(https://www.qr.com.qa/homeより引用)
朝8時。
自宅の最寄り駅には押しつぶされんばかりに人を詰め込んだ車両がほぼ3分おきに到着する。
ドアが開き、これ以上乗り込むスキマもないのに果敢に突っ込んでいくビジネスパーソンたち。
そして、彼らを押し込むべくスクラムを組む駅員さんの姿にラグビーワールドカップの日本代表の勇姿が頭をよぎる。
そう、満員電車はワンチーム……なんて美しい日常はもちろんココにはなく、スペースの取り合い(ジャッカル?)が繰り広げられ、歓声ではなく舌打ちの嵐。
世界一裕福な国の最新地下鉄の乗り心地は?
そんな日本の通勤列車に比べてなんとも贅沢な地下鉄が世界にはある。それがドーハの地下鉄だ。その建設には三菱重工業、三菱商事、日立製作所、近畿車輛といった日本企業も関わり、全自動無人運転の地下鉄システムとして開発が進められてきた。カタール政府は2022年に同国で開催されるサッカーW杯も見据えてインフラ整備に取り組んでおり、この地下鉄はW杯競技会場間をつなぐ主要経路としての役割を果たすことが期待されている。
すべてが完成すると総延長300km・100駅以上になる国を挙げたプロジェクトだが、まだすべてが開通しているわけではない。
(https://www.qr.com.qa/homeより引用)
カタールと言えば、石油や天然ガスの資源が豊富で世界一金持ちの国と言われる。
そんな国の地下鉄に興味があったので、乗ってみた。
切符売り場→特になにもしなくていい
まず、切符の購入からだが、結論からいうと特に何もしなくていい。
各売り場に係員さんがおり、英語ではあるが丁寧に教えてくれるというか、ほぼ行き先を言えば勝手に操作して購入してくれる。まだ地下鉄に慣れていないカタールの人々や観光客をアシストするためのようだ。
料金はスタンダードが2リヤル(約60円)、ゴールドクラブが10リヤル(約300円)となる。
ゴールドクラブは後ほど解説するが、ハイグレードなクラス。
駅の構内は広く、清潔でゴミ一つ落ちてない。海外でありがちな物乞いなどもおらず女性でも安心して利用できるだろう。エスカレーターでプラットフォームに下りるのだが、エスカレーターには座っている人もおり、せかせかした日本と違いを感じる。乗客は家族連れから観光客、ビジネスマン、労働者まで様々だ。
車両はゴールドクラブ向け車両・家族用車両・一般人用車両に分かれている。家族用車両というのは、女性が親族以外の男性と接触してはいけないイスラム教の習慣を尊重して設計された車両らしい。プラットフォーム上にも係員が数名おり、とても親切に案内してくれた。
せっかくなので、ゴールドに乗ってみました!
こちらがゴールドクラブの車両。日本の地下鉄では考えられないくらい贅沢なつくり。
だが、いざ、乗ってみると誰もいない…貸し切り?
無人運転なので先頭にも席があり、進行方向を見ながら座れる。地下鉄の線路上にもライトがあるため明るく、ちょっとしたアトラクション気分で楽しめる。
ちなみに、さすが最新の地下鉄だけあって携帯の電波は入りました。
それにしても、どこまで行っても誰も乗ってこない。
よく考えれば当然だが、金持ちはクルマで移動するので地下鉄には乗らないのだろう。市民は5倍の値段を払ってまで乗ろうとは思わないだろうし、筆者のようなモノ好きな観光客くらいなのかもしれない
スタンダード車両も広々。なぜか吊革はない。
参考までにこちらはスタンダート車両。日本と違ってそこまで混雑しないからなのか、吊革はない。車内には数は少ないがUSBコンセントがあり、充電もできます。
昼間は暑すぎて車がなければ生活できない街なので、他の路線が開通されたときに需要がどれくらい増えるのかに期待。
コチラが切符。中に電子回路のようなものが入っているので、かざすだけで入り口のゲートを通過できる。
<結論>
カタールの地下鉄は東京と違い穏やかな気持ちで乗れます。今のところは…
文/石崎寛明(編集部)