世界最大のカスタムカーイベント「東京オートサロン2020」が、今年も1月10日〜12日に幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催され、3日間の合計来場者数は33万6060名(前回:33万666名)と過去最高の動員数を記録した。
チューニング雑誌「Option」の初代編集長である稲田大二郎さんが発起人となり、1983年よりスタートしたこの「東京エキサイティングカーショー」(※1987年以降「東京オートサロン」に改名)。
当初は、暴走族や違法改造車などとオーバーラップして批判が渦巻く中、「チューンドカーの市民権を勝ち取る」というコンセプトを掲げてスタート。
その後、徐々にチューニングカーやドレスアップカーへの認知度が高まり、近年では自動車メーカーが積極的に参加することにより不動の人気に。
ということで今回の「東京オートサロン2020」について、まずは自動車メーカーのブースを中心に気になったマシンやイベントなどをざっと振り返ってみよう。
※記事内容は、2020年1月10日の取材
TOYOTA GAZOO Racing
今回、トヨタはもちろん「東京オートサロン2020」にとってもトピックとなったのが、FIA世界ラリー選手権(WRC)のホモロゲーションモデル「GRヤリス」の世界初公開。
「GRスープラ」に続く、TOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」のグローバルモデル第2弾となる「GRヤリス」は、WRCの技術がフィードバックされた1.6Lターボに4WDを組み合わせたスーパーホットハッチとなっている。
パワースペックは、最高出力272psに最大トルク370Nmと強烈な上、車両重量が1,280kgと軽量なため、6速MTを操りながら痛快な走りに期待が持てる1台だ。
なお、販売開始時期は2020年の夏頃とアナウンスされているが、特別仕様車RZ“First Edition”と“High- performance・First Edition”については、先行予約の受付を1月10日(金)から6月30日(火)までの約6か月間、Web限定で開始している。
「GRヤリス ラリーコンセプト」
謎の「GRヤリス CVTコンセプト」。駆動方式はFFか?
さらに1月10日の屋外イベント会場では、今年、10年ぶりに開催が復活したRally Japanのプロモーションを兼ねて、FIA世界ラリー選手権(WRC)の迫力を感じてもらおうと、今年からTOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamに加わった、セバスチャン・オジエ選手とコ・ドライバーのジュリアン・イングラシア選手による「ヤリスWRC」を使った迫力あるデモランを披露。
また、「東京オートサロン2020」最終日の1月12日には、モリゾウこと豊田章男社長がサプライズ登場して、WRCに挑戦する日本人ドライバー勝田貴元選手を乗せてデモランを行ない会場を沸かせたとのこと。
写真奥のセバスチャン・オジエ選手と写真手前がコ・ドライバーのジュリアン・イングラシア選手
そのほか、TOYOTA GAZOO Racingブースで気になったマシンは以下のとおり。
世界中のプライベートチームに人気のGT4カテゴリーに新規参入する「GRスープラ GT4」
今シーズンのSUPER GT(GT500クラス)に参戦するニューマシン「GR スープラ GT500」
FIA世界耐久選手権(WEC)の第8戦ル・マン24時間レースで優勝した「TS050ハイブリッド 8号車」
「GRスープラ カスタマイズエディション with GR PARTS」
関連情報
https://toyotagazooracing.com/jp/eventexhibition/tokyoautosalon/
SUBARU/STI
SUBARU/STIのブースで最も注目されたのが、新型「レヴォーグ プロトタイプ STI Sport」の初公開だろう。
すでに2019年10月に開催された「東京モーターショー」では、新型「レヴォーグプロトタイプ」を公開しているが、今回はSTIとタッグを組んだモデルを初披露。
新型「レヴォーグ」は、ゆがみを抑えた高剛性ボディを実現するフルインナーフレーム構造を組み合わせたスバルグローバルプラットフォームや、新開発の1.8L水平対向直噴ターボエンジンを採用。
さらに、広角化した新開発ステレオカメラと前後あわせて4つのレーダーによる360°センシングを実現する新世代「アイサイト」といった、スバルの持つ最新技術が注ぎ込まれたモデル。
この新型「レヴォーグ プロトタイプ STI Sport」は、スバルとSTIが一丸となり、新型「レヴォーグ」の進化した走行性能を最大限に引き出すことで、さらなる走りの愉しさをもたらす「SUBARUの走りの未来」を提示するパフォーマンスワゴンとなっている。
なお、SUBARU/STIブースで気になったそのほかのマシンは以下のとおり。
STIパフォーマンスパーツ等を装着することで、走りのパフォーマンス向上を狙った「WRX S4 STI Sport GTコンセプト」
STIがレースで培った経験を活かしたパーツを装着することで、SUBARU BRZの特長である高いコーナリング性能を最大限に向上させることを狙った「SUBARU BRZ STI Sport GTコンセプト」
SUPER GTで活躍する「SUBARU BRZ GT300 2019」
2018年、2019年のSP3Tクラスで優勝し2連覇を達成した「WRX STI NBR 2019」では、キッズを対象にしたシートに座って写真が撮れるキッズライドを実施
JN1 シリーズ2年連続シーズンチャンピオンに輝いた全日本ラリー選手権 2019参戦車「WRX STI RALLY」
関連情報
https://www.subaru.jp/tas/
ダイハツ
今年もダイハツブースは、昨年同様に「遊びゴコロをみんなのものに。」をテーマに、個性あふれるコンセプトカーの数々を出展。中でも、軽クロスオーバーSUVの「TAFT(タフト)コンセプト」は、世界初公開となる注目車。
その車名は、「Tough&Almighty Fun Tool」の頭文字「TAFT」を組み合わせたもので、日常生活からアウトドアまでアクティブに使える軽のクロスオーバーSUVを目指して開発。
この新型「タフト」の発売は2020年年央とのことで、いまから登場が楽しみだ。
このほか、ダイハツブースの「遊びゴコロある」クルマは以下のとおり。
荷台をDJブースにした「ハイゼットトラックDJ Ver.」
ボディ側面でボルダリングができる「ハイゼットトラック PEAKS Ver.」
アメコミのMARVELでお馴じみの『スパイダーマン』をモチーフにした「タントカスタムMARVEL スパイダーマンVer.」
関連情報
https://www.daihatsu.co.jp/learning/event/tokyo_as2020/
スズキ
スズキのブースだけでなく、今回の「東京オートサロン2020」の中でも大変人気を集めていたのが、2輪の名車「GSX1100S KATANA」とコラボした「スイフトスポーツ カタナエディション」だ。
そのエクステリアは、2輪の「KATANA」の造形をヒントに、ワイド化したフェンダーにより、迫力あるグラマラスなシルエットを強調。内装は熱を帯びたマフラーを彷彿させるグラデーションチタンをインパネなどに加飾することで、力強さと美しさをプラスした傑作車。
現時点では、参考出品ということで販売する予定はないのだが、反響によってはパーツ販売などもあり得るとのことなので期待したい。
このほか、スズキのブースで気になったクルマは以下のとおり。
写真奥は、新型「ハスラー」をベースに街中でBMXやスケボー、ダンスなどを楽しむ若者の遊びの基地をイメージしたコンセプトモデル「ハスラー ストリートベース」
洗練された大人のマリンレジャーをイメージした「ジムニーシエラ マリンスタイル」
なぜにボート?と思ったら、前出の「ジムニーシエラ マリンスタイル」の演出も兼ねてスズキ製フィッシングボート「S17」も展示
「東京オートサロン2020」Part.2へ続く
関連情報
https://www.suzuki.co.jp/tas_oam2020/
取材・文・撮影/土屋嘉久(ADVOX株式会社 代表)
クルマは走らせてナンボ!をモットーに、どんな仕事にも愛車で駆けまわる日々。クルマのほかにもグルメやファッション情報、また小学館Men’s Beautyでは、男性に向けた美容・健康法、化粧品情報なども発信。