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2024年はうるう年で、2月29日の「閏日(うるうび)」が存在する。4年に一度訪れる閏日だが、「どうして存在するのか」「この日に入籍したらどうなる?」など、あらゆる疑問が浮かんでくる。
そこで本記事では、閏日の基礎知識を紹介した上で、閏日に関する疑問への答えを紹介する。また、あまり知られていない「閏秒」についての豆知識も紹介したい。
閏日とは?
まずは、教養として覚えておきたい閏日の基本から押さえていこう。
閏日の意味
閏日とは、暦と実際の季節とのズレを補正するために設けられた日のこと。
閏日が存在する年を「閏年(うるう年)」と呼び、閏日が存在する年(閏年)は1年が366日になる。
閏日の読み方
読み方は「うるうび」が一般的だが、「じゅんじつ」と読むこともあるようだ。
閏日はなぜあるのか?
暦のズレを補正するために設けられた日
現在、日本では太陽の運行と月の満ち欠けを基にする「太陰太陽暦(グレゴリオ暦)」が用いられている。この暦は季節とのズレが生じにくいものの、地球は「およそ365.2422日」で太陽を1周するため、どうしても誤差が生じてしまう。
そのため、4年に1度「閏日」を設けることで、この誤差を調整しているのだ。
4年に一度しかない閏日に関する素朴な疑問
閏年にしか存在しない2月29日。次に、そんな特別な日に関する疑問に答えていこう。
閏日2月29日が誕生日の場合、いつ祝うの?
4年に一度しか存在しない閏日が誕生日の場合、その扱いはどうなるのだろうか。実はその扱いは世界各国で異なっており、「2月28日」「3月1日」のいずれかを「みなし誕生日」としているようだ。
日本では、閏年・平年(閏年でない年)を問わず、2月29日生まれの人は「2月28日の24時」に加齢される。これは「満年齢、年齢計算ニ関スル法律」に記載されている正式なものだ。ちなみに、香港やイギリスなどでは、日本とは異なり3月1日を加齢のタイミングとしているそう。
2月29日生まれの方の場合、閏年の場合には「2月29日」に、平年の場合は「2月28日24時以降」に誕生祝いをすると良いだろう。
閏日に入籍した場合どうなる?
日本では、「入籍日は婚姻届の提出日」とされている。「中には4年に一度だけお祝いすればいいのでは」と考える方もいるかもしれないが、2月29日に婚姻届を出した場合も「みなし」が適用され、2月28日の24時(=3月1日の0時)が入籍日となる。そのため、2月29日に婚姻届を提出した夫婦は、2月28日・3月1日のいずれかを結婚記念日としているケースが多いようだ。
2月29日生まれになる確率は?
閏日は4年に一度しか存在しないため、2月29日が誕生日になる確率はかなり低い。計算式は以下のようになる。
・365日×4年+1=1461日
・1日÷1461日=0.000664
・0.0664%
本来、誕生日が決まる確率は「1/365=0,00273972=0.27%」であるため、閏日生まれは”かなり貴重”であることがわかる。
閏日だけじゃない 閏秒もあるって知ってた?
実は閏年・閏日だけでなく「閏秒」が存在することをご存知だろうか。協定世界時 (UTC)の誤差を修正するために存在する閏秒は、1972年に始まり2020年現在までに合計27回存在した。ちなみに、直近で閏秒が追加されたのは「2017年の1月1日」だ。
閏秒はいつ追加されるか決まっていない?
「閏年は4年に一度2月29日」と決まっているが、閏秒には決まった日時は存在しない。第一候補は6月と12月、第二候補は3月と9月に決まられているが、必要があればそれ以外の月の「末日最終秒」を1秒追加するか削除される。ただし、現在までは「1秒の追加」以外、つまり「削除」は行われていないようだ。
どうしてうるう秒があるの?
1958年から、”原子の振動”を基にする「国際原子時」が開始されたものの、月の引力の影響で地球の自転が遅くなり、ズレが生じることがあるという。
地球の自転・公転を基にし、かつて用いられていた「天文時」と原子時計に基づく時刻のズレを「0.9秒以内」におさめるために、閏秒で調整を行っているようだ。
名前は似ているけど閏年とは関係ない!?
閏年の概念は、古代ローマでユリウス暦が用いられるようになってから誕生したもの。しかし、閏秒の概念は近年定められたもので、実は閏年とは何の関係もない。「閏年には閏秒がある」という訳ではないので注意しよう。
閏秒はあくまでも、天文学的な時間と協定世界時とが0.9秒以上ズレそうな時に追加される。そのため、現時点ではいつ閏秒が追加されるのかも決まっていない。また、国によっては閏秒の概念自体を廃止論も出ているようだ。
「60秒」を見られる時計が存在する
一般の時計では59秒で次の分の00秒に移行するため「60の表示」を見ることはないが、東京都小金井市にあるNICT本部研究本館では、閏秒を表示する時計を見ることができるそうだ。観覧スペースや閏秒に関する説明会も開催されるため、貴重な瞬間を目にしたいという方は、ぜひ足を運んでみよう。
文/oki