作」が行える点。スマホを初めて持ち方でも、iOSの指示通りに動かせば、快適かつ簡単にiPhoneを扱えるだろう。さらに、「MacBook」や「AppleWatch」などとの互換性が高く、周辺機器をApple製品で統一することで、データのやり取りなどが簡潔に済ませられる。ちなみに、同じくApple製品の「iPad」には、もともとiOSが搭載されていたが、近年は専用の「iPad OS」が搭載されている。iOSとの互換性も良く、より使いやすい仕様に進化している。
Android OSの特徴と便利機能
「Android OS」とは、Googleが開発したOSで、主にスマホやタブレットに搭載されている。アップグレード可能かつ無償で提供されているため、様々な会社がスマホに組み込んでおり、これらの端末が総称して「Android」と呼ばれている。Android OSの特徴は「自由度が高い」ということ。Web上のアプリを直接ダウンロードできたりと、自分好みにスマホをカスタマイズできるのが魅力だ。
第3のOSとなるか!? Huaweiが独自OSを開発
中国の「Huawei」は、これまでAndroid OSを搭載したスマホを扱ってきたが、アメリカからの禁輸措置によって、今後Googleとの取引ができなくなる可能性がある。そのため、独自のOS「HarmonyOS」を開発し、すでに発表済みだ。世界的にも高いシェア率を誇るHuaweiは、独自OSをもってしてもシェア率を伸ばしていけるのかに注目が集まっている。
【iOS】【Android OS】それぞれのメリットとデメリット
ほとんどの人がそのどちらかを利用しているであろう「iOS」と「Android OS」。ここからはそんな2大OSを利用するメリットとデメリットを紹介していこう。
互換性抜群でサクサク動く!? iOSのメリット
iOSを利用するメリットは、やはり周辺機器との互換性の高さだ。Appleが提供するスマホは「iPhone」の一択であるため、iOS搭載のスマホを使う選択肢はiPhoneを購入する以外にない。つまり、周辺機器もiPhoneという1つのブランドに合わせたものだけを開発すれば良くなるので、多種多様な機器がリリースされている。iPhoneのスマホケースはAndroidのものと比べ圧倒的に豊富な種類をそろえているのが、その最たる例だろう。
Android端末は多くの会社の端末に搭載されているため、各会社が初期アプリをダウンロードした状態で発売される場合が多い。しかしiOSはApple製品にしか搭載されていないので、無駄を省いたシンプルな構造をしているためか、スマホ自体の動作が比較的サクサクと快適である。さらに、OSのアップデートもおよそ4年ほど対応してくれるため、常に最新バージョンの”脳みそ”が搭載されたスマホの利用が可能。ストレスなくスマホを扱いたい人にはおすすめだ。
iOSのデメリットとは?
iOSのデメリットは、Appleが想定した利用法から大きく外れたカスタマイズなどが難しい点だろう。さらに、USB経由で接続できる機器やSDカードなどの外部ストレージの選択肢が限定的なのもデメリットといえる。自由にスマホをカスタマイズしたい人には向かないかもしれない。
自由にカスタマイズし自分だけのスマホを! Android OSのメリット
Android OSのメリットは、Googleが無償で提供しているがゆえに各社でユニークなカスタマイズが施され、多くの端末がリリースされているので、自分に合った価格や機能性から選べるという点。同じくらいの価格で販売されている端末でも、会社によって動きや初期アプリに違いがあるのが特徴だ。Web上のアプリを直接インストールしたり、外部SDカードで容量を拡張したりと、購入後も独自のカスタマイズができるので、世界に1台だけのスマホを作れる。
Android OSのデメリットとは?
Android OSのデメリットは、無償で配信され、自由度が高すぎるがゆえに、Android OS用のウイルスなども簡単に作成できてしまい、悪意のあるアプリがネット上に放置されてしまうなど、セキュリティ面でのリスクが伴ってしまう点。Android端末を利用の際は、セキュリティソフトをダウンロードしておくといいだろう。
また、端末によって、OSのアップデート保証期間が違ったり、購入後一度もアップデートがない場合もある。長い期間快適にスマホを利用したい人は、購入前に下調べをしっかり行うといいだろう。
※データは2020年2月中旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤 文彦