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投資に適しているのはBBB以上!債券を投資する時の判断材料として参考にすべき「格付け」の見方

2020.01.30

国、地方自治体、企業にはAなど英数字で表される記号で格付けされているのをご存じでしょうか?その格付けはどのようにつけられているのか、どういう意味をあらわすのか解説したいと思います。

格付けとは?

債券は、発行機関または発行企業が倒産しない限り、満期に元本が返ってくる金融商品です。

つまり、倒産リスクさえ気にしていれば損をしません。(ただし、途中売却したとき、外貨建てで円高になったときは損をします。)

そこで、債券投資の際には、その発行機関または発行企業が倒産しないかどうか見極めることが重要となります。実際に倒産しないかどうかは、機関や企業は借入(銀行からの借入、社債など)の債務を返すことができるか、「債務を履行できるか」で決まります。機関や企業は、財務状況を開示することが求められているため、財務諸表を見れば「債務を履行できるか」を見極めることができるかもしれませんが、個人で分析するのは難しいでしょう。そこで、プロが分析して履行できるかどうかをレベル順に示すのが格付けで、格付けを見ることにより、簡単に信用力を判断することができるのです。

格付け機関とは?

格付け機関は、その信用力を英数字などの記号で表します。格付け機関自体にいろんな会社があり、その機関ごとに信用力を示す記号が異なります。

大まかに言えば、AAA(トリプルエー)が一番信用力が高く、B、Cの順に信用力が下がっています。

BBB(トリプルビー)以上が投資に適しており、BB(ダブルビー)以下の格付けの会社が発行する債券は倒産する可能性の高いジャンク債またはハイイールド債といわれています。

格付け機関は、主に日本ではJCR(日本格付研究所)、R&I(格付投資情報センター)、海外ではS&P(スタンダードアンドプアーズ)、MOODY`S(ムーディーズ)が有名です。

格付け会社は民間企業で、企業から格付け依頼を受け、その企業から手数料を受け取って格付けしています。なぜ、企業は手数料を払うのかというと、債券を発行する際格付けがあることで、投資家が安心し、投資してくれるからです。

では、格付け会社は、企業からお金を受け取っているのに、その企業に厳しい格付けをすることができるのでしょうか?

格付け会社は、甘い審査をすれば投資家から信頼がなくなり、信頼のない格付け機関には企業からも依頼がなくなるので、そうすると民間企業である格付け機関は倒産してしまいます。

そして、格付け機関は、依頼企業とで利益相反が起きないよう、格付け手数料を受け取るための営業担当者と格付けに意見するアナリスト(合議で決める)を完全に分離をすることで、格付けの公平性を保っています。

したがって、投資家の目、担当の分離などにより公平性を保っていることから、厳しい格付けをつけ、信用して投資判断をしてもよいといえます。

各社の格付け

<格付け会社別格付け記号一覧>

上記以外にも、+-がついていることがありますが、+は上の格付けに近いことを-は下の格付けに近いことを表します。

債券投資を行う際には、BBB以上の投資適格以上が推奨されます。

投資適格とは、信用力が相対的に高く、銀行などのプロ投資家が投資に適しているとみなす水準となります。一方、BB以下の債券を投資適格以下といいます。投資適格以下の債券は、ハイイールドとよばれ、リスクが高い分相対的に利回りが高くなります。投資適格以下だからといって直ちに倒産するわけではないため、事業環境が良いときには好まれて投資されますが、不況などにより事業環境が悪くなるとデフォルト(利息または元本が返ってこない)または価格が大きく下がる可能性があります。

あの企業の格付けは?

<あの企業の格付けは?>

2020年1月22日、R&Iが付けたトヨタ自動車の格付けが日本の格付けを上回ったことが話題になりました。日本が、日本の財政赤字、財政再建目標を達成できるかどうかにより格下げになる一方、トヨタ自動車は、収益、財務基盤の強さにより負債の返済能力が高まったことにより、最上級の格付けを取得しました。

格付けで投資判断する際に注意したいこと

格付けは、「債務が履行されるのか」という面で分析された結果を示すもので、格付けが高いからといって企業価値が高いとか、業績が良いということを示すものではありません。

債券を投資する際には、倒産しなければ元本が返ってくることから、格付けで投資判断をすることが適しています。

一方、株式に投資する際には、株価は業績などから決定づけられるものであるため、格付けはあまり参考になりません。

格付けを投資判断に利用するときは、債券に対して行い、株式投資の際には参考に留めておきましょう。

文/大堀貴子

フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。

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