今年も花粉症の季節が近づいている。止まらない鼻水とくしゃみ、つらい鼻づまりに目のかゆみ……こういった諸症状に悩まされ、仕事のパフォーマンスが落ちてしまうため、早くも憂鬱な気分になっている人もいることだろう。
そんな花粉症対策と仕事における生産性への影響に関する実態調査がこのほど、20歳~59歳の花粉症患者且つ有職者の男女603名を対象に行われたので、その結果を紹介していきたい。
マスク派は8割以上、一方で約4割が不満を抱えている
「花粉シーズンに、仕事中ご自身でどのような花粉対策を行っているか(複数回答可)」尋ねる調査が行われたところ、選択肢の中で最も多かったのが「マスク」で81.8%が回答した。
次いで「目薬」(60.0%)、「飲み薬」(50.1%)が人気の花粉対策だった。さらに、上記質問の回答者に「回答した花粉対策に満足しているか」と尋ねる調査が行われたところ、各花粉対策の満足度を計測した。
最も使用率の多かったマスクは37.3%が不満を抱えている結果となった。
花粉対策の出費が5000円以上の人が3割以上も存在
「2019年の花粉シーズンに、花粉症対策にどのくらいお金をかけた」と尋ねる調査が行われたところ、「1000円~3000円」という回答が36.3%で最も多かった。
5000円以上出費した人は32.2%もおり、花粉症の人にとって、費用面での負担の大きさが分かる結果となっていた。
花粉症によって、仕事に影響が出た人は約7割もいることが判明
「花粉症によって仕事に影響が出たことはあるか」と尋ねる調査が行われたところ、66.3%が影響が出たことがあると回答。
また、影響が出たことがあると答えた人を対象に「どのような症状が、あなたの仕事に影響を与えるか(複数回答可)」と尋ねる調査が行われたところ、「鼻水」と「目のかゆみ」が特に多くみられ、薬の副作用による眠気やだるさにも回答が集まった。
さらに、「花粉症があなたの仕事に与える影響は何か(複数回答可)」と尋ねる調査が行われたところ、「集中力が低下する」との回答は88.5%で、が最も高いスコアだった。
「花粉症によって仕事に影響が出たことがある」と回答した人を対象に「勤務時間のうち、どのくらいの時間、仕事に影響するか」と尋ねる調査が行われたところ、24.3%の人が5時間以上と回答した。
また、「花粉シーズンのうち、おおよそどのくらいの日数に影響があるか」と尋ねる調査が行われたところ、57%が1か月以上影響があると回答した。
花粉症が原因で出社をためらった人は6割以上 会社を休んだ人は1割も
花粉症による働く意欲への影響を調査するため「花粉症によって出社したくないと思ったことがあるか」と尋ねる調査が行われたところ、63.0%の人が「出社したくないと思ったことがある」と回答をした。
さらに、「花粉症によって出社できなかったことはあるか」と尋ねる調査が行われたところ、12.4%の人が「出社できなかったことがある」と回答をし、花粉症が働く意欲へ大きく影響を及ぼしていることが判明した。
さらに、年代別に着目をすると若い人ほど花粉症の影響を受けているという実態が明らかになった。
従業員の花粉対策を行う職場はわずか1割程度、6割が職場へ対策を希望
“健康経営”や“プレゼンティズム”といった企業が社員の健康を促進する潮流の中、「あなたの職場で、従業員のための花粉対策は行われているか」と尋ねる調査が行われたたところ、職場が花粉対策を行っているという回答はわずか13.8%だった。
また、「職場で、従業員に対して何らかの花粉対策を行ってほしいと思うか」と尋ねる調査が行われたたところ、60.9%が「はい」と回答し、従業員の意識と企業の実態とのギャップが顕在化する結果となった。
花粉症治療薬が保険適用外になった場合、約75%が通院をためらうと回答
昨年8月に健康保険組合連合会(健保連)が花粉症治療薬を一部保険適用外とする検討を行うことを発表した。
そのような中、保険適用外となった場合の影響を調査するため、「花粉症の薬が保険適用外になることによって、今後病院に行くことを躊躇するか」と尋ねる調査が行われたところ、74.6%が「病院に行くことを躊躇する」と回答した。
昨シーズン、花粉症で病院に行った人は41.1%もいることから、病院で処方される治療薬が保険適用外になれば、花粉症患者にとって大きな負担になる。今後手軽に使用できる花粉対策商品へ注目が集まることが予想される。
※エステー調べ
出典元:エステー株式会社
構成/こじへい