由緒正しきお寺に行っても参拝の仕方がイマイチよくわからなくて困った経験がある人は、案外多いのではないだろうか。
寺は神社と違い、神様のいるところではなく、仏教の仏様を参拝するもので、僧侶がおりお墓や仏像がある施設を指す。
家族や恋人と一緒にお寺に行った時も恥ずかしくない、お寺の参拝方法の原則をまとめた。
お寺の正しい参拝方法は?
寺の門でまず一礼をして参道に入る。この時、参道は原則的にどこを通ってもよい。
次に手水舎で杓子を手に取り、手と口を清める。
常香炉があれば、仏様にお香のお供え物をしてその煙で身を清める。
そこから本尊へと移動し、参拝となる。
仏教では参拝を「修行」と考えており、お賽銭は仏様へのお布施となる。
お布施となるお賽銭は大切にそっと投げ入れ、鈴を3回鳴らして両手を合わせて祈願する。
この時、手を叩かないのがポイントとなる。
手を合わせたまま深くお辞儀をし、一例をして参拝は終了となる。
お寺の参拝で願い事ってしていいの?
仏様の前では、以前訪れた時の報告や、感謝を忘れないようにしたい。
まず心の中で、住所、氏名を唱え、仏様への感謝をし、1つだけ、心を込め家族の健康を願ったり、良縁があるようお願いをする。
お寺の参拝にかかるお金はいくら?
5円玉が「ご縁」にかかっていて良い、語呂合わせや縁起の良い数字が良いなど、さまざまな知見があるが、お寺での参拝のお賽銭は、自分がお布施として仏様に渡すことに納得できるかどうか。気持ちよく出せる金額を出すとよいだろう。
お寺の参拝にいい時間ってあるの?
もともと近所の人が集まるコミュニティースペースとしての機能もあったことから、24時間お参りが可能なお寺もある。
しかし、設備の都合で僧侶が常駐しないなど、防犯上の都合で夕方6時には門が閉まってしまうところもある。
また、宗派やお寺によっては行事が異なる場合もあり、「御開帳」と呼ばれる決まった時期だけ秘仏の参拝が可能となることもあるので、注意したい。
お寺を参拝する時に鈴はどうする?
お寺の参拝場所についている鈴や鰐口。これは仏様に参拝に来たことを伝える、いわば「インターホン」のようなものだ。
参拝場所に鈴がついている場合は3回鳴らすとよいとされている。
お寺を参拝する時に帽子は被っていても良い?
せっかく仏様に会うのだから、基本的に脱帽がマナーとはなるが、祈る心が大事という考え方もある。
「仏様に顔を見せる」ということを意識しよう。
初詣でのお寺の参拝の仕方は?
お寺での初詣は仏様へ新年のあいさつや、昨年の感謝をする場となる。
初詣に時間の決まりはないが、一般的に門松を取り外す1月7日の「松の内」までに行うと良いとされている。
神社でも寺院でも初詣で1年の平穏を祈願するのは可能だが、仏様への感謝を忘れないようにしよう。
お寺によって参拝方法に違いはあるの?
お寺による参拝方法の違いってあるの? と疑問を持った人も多いのでは。
実は仏様を参拝する気持ちが大事であり、参拝方法の違いはあまりない。
設備の問題で常香炉がないので、煙で身を清めるのを省く、冬場は手水舎の水が出ないので口と手を清めるのを省く、といったことは出てくる。
浅草寺の参拝方法は?
浅草寺はほかのお寺と基本的な参拝方法に違いはないが、雷門で一礼合掌して、仲見世に進むとよいだろう。
竜の口から水が流れる手水舎で手と口を清め、常香炉へ。そこで煙により身を清めたら、本堂で賽銭を入れ合掌して一礼する。この時、手をたたかないで祈願をする。
最後に仏様に一礼をすれば参拝は完了となる。
大須観音の参拝方法は?
愛知県にある大須観音はほかのお寺と基本的参拝方法に違いはないが、仁王門の前で合掌一礼し、入って右側にある手水舎で口と手を清めたい。
大須観音の手水舎は柄杓がないタイプとなる。常香炉の前ではろうそくと線香が売られており、1人1本を購入しろうそくで線香に火をつけ煙で身を清める。
本堂では賽銭箱に賽銭を入れることができ、鰐口を鳴らす。一礼をして合掌し感謝と祈願をし、また一礼をすれば参拝は完了となる。
お寺の参拝時間にベストタイミングってあるの?
仏様に祈る心が大切になるため、時間の制約はない。お寺によっては門が閉まってしまう時間があるため、早朝深夜は参拝ができない可能性がある。
京都のお寺の参拝時間は?
京都の寺院のほとんどが、9時から17時までの参拝。早朝6時から参拝が可能なのが清水寺や平安神宮だ。
夕方はほとんどの寺院が16時から17時に閉まってしまうため、日中に参拝する必要がある。
鎌倉のお寺の参拝時間は?
鎌倉の寺院は参拝時間に制限のないところと、朝9時から16時前後までの寺院がある。
例えば円覚寺の場合、寺事務所は16時に閉まってしまうが、参拝時間は自由となっている。
拝観料は100円から300円がかかるところが多い。
※データは2020年2月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
文/小林恵理子