1月25日は「主婦休みの日」だとご存じだっただろうか?
サンケイリビング新聞社が2009年より提唱しているこの記念日。会社員には週休2日程度の休みがあるのに、主婦には365日休みがない……そんな休みなく、家事・育児に勤しむ主婦の方がリフレッシュできるようにと制定されたのだ。
そんな間近に迫った「主婦休みの日」にちなんでこのほど、パナソニックによる「家事分担」に関するアンケート調査が行われたので、その結果を紹介していきたい。
なお本調査は、関東(1都6県)・関西(2府4県)に在住する、30~49歳の既婚男女計1,200人を対象にして実施された。
家事分担意識は年々広がってきている
共働きの世帯で「以前より、家事を分担するべきという意識が広がっていると思う」人は70.0%、「以前より、世の中や社会一般で、家事分担や協力は進んでいると思う」人は64.0%、「家事を、夫婦や家族で分担や協力してやるのは当たり前だと思う」人は76.1%と、家事を分担する意識は広がってきていることがわかる。
分担の実績も2年前と比較して、わずかながら上昇
2017年4月に実施したライフスタイル調査と比較して、自身とパートナー(配偶者または、同居している恋人・パートナー)の家事分担の割合は、「夫視点」/「妻視点」、「平日」/「休日」/「トータル」いずれも、夫の割合が1~3ポイント程度上がる結果となった。わずかだが、実績としても家事分担は進みつつあるようだ。
一方、2年前と比較して、共働き夫婦から「余裕・ゆとり」が減退している
2017年の調査と比較して、生活の中に「ゆとりがある」と回答した割合は、調査した全ての項目で下がっていた。共働き世帯で家事分担の意識は広がりながらも、夫婦から「余裕・ゆとり」が減退しているという現象が起こっているようだ。
共働き夫婦の仲はよくなっているのに、「共疲れ」でトラブルは増えている
2017年と2019年の調査を比較すると、「パートナーと仲がいい」と回答する割合が増えている。一方で、「お互いが疲れていてトラブルになったことがある」と回答する割合も大幅に上昇している。また、家事の分担によるケンカもこの2年で約7.6ポイント増えていた。
家事分担は進みつつあっても、「心が求める時間」が持てていない現実
共働き世帯のうち、過半数の人が「心のよりどころとなる時間」「家族みんなと過ごす時間」「自分の好きなことをする時間」「子どもと過ごす時間」(子どもがある人のみ)を増やしたいと回答。実際には多くの人が「心が求める時間」を持てていないという実態が浮き彫りになっている。
家事分担している夫婦では、夫婦合計の家事時間が減るわけではなく、むしろ増えている
共働き世帯が家事にかけているトータルの時間を「家事分担ができている世帯」と「家事分担ができていない世帯」で比較されたところ、両者が家事にかけているトータル時間に大差がない、むしろ「家事を分担できている世帯」の方が、家事に時間をかけている傾向があることがわかった。
時短をしても「ゆとりがない」「せわしない」「楽になっていない」
家事の時短を工夫しても、「時間やゆとりができない」、「せわしないだけで、やることが変わっていない」、「せわしないだけで、ちっとも楽になっていない」と回答する人が多い結果となった。
原因は、空いた時間でやるべき家事ができてしまうこと
共働き世帯で家事をしている人に対して、家事の時短に対する意識や行動について調査が行われたところ、「時短で空いた時間にやるべき家事ができてしまう」「時短してもやるべき家事の量が変わらない」「問題は家事の量自体が多いことである」と感じていることがわかった。
正解がない、際限がない、永遠に終わらない「無限家事地獄」
家事をもっと楽したいと思っているのに、なかなかそうできない理由で最も多かったのは「自分以外にやる人がいないから」で、続いて「家事には正解がないから」、「家事には際限がないから」、「達成度が測れる尺度がないから」、「自分の中の理想と比較して、できないと思ってしまう」など、次から次へとやるべき家事を作り出してしまう、どこまでいっても終わらない理由が並んだ。
多くの共働き世帯が、いわば「無限家事地獄」に陥ってしまっているようだ。時短や家事分担をしてもゆとりや余裕ができない理由も、この「無限家事地獄」が原因かもしれない。
<考察>
2年前の2017年と比較して、徐々にではあるものの、意識としても実態としても、共働き世帯での家事分担が浸透してきていることがうかがえる。
一方で、普段の生活の中での余裕やゆとりは減退しており、さらには夫婦間でのトラブル、家事分担を巡ってのケンカが2年前よりも増えており、夫婦ともに家事に疲弊する「共疲れ」状態に陥っているのでは?という結果に。
また、「自分の好きなことをする時間」など「心が求める時間」を持てていないと感じている夫婦が多く、実際に、家事分担が進んでも夫婦合わせたトータルの家事時間は減っておらず、むしろ増えていることもわかっている。
では、時短の工夫をすれば解決するのか?というとそうでもなく、時短をしてもゆとりがない、楽にならないという共働き世帯が多い結果となっている。
その要因について深掘りしてみると、時短をしてもやるべき家事の量自体は変わらない、さらには家事には正解も際限もなく、時短によって生み出された時間で別のやるべき家事ができてしまう、という実態が浮き彫りになっており、このことが共働き夫婦に余裕やゆとりが増えない要因のひとつと考えられそうだ。
「時短」でも「分担」でもない、「しない家事」は70項目
正解がない、際限がない、永遠に終わらない「無限家事地獄」。やってもやっても終わらないなら、いっそのこと「時短」や「分担」だけではなく、家電などに任せて人間がしなくていい「しない家事」を増やしてはどうだろうか。
育児や介護を除く、共働き世帯を想定した時の家事リストはおよそ167項目で、そのうち約41.9% にあたる70項目が、家電などに任せられる可能性がある「しない家事」ということがわかった。
「しない家事」になり得る家事のストレス度トップ10、第1位は「グリルの焼き網、受け皿を外し、汚れを擦り落とす」
家事で感じるストレス度をヒアリングし、そのうち「しない家事」になり得る家事の感じているストレス度がピックアップされたところ、1位は「グリルの焼き網、受け皿を外し、汚れを擦り落とす」の5.87点、2位「キッチンの換気扇を掃除する(パーツを取り外し、掃除し、戻す)」5.62点、3位「洗濯物の頑固な汚れを落とす/場合によっては浸けておく」という結果になった。
まずはこれらの家事から「しない家事」をはじめてみてると、家事に対するストレス度が減るかもしれない。
「しない家事」を取り入れることで、7割近くの人がストレスが「減る」と回答。軽減できるストレスは40.0%
家電などに任せて「しない家事」が実現できたら、共働き世帯の71.6%が「ストレスが軽減すると思う」と回答。特に共働き世帯の女性は77.3%がストレスを減らせると感じているようだ。そして、「しない家事」により、平均40.0%のストレスが軽減されるという回答が得られた。
※パナソニック調べ
<調査概要>
①2019年 30・40代夫婦のライフスタイル調査第3弾
調査対象:関東(1都6県)・関西(2府4県)に在住の30〜49歳既婚男女計1,200人
調査方法:インターネット調査 調査期間:2019年7月31日(水)~8月7日(水)
②2019年 30・40代夫婦のライフスタイル調査第3弾(追加調査)
調査対象:同上 調査方法:同上 調査期間:2020年1月8日(水)~1月10日(金)
※調査結果の数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。
出典元:パナソニック株式会社 コンシューマーマーケティング ジャパン本部
構成/こじへい