イースターはキリスト教圏の国では春のビッグイベントです。キリスト教徒の少ない日本では知名度が高くありませんが、ウサギや卵形のチョコレートを見かけたことはあるのではないでしょうか。イースターやウサギと卵の意味や由来、遊びを解説します。
イースターについて知ろう
日本で春のイベントといえば花見が有名ですが、キリスト教圏の国では『イースター』を楽しみます。実はクリスマスより重要な祭であるイースターの意味やルーツを見ていきましょう。
ルーツはイエスの復活祭
『イースター』とは、イエス・キリストが十字架にかけられて死んで3日後の日曜日に復活したことを祝う祭です。
キリスト教のシンボルが十字架であることからも分かるように、イエス・キリストの受難と復活はキリスト教の信仰の根拠ともなる出来事です。
これを祝い、記憶するためのイースターは、イエス・キリストの誕生を祝うクリスマス以上の、キリスト教にとって最重要な祭事となっています。教会にとって不可欠な祭であり、キリスト教圏の国々では春のビッグイベントです。
イースターの決まり方と2020年の日程
イースターは、年度によって日付が異なる『移動祝日』です。また、グレゴリオ暦を採用する西方教会とユリウス暦を採用する東方教会では日付が異なります。
イースターの日付の決まり方は『3月21日のあとの満月から最初の日曜日』です。イースターはイエス・キリストが復活した『日曜日』に行う必要があり、キリスト教では春分の日を3月21日と固定していることなどから、この計算方法をとっています。
2020年のイースターは、ローマ・カトリックやプロテスタントなどの西方教会では4月12日、正教会などの東方教会では4月19日です。
復活祭の1週間前の日曜日『枝の主日』から復活祭にかけての1週間は、『聖週間』や『受難週』と呼ばれる重要な期間で、木曜日や金曜日からはキリスト教圏の多くの国で祝日となっています。
イースター飾りの意味は
イースターの時期が近付くと、卵やウサギのモチーフの商品が増えます。『イースターエッグ』や『イースターバニー』が、イースターの意味とどのようにつながるのかをチェックしましょう。
卵の意味
『イースターエッグ』は、イースターのシンボルの一つです。教会では卵を赤く染めて、イエス・キリストが人類の罪を背負って流した血と、復活の象徴とします。
この赤い卵の聖体拝領が、イースターで卵の装飾を行ったり食べたりすることのルーツです。普段はパンと赤ワインを聖体として拝領していますが、イースターの日には特別な仕様にしてキリスト教圏全体で祝います。
うさぎの意味
『イースターバニー』は、西方教会におけるイースターのシンボルです。
春に行われるイースター(Easter)の語源はゲルマン神話で、多産と豊穣を司る春の女神『エオストレ(Eostre)』という説があります。ウサギもまた多産と豊穣や、再生の春の象徴です。
ウサギはエオストレの化身でもあり、古代では雌雄同体と考えられていたことから聖母マリアの処女性にも通じます。
また、ウサギはニワトリの卵を庭に隠して子どもたちと遊ぶという寓話も、イースターのキャラクターとなるルーツの一つです。
子どもと一緒に楽しむなら
キリスト教圏では、卵形やウサギ形のチョコレートを食べたり、イースターエッグを使ったさまざまな遊びを楽しんだりします。
ウサギは卵を使って子どもと遊ぶというルーツがあるため、イースターでは卵を使った遊びが豊富です。ここでは、子どもと一緒に楽しめるイースターの遊び3種類を解説します。
エッグ・ハント
『エッグ・ハント』は、庭や草むらに隠した卵を探し当てるゲームです。上述の寓話をルーツとする遊びで、ウサギが隠した卵を見つけましょうというテーマを持っています。
また、「ウサギはよい子の家に卵を運んでくる」という寓話もあり、子どもと関係性の深い遊びです。伝統的にはゆで卵を使いますが、中にお菓子やおもちゃを入れたプラスチック製のイースターエッグを使うことが増えています。
庭でなくとも家の中で宝探しのように遊ぶのもよいでしょう。子どもと一緒に卵を装飾すると楽しみが増えます。
エッグ・ロール
『エッグ・ロール』は、卵をスプーンで転がしていく遊びです。アメリカでは毎年ホワイトハウスで大統領が主催して行う恒例イベントとなっており、春の風物詩ともいえます。
こちらも伝統的にはゆで卵を使い、割らないように転がしていくスタイルです。ただ姿勢的にもつらいものがあるので、大きめのプラスチック製イースターエッグを柄の長い木製スプーンで転がすスタイルが定着しています。
ただ転がすだけでなく、レース形式にして順位を競うというのもエッグ・ロールの遊び方の一つです。
エッグ・レース
『エッグ・レース』は、スプーンに乗せた卵を落とさないように競走する遊びです。競走といっても、慎重に運んでいくので長い距離は必要ありません。
ゆで卵で遊ぶとスリルがあります。ただ、スプーンと卵のサイズ感によっては難易度が高いため、プラスチック製のイースターエッグで遊ぶのが基本です。
エッグ・ロールとは違って屈まずに遊べて、床面を気にしなくて済みます。室内でも遊びやすいので、装飾するイースターエッグに合うサイズのスプーンを用意してみてはいかがでしょうか。
構成/編集部