本来2月は28日までだが、うるう年には2月29日までとなり、1日追加されることは誰しもご存知だろう。しかし、4年に一度うるう年やってくることはわかっていても、「なぜうるう年があるのか」「どのような計算方法で決められているのか」について知っている人は少ないはずだ。
そこで本記事では、うるう年の基本・計算方法からちょっと役に立つ豆知識までを紹介する。
うるう年とは?
うるう年は、「閏(うるう)のある年」と定義されている。「閏」とは、1年の日数・月・秒が普段の年よりも多いこと。通常は1年365日だが、うるう年には「2月29日」が存在し、1年が366日となる。ちなみに、うるう年は英語で「leap year」「intercalary yea」と表現され、うるう年ではない年は「平年(へいねん)」と呼ぶ。
暦の基礎知識
そもそも「暦(こよみ)」には、太陽暦・太陰暦・太陰太陽暦(グレゴリオ暦)など、さまざまな種類が存在し、それぞれで”実際の季節とのズレ”が生じる。うるう年(うるう日)は、このズレを解消するためのものだ。
現在、日本を含む多くの国では「太陰太陽暦(グレゴリオ暦)」を採用している。太陽の運行、月の満ち欠けを基準にするこの暦は、季節のズレが生じにくいとされているが決して完璧ではない。そのため、誤差を修正するためにうるう年を作り調整を行う。
なぜ2月なの?
1年12ヶ月の中で「2月はもっとも日数が少ない月」であることも1日多くなる理由の一つとされているが、歴史を遡ってみると2月に1日追加されるのは、どうやら古代ローマの風習が関係しているようだ。
古代ローマでは、1年の始まりを3月としており「2月が1年の終わりの月」と認識されていたため、”わかりやすさ”から2月に設定されたようだ。(今の日本で言えば、大晦日が1日ズレるイメージかもしれない)
うるう年の計算方法は?
では、うるう年はどのように計算されているのだろうか。地球が太陽の周りを1周するのには、「およそ365.24219日」かかると言われている。この日数に近くなるよう、うるう年を設けることで調整を行っている。
うるう年は計算できる?
うるう年の計算には「西暦」が使用される。西暦が4で割り切れる年はうるう年、そうでない場合は平年だ。しかし、例外として西暦が100で割り切れて400で割り切れない年は平年になる。
例えば、2100年は4で割り切れるため本来うるう年になるが、「100で割り切れて400で割り切れない」ため平年となる。
まずは調べたい西暦が4で割り切れるかを確認し、その後100で割りきれるか、400で割り切れないかを確認すれば、うるう年かどうかが判明する。
エクセルで簡単にうるう年を計算する方法
「いちいち計算するのが面倒」という場合には、エクセルの数式を活用して、うるう年かどうかを算出する方法がおすすめだ。
【数式】
=IF(OR(MOD(A1,400)=0,AND(MOD(A1,4)=0,MOD(A1,100)<>0)),”うるう年”, “平年”)
A1列のセルに西暦を入れ、その右のセルにこの数式を入れれば「うるう年」か「平年」かを自動で算出してくれる。
うるう年にまつわる豆知識
最後に、うるう年にまつわる豆知識をいくつか紹介する。身近なうるう年の疑問を解消してほしい。
うるう年では金利や延滞金の計算はどうなる?
うるう年は1年が366日となるため、金利や延滞金について疑問を抱く方もいるだろう。どちらも1日多い366日として計算するのが原則だが、特約により365日とされるケースもある。特に、銀行の定期預金・支払利息の計算には、365日で計算する特約がついていることが多いようだ。それぞれの契約内容を確認し、うるう年の取り扱いがどうなっているかチェックしてみよう。
オリンピックの開催年との関係
簡単にうるう年かどうかを判断するために、「オリンピックの開催年かどうか」を調べる方法がある。2020年は東京オリンピックが開催され、かつうるう年である。
しかし、先ほど計算方法で紹介したように4で割り切れたとしても「100で割り切れて400で割り切れない」時は、必ずしもオリンピックイヤーとうるう年が重ならない。つまり、(かなり先の話だが)2100年のオリンピックイヤーはうるう年ではなく、平年となる。
うるう年の誕生日
うるう年の2月29日が誕生日の場合、行政手続きにおいては前日の2月28日を「みなし誕生日」として取り扱う。また、2月29日生まれの方は、うるう年・平年を問わず「2月28日24時」が年齢が変わるタイミングになるそうだ。つまり、平年では2月29日生まれの方は、3月1日生まれの方と同じ扱いになる。免許証の生年月日にもみなし誕生日が適用されており、「2月29日」ではなく「2月28日」が用いられるようだ。
一方、戸籍はどうなるかというと「2月29日」と記載される。ある芸能人は、2月29日生まれだったが「4年に一度しか誕生日がこないのはかわいそう」とのことから、戸籍の日付を3月1日にズラしてもらったとか。
もし、周囲に2月29日生まれの方がいる場合には、3月1日に誕生祝いを行うのが良さそうだ。
文/oki