グラスじゃないよ、コップだよ!
この店では、すでに焼酎と梅シロップを混ぜたモノを作って一升瓶に入れて、壁際にズラッと並べて保存してあった。きっと混ぜて置いてある分、味はこなれているかもしれない。
それと、注文してから客の目の前で混ぜる一般的な店は、それほど焼酎梅割りの注文も多くないので、事前に混ぜておく必要性がないのかもしれない。
ところがこの店は、焼酎梅割りの注文がとんでもなく多いんだろうね、値段も一番安いし。
でも焼酎梅割りっていったら、アルコール度数もそうとう高い酒ですよ。それがガンガン注文されるって、強烈な店ですよ、本当に。
そして、オレの目の前に、すでに完成した焼酎梅割りが入った一升瓶がやってきた。目の前で混ぜるワケではないが、目の前でグラスに注ぐサービススタイルなのだ。
もちろんグラスの下には受け皿があって、一升瓶から流れ落ちる液体は、グラスを満たすだけにとどまらず、ちゃんと受け皿を満たすまで注がれる。
いやァ〜ただただ、うれしい。
それにもつ煮を合わせる。ただただ幸せ!
そんな梅割りも気付けば飲み干し、お代わりしようと思いつつ、念の為、再度品書きを見てみる。
すると! オレの好きなコイツが、もっとオレの好きなパターンになってるヤツを発見!
『大コップ梅割り(350円)』!
その横には“お得!”なんて書いてある!!
こんなのがありやがったかああああ! さっきまでこの原稿で、“グラス”なんて単語使って書いてたけど、そうだよ。そんな気取ったグラスなんて単語じゃねぇよ。“コップ”だよ、コップ!
これは当然頼むしかないでしょうよ。
いざ頼むとさっきの梅割りのコップの1.5倍は軽くある容量のコップが登場! いやぁ〜最初っからコレにしときゃあよかった!
『Iや』……一言で言えば、大宮に住む人がうらやましくなる店。
オレの中での埼玉VS千葉の戦いは、この店一軒の破壊力で、一気に埼玉がリードいたしました。
どうでもいい戦いではありますが。
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。