遊舎工房、工作室で作業開始
準備完了したキーボードキットと部品一式を持参して、遊舎工房の工作室にお邪魔した。工作室には工具一式がバスケットに収められてレンタルされるので、重たい工具を持ってくる必要はない。準備の終わった基板を取り出して早速、ハンダ付け開始、サクサクと進める。続けてTRRSジャックとリセットスイッチをハンダ付けする。
Pro Microと基板をハンダ付け不要で固定するためのコンスルー(スプリングピンヘッダと呼ぶ場合もある)というパーツの向きをスタッフに質問した。正解はスプリングの足の下にある丸い小窓の向きを揃えること。両方、こちらから見えればいいのだ。Pro Microの平らな面を上にしてスプリングピンヘッダの足をハンダ付けして不要な部分をカットする。これで基板側に差し込むだけで固定できるようになった。
次に2Uキーのためのスタビライザーを次に取り付ける。これはタッチを向上させるパーツで省略もできるが、せっかく付属しているので取り付けた。部品はしっかりルブる。この時点でキー配置を決めておく必要がある。私は親指の先端を2Uとした。
ケースは透明なアクリル板なので完成後もハンダ付けの様子がよく見える
基板が変色して見えるのはフラックスなので洗浄剤を使って拭くとキレイになる
Pro Microにスプリングピンヘッダを取り付ける。小窓の向きを一方向に揃える
キースイッチを取り付けたら、無反応のキーがある!
ここまで完成したら、いよいよアクリル板を取り付けてキースイッチをはめ込み、裏側からハンダ付けしていく。このハンダ付けはダイオードの時よりカンタンだが、接触不良のイモハンダになるとキーが反応しないのでしっかりおこなう。完成したら、ファームウエアを書き込んで動作チェックした方がいいのだが、私はハンダ付けに自信があったので、キーキャップを取り付けてケースまで完全に組んでしまった。ファームウエアを書き込むと左右で反応しないキーがある。スタッフに助けを求めると、その位置を見ただけで、Pro Microの裏側のキースイッチのハンダ付けを忘れていることを指摘された。そうなのだ、先にPro Microを差し込んだままハンダ付けするというポカをやらかしていた。ケースをバラしてPro Microを外してから、ハンダ付けすると問題は解決した。
ハンダ付けを終えケースをネジ止めして完成したキーボードの裏面
キーキャップをはめ込んで完成したキーボード。完成度が高くキットには見えない
こうして無事、自作キーボードキット『ErgoDash mini』は完成した。自宅での準備も入れて3時間台でここまで来たが、完成したのはハードウエアだけで、これからキーボードとして動作させるためにファームウエアを書き込む必要がある。それは設定&カスタマイズ編でご紹介しよう。
写真・文/ゴン川野